2018年12月17日

いかれころ 三国美千子

いかれころ 三国美千子 原稿用紙180枚 第50回新潮新人賞 201811新潮

 読み始めて1時間経ったところで、感想を書き始めます。
 一族の物語のようで、登場人物が多いので、メモをしながらゆっくり読んでいます。
 「いかれころ」は、「いかれる頃(心が壊れた頃)」なのか「怒れる頃」なのかはまだわかりません。(あとで違っていることがわかりました。踏んだり蹴ったりです)
 ひいおばあさんがいて、その息子夫婦がいて、そのまた子どもたちがいて、そのまた子どもが、ひ孫ですが、主人公はひ孫の杉崎奈々子さん、まだ5歳ぐらいです。(あとで、4歳と書いてあるのを見つけました)
 方言はわかりにくい。舞台は南河内市となっています。(そういう市はないようです)
 「私生児」とか、「中退」とか、「セイシン」とか、「アカ」とか、「カイホー」とか、「養子」とか、「恋愛結婚」とか、「地主と小作」、「本家と分家」とか、差別を扱った小説だろうか。

(つづく)

 母を「母」と書かず、「久美子」と書くのは、1個の独立した人格を強調していると判断します。

 主人公4歳杉崎奈々子の一人称で物語は進行していきます。
 関西の古くからある一族の四世代家庭、ことに女子の世界のからみあいが、風情豊かに文章表現してあります。昭和40年代から50年代にはやった関西を舞台にした数本のドラマの雰囲気がただよいます。

 きれいな文章が続きます。ストーリー展開の動きはゆるい。

 主人公4歳女児の杉崎奈々子は、「セイシン」の叔母(母の妹)杉崎志保子が好きです。そのことを奈々子の母親である久美子はよく思っていません。

 定番の『いじめ』のお話し。女子のいじめっこは、4歳で完成しています。

 杉崎家のプライド。人には上下がある。

 『矛盾』に悩みます。

 まとまろうとしても、人の世は、くずれていきます。人間生活のありようとかせつなさ、どうしようもなさを描いた作品です。

 調べた言葉などとして、「あかんたれ:だめな人」、「うそぶく:とぼける。知っていて知らぬふり」、「人心地つく:ほっとした気持ちになる」、「チョカ者:?」、「釣書:お見合いの時の自己紹介文書」、「ジョーゼット:柔らかい生地」、「閂:かんぬき」、「ぱいてん:子どもの安心毛布。おっぱい代わり」、「手水鉢:ちょうずばち。神社やお寺でお参りの前に手を洗うところ」、「背つぎ:踏み台」、「メトードローズ:ピアノの教則本」、「かんばしった:声が高く、鋭く響く」、「折檻:せっかん。こらしめ」、「毛氈:もうせん。カーペットの一種」、「誂える:あつらえる」、「しわい顔:なかなかものを噛み切れない感じ」、「すえた臭い:腐って酸っぱいような臭い」、「箪笥:たんす」、「樟脳:しょうのう。虫よけ」、「衣桁:いこう。着物をかけて置く家具」、「疚しい:やましい」、「畝:うね」、「齧る:かじる」、「尺度:しゃくど。ものさし」、「ゴーフル:薄く焼いたせんべい状の洋菓子」、「鬱屈:うっくつ。心がふさぐ」、「ずいき:里芋の葉」、「9月のかかり:9月の初め」、「鬱憤:うっぷん。外に出さない怒り、ねたみ」、「万年青:おもと。常緑多年草」、「前栽:せんざい。草木を植えた庭」、「ギンガム:綿織物。チェック柄が多い」、「ぴーえるの花火:毎年8月1日富田林市PL教団の花火大会」、「幸先:さいさき。良いことが起る前兆」、「モカシンの足:靴。一枚革、スリッポン形式」、「ここであんしとき:小さなこどもにお参りの手を合わせるように促す」、「とこのい:?」、「カンカン帽:麦わら帽子」、「踵をかえす:きびすをかえす。あと戻りする」

 気に入った表現として、「(寝っ転がって仰向けになって)かがみのそら(鏡の空)」


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