2018年07月31日

ののはな通信 三浦しをん

ののはな通信 三浦しをん 角川書店

 99ページまで読みました。これは、女性同士の同性愛の本ではなかろうか。しまった。苦手な世界です。途中、教師が女性徒をたぶらかす話も同時進行で動いています。これはいかん。どうしよう。448ページもあるけれど、さっさと読んでしまおう。

 形式は、交換日記のような手紙のやりとりです。女子高生同士です。最初は自問自答のようにみえて、そこから深層心理をえぐりだす作品かと思いましたが、たしかに2名存在しています。高校2年生からスタートのようです。時代は昭和59年です。

 貧しいらしい野々原はな、舞台は横浜のようです。文通相手というか交際相手というか、もうひとりが牧田はなで妹がいます。みどりという名前です。帰国子女とあるのでお金はあるみたい。外交官か。

 フランチェスカが女子高の名称でしょう。

 短文の手紙の交換が続きます。448ページの終わりまで、この調子で進むのだろうか。たぶん進むのだろう。テーマはなんだろう。

 野々原茜は思春期の意識で破たんしていきます。自滅です。

 なんか、どんどん、すごいというか、ひどい展開になってゆく。

(つづく)

 読み終えました。

 長文が続きます。長い期間をかけて書かれた小説です。心情を吐露する(隠さずつまびらかにする)作品です。小説家としての強さを作者に感じました。途中、雰囲気が、夏目漱石作「こころ」を読んでいるような感じに陥りましたので、「こころ」を意識して書かれたのかもしれません。

 「墨汁:途中ボクジュウという表記でたびたび登場。湘南にあるらしき開明高校のこと」

 多感な女子高生時代をのりこえて、大学時代へと進行しますが、途中、20年間のブランクが生じます。

 印象に残った表現の主旨として、「男性の体で自分の体を試すという女の強気」、「ラブホテルのポイントカード」、「別れましょうの宣言」、「東大、早稲田、外交官の水準の高さ。イギリス生まれ、小学校はワシントン」、「子どもをつくるために行為をしていたが、子どもができないということがわかって、行為をする意味も目的もなくなった」、「大災害があったとしても日常は続いていく」、「だれかがいる感覚」

 お互いを傷つける言葉を発しながらもふたりの関係は続きます。長い年月がそれを成立させてくれています。女性同士の愛情であり友情です。最後まで読みましたが、その地点まできて、まだ、この小説は終わっていないと感じさせてくれます。
 途中、ふたりとも事件事故に巻き込まれて死んでしまうのではないかという展開を予想しましたが、40代初めぐらいのふたりが生きている限りは小説は完結しても物語は続いていきます。この物語は終わっていません。

 話の中身はけっこうつらい。「孤独」があります。

 再会してもそれぞれがそれぞれの今を語るしかありません。今の共通点がありません。アフリカの国の情報は読み手にとって必要な情報ではありませんが長文です。

 ただ、最後まで、同一人がふたつの人格で手紙を交換していたというイメージは消えませんでした。なので、感情移入がしにくかった。

 女性の闇の部分が描かれています。

 「平和」についても考えさせられました。  

Posted by 熊太郎 at 06:07Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2018年07月30日

凶犬の眼 柚月裕子

凶犬の眼 柚月裕子(ゆづき・ゆうこ) 角川書店

 狂犬ではなく凶犬。造語なのでしょう。
 以前、同作者の将棋を扱った本を読んだのですが、わたしにはそちらのほうが良かった。「孤狼の血」も読みました。それらと比較すると今回の作品は質が落ちる気がします。
 話は基本的に、週刊誌の記事順で進みます。それが動きを止めています。日誌(日記)を読んでいるような「ふりかえり」の感じがあるので「今」という臨場感がありません。過去記事です。
 
 現職警官が、情報を得るために、反社会的勢力組織と手を組んで仕事をするお話です。清濁併せ吞む話です。それを許せるかどうかで読後感は違ってきます。
 まず目の前に容疑者がいても逮捕はしません。正式に見れば悪い警官です。反社会的勢力から情報を得て、より高い成果を挙げることを目標とする。ばれて、懲戒処分をくらっても、それはそれでよしとする度胸がありますが、実際は、警察は辞めたくはないようです。

 舞台は今回の水害の地のような区域です。主な舞台は広島県です。

 セリフとセリフの間の文章を注意しながら読んでいます。書き方の学習です。それから、話し方で登場人物の個性を出す。

 川の事故は唐突な感じがします。伏線の張り方はうまい。

 登場人物の名前がいっぱい出てくるので把握することがたいへんでした。

 「信賞必罰:しんしょうひつばつ。功績があれば与え、罪は罰する」、「タメ口:友だち口調。丁寧語を含まない。対等、同等の立場」、「エス:警察用語。組織内通者」、「生きる縁:いきるよすが。心のよりどころ」

 気に入った表現として、「香りだけで安物とわかるコーヒー」  

Posted by 熊太郎 at 06:17Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2018年07月29日

いちばんじゃなくて、いいんだね 松野明美

いちばんじゃなくて、いいんだね 松野明美 アスコム

 1回目の本読み。まず、1ページずつめくって、最後のページまでいくのが、ときおりのわたしの読書手法です。
 有名なマラソン選手の方です。明るい人、よくしゃべる人。、熊本県の人、小柄(148cm)、がんばる人、そんなイメージがあります。それから、お子さんが障害児。本を読むまでは、お子さんはお一人だと思っていました。男の子ふたりで、下の子がダウン症です。
 マラソンと出産のお話が書いてあります。障害児育児の記録でもあります。第4章の項目「人生は勝ち負けじゃない」が気に入りました。されど、マラソンは勝ち負けです。書中にあるように一番じゃなければあとはどべです。ほかに「親が変わらないと、子どもも変われない」がいい。

 2回目の本読みに入ります。
 障害児で生まれてきた次男の存在を隠すというところが苦しい。明るい松野明美さんのイメージを保つという部分では、以前読んだ他のタレントさんや有名人と共通する部分で、〇〇〇〇という人物を演じるのが仕事です。この部分も苦しい。「ありのままに」という言葉が思い出されました。
 読むのがつらくなりそうです。
 過去、極端な精神論で、スポーツ選手が追い込まれる時代があったと思います。そういう手法でふるいにかけられ、生き残った選手が一番になれました。そういう時代でした。良かったとも悪かったとも評価できません。

 障害児の部分の記述については、コメントできる立場にありません。ご苦労があると思いますがアドバイスの言葉がありません。あえていうなら「ありのままに」です。旦那さんは立派だと思います。自分の気持ちとの戦いです。「産まなければよかった」はつらい。

 弟が障害児だと兄にも影響があるにはそうかと気づかされます。
 
(つづく)
 
 読み終えました。今年読んで良かった1冊です。

 小柄で小さい頃はいじめの対象にされていた。長距離を走る才能があることに目覚めてからいじめを克服した。両親のために走った。死んでもいいとゴールを目指した。押しかけるようにして結婚して長男が生まれた。次男はダウン症だった。波乱があります。

 子どもの頃のニックネームが「スピーカー」ですが、それは本人の本性ではない。明るいキャラクターを演じていた。協調性を失っていたのでテレビ界で嫌われた。

 両親に対する愛情が強い。お父さんの言葉、「明美のおかげで初めて飛行機に乗れた」はほろりときました。家庭は貧しかった。

 練習はすさまじい。長時間、長距離、それしかないです。本人は小柄なことから限界を感じ、看護師を目指していたそうです。ニコニコドーというのは、名門かと思っていましたが当時はそうではなかったそうです。

 練習も節約も徹底的です。ふつうはそこまでやったら気持ちが壊れてしまいます。

 よくわかりませんが、オリンピックマラソン選考では、実績が正当に評価されないときがあるようです。

 仕事のために1か月も子どもに会えないということはつらい。こどもが障害児だから、仕事をしているときのほうが気持ちが楽ということもつらい。

 次男さんの心臓手術が成功して良かった。雰囲気や環境が良い方向へと変化します。ダウン症の次男さんは写真で見ると可愛い。

 昔、ノーベル賞受賞者のコメントを集めた本を読んだことがあります。受賞者のこどもさんが障害者ですが、愛情をもって接しておられました。ちょっと記録を見てみます。2012年6月に記事があります。抜粋します。
ノーベル賞受賞者にきく子どものなぜ?なに? べッティーナ・シュティーケル 主婦の友社
 良書です。ノーベル賞受賞者のみなさんたちが、こどもたちの素朴な質問に対して、真正面から真面目にわかりやすく答えておられます。
 最後のほうの数学者のお話にはしみじみとしました。娘さんは障害者で、耳が不自由で、精神的にも遅れていると告白されています。でも彼は、娘はすばらしい人間ですと結んでいます。

 今読んでいるこの本は、母とは親とはどういうものかを知る本です。

 知り合いによる「こじか園」へのつなぎが良かった。

 障害をもつ子どもがいることが恥ずかしいことなのだろうか。当事者ではないのでうかつに物申せませんが恥ずかしいことだとは思いません。大変だろうとは思います。ただ、年を重ねて思うのは、人間はすべて最後は老いて体のあちこちがおかしくなって障害者になります。
 
 教える、育む、教育する。

 10年間は長いようで短い。

 193ページあたりまできて、ページの上部がパラパラマンガになっていることに気づきました。

 後半は作中の作者からもらい泣きします。耐え続けてきたものがあります。「ああ、人生はこんなにも楽なのか」とはなかなか言えません。障害児から教えてもらったこと。こどもに教えられてようやく親になる。  

Posted by 熊太郎 at 07:14Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2018年07月28日

カーテンコール 加納朋子

カーテンコール 加納朋子 新潮社

 好きな作家さんです。
 カーテンコールとは、アンコールみたいなものかと思っています。幕が下りた後に拍手喝采で出演者の再登場を催促する。

 6本の短編です。
「砂糖壺は空っぽ」
 読み始めてしばらく、意味がとれません。最後のほうになって、そうかとうなずきます。作家の挑戦です。意気を感じます。
調べた単語などです。「ブレザーのボトム:ブレザーの下にはく衣類。スカート、ズボン」、「コミュ障:対人関係対応苦手(書中では、初対面の人、一度だけ会う人とは話せるが、毎日会う人と話すのは苦痛」
 ありのままに生きることのつらさがあります。人の悲しみがあります。

「萌木の山の眠り姫」
 いい出だしです。一年中で一番嫌いな月、一日でいちばん嫌な朝。
 カーテンコールというのは、私立聖萌木女学園の閉校を指すのかもしれません。
 いやなことがあると眠りの世界へ逃げこむ女性のお話です。

「永遠のピエタ」
 ピエタとは、確か、キリスト教、聖母マリア像だった。死んだキリストを抱いているマリア像。慈悲。
 勘違いをしていました。美少女大学生有村夕美は車いすの障害者だと思っていましたがそうではないようです。具合が悪くなったとき、一時的に車いすにのせられたが正解です。
 消えていた過去の記憶が呼び起こされました。貧血で具合が悪くなって歩行中に頻繁に突然倒れる人って現実にいました。
 「二次創作:原作者とは別人が原作に基づき作品を創作する行為」、「ドリーム小説:登場人物の名前を読者が設定できる。」、「ボーイズラブ:男性同士の同性愛」、「尾籠な話:びろうなはなし。不潔、わいせつ、ばかげている。」
 同性愛の話は苦手です。

「鏡のジェミニ」
 ローマ神話でふたごの兄弟がジェミニ。
 読み終えて、人間の体形って何だろうかと考えました。心の状態を表に出したものが体型という内容の1本です。調べた単語として、「双眸:そうぼう。両目」

「プリマドンナの休日」
 3月末に女子大学が経営困難で閉校したのに、最後の卒業生となるべき数人が卒業のための単位が取得できず卒業扱いできないから、各種温情で、4月以降も半年間、単位取得のための宿泊を伴う合宿補講を受講しています。
 そのうちのひとりのどうして卒業できなかったかの理由は、なんとなく、途中で気づけました。なにかしら時代の変化と価値観の変化、世代の差を感じる内容でした。これまでは否定されていた生き方が肯定されるようになりました。それが、いいことなのか、そうでないのかは、当事者とその影響を受ける人たちでないと判断できません。
 「意趣返し:しかえし」
 「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや:えんじゃくいずくんぞこうこくのこころざしをしらんや:小さな人物には大きな人物の志はわからない。ツバメやスズメは大きな鳥の志はわからない。」

「ワンダフル・フラワーズ」
 この章は胸にぐっときます。まず、小説とは何かと考えました。次に「教育」を考えます。親が過剰な期待をしたり、甘やかしたりで、子どもの心が壊れていきます。子どもは、死にたいと言い出します。事例としては、現実によくある話です。ここは、読むのにけっこうつらいパートになります。ぎくしゃくとしたものはありますが、強い気持ちが伝わってきます。
 父も母もまじめな教師だが、普通ではない。
 これまでをとおして、やせていることで細井茉莉子と清水玲奈、小説家志望らしい金剛真実とフリーライター希望の矢島夏鈴(やじま・かりん)のキャラクター(個性)がかぶるような気がして、作者の分身があちこちに散りばめられている印象をもちながら読んできました。眠ることで、有村夕美と梨木朝子も似ている。

 一人称での凄味がきいた語りが続いていきます。理事長の人生を描くためにこれまでの短編5本がありました。
 
心に留まった表現として、 「そもそも生まれてこないこと」、「唾棄:だき。けがらわしいと軽蔑する。」、「私という失敗作」、「自ら死ぬ能力に欠ける。」、「死ぬことと眠ることは似ているという表現」、「竜胆:りんどう」、「家族のだれかが癌のような存在で家族に病巣が広がっていくというような表現」、「早く大人にならなければならない人間がいるというような表現」

 ひとりの人間がすべての人間を救うことはできない。
 生きるための本、自殺しないための本でした。
 最後の行付近では涙がにじみました。贖罪(過去の罪を悔いて未来のために償う。)  

Posted by 熊太郎 at 05:55Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2018年07月27日

ラストレシピ DVD

ラストレシピ 麒麟の舌の記憶 邦画 DVD

 「麒麟の舌」って、どういう意味だろう。一度食べた味を再現できる舌。そんな人、いないと思う。
 冒頭付近にそんなシーンがあり、そんな舌をもつ主人公のなんとか充(みつる)は、満州時代の山形直太郎の生まれ変わりであろうと鑑賞の途中でピンときます。思い出の料理を再現できる人です。

 設定にはいろいろと無理がありますが、気持ちを素直に流れにのせていきます。中国人俳優の料理人さんの演技が光ります。好みの職人タイプです。「ハオチー(中国語)が、おいしい(日本語)」
 
 宮崎あおいさんの役割って何だろうと観ていました。カメラマン。料理は科学と数学、記録が大事。薄かった存在感は中盤から後半にかけて色濃くなりました。

 きれいな料理がたくさん出てきます。

 料理のシーンにしぼって、そのシーンを連続で出して、そこに音楽をつけてという工程で、「素材を生かす」というヒントのようなアドバイスのような言葉が自分の頭に出てきました。

 料理は国境を超える。

 満州事変を料理に置き換えてあると考えました。
 
 メッセージは、「命のつながり」です。

 宿命は変えることができない。若干、古い映画「砂の器」を思い出しました。

 冒頭付近の空撮で、わたらせ渓谷鉄道2両編成だと思うのですが映像が流れて、20年ぐらい前に乗ったことがあるのでなつかしかった。

 二宮和也 綾野剛 宮崎あおい 西島秀俊  

Posted by 熊太郎 at 07:19Comments(0)TrackBack(0)DVD・映画

2018年07月26日

島のエアライン 上・下 黒木亮

島のエアライン 上・下 黒木亮(くろき・りょう)

 ああ、こういう本があるんだなあと書店で手に取りました。熊本県の天草(あまくさ)という島に小型機が離発着する小さな空港があります。13年ぐらい前、その近くに用事があったとき、帰路の車で近くを通りかかったものですから偶然ですが現地に立ち寄り滑走路を眺めました。飛行機が飛んでいない時間帯だったようで静かでした。福岡空港と天草空港まで35分ぐらいだったと思います。近い。車や電車だと半日~1日かかります。下島(しもじまとかみしまがあります。)の下端の位置だとかなり遠いです。雑談で、その飛行機に乗ったことがある人から話を聞いたことがありますが、短時間で快適、それから景色がいいとのことでした。以前は、そこを飛ぶ飛行機の故障記事を新聞でよく見かけましたがもう長いこと、そういった記事は見ていません。機種が変わったのでしょう。

 まだ、100ページぐらいしか読んでいませんが、独特な本です。読みはじめた動機は、天草地方の美しい海とか橋の風景が文章で表されているといいなというものでした。風景描画記述はあるものの量的には少ないのでちょっと期待外れです。(P129阿蘇の風景、P243島原湾、雲仙岳)
 小説の内容は、国と県、地元自治体、企業による空港設置のドキュメントです。プロジェクトXみたい。企業、官公庁の記録誌のようです。ただ、こういう本が、本屋大賞候補作に選ばれたりしますので、いちおう読んでおきます。上下巻で600ページぐらいです。

 航空機はプロペラ式のたしかカナダのボンバルディアというような名称の機体でしたが、その後変わっているようです。40人乗りぐらいです。福岡―天草ルートだったと思います。

 平成3年ごろバブル経済がはじけて、空港はできるけれど、主体となる航空会社が決まらないとい。
 舞台は、熊本県庁、国土省、島内各市町の自治体です。

 平成8年ぐらいからの話です。
 思い出すに、熊本空港までは航空機で早いのですが、そこから、天草という島までがとても遠かった。航空機で得した時間が、車やバスの時間でくいつぶされてしまう。熊本空港―熊本駅―本渡(ほんど)。本渡から各市町までがまた車で1時間ぐらいかかる。とても遠い。その昔は、天草五橋もなく、船で行き来していました。たぶん車だとフェリーだったでしょう。飛行場が欲しい土地柄だと思います。

 観光客を呼び込む手段でしょう。イルカの群生がPRされ始めたのはもっとあとの時代だったと思います。
 採算がありますから、まず、地元の人たちが飛行機を利用しなければならないでしょう。廃線寸前の国鉄線路を思い出します。

 実名で登場とありますので、当事者から聴き取りをして、文章化して、おそらく内容については、事前に当事者の了解を得てあるのでしょう。そうやってできあがっている本だと推察します。

 地縁が強調されています。確かに大切です。だれかのために、地元のために、地元の人たちのために働く。

(つづく)

 上巻を読み終えました。通常の小説とは違って、業務日誌形式を読む形態で読書を楽しんでいます。
 
 島ではパチンコが大きな産業の部分を読んで、ギャンブルで入って来たお金を町の整備に回すと考えました。

 読んでいて、何だろう。企画を提案する者がいる。必ずその提案に反対する者が出てくる。どこにでもある対立の構図です。最後は多数決で決する。選挙は戦(いくさ)です。
 何でも反対する者がいます。何でも反対する者に企画提案実行する能力があるとは思えません。オリジナルで発想提案できないから既存の提案に反対する。読みながら、いろいろなことを考えました。深く考えましたが、ここに書くことはやめておきます。

 天草エアライン株式会社。民間29社からの出資9900万円、熊本県と地元2市13町からの出資が4億円、あわせて4億9900万円。すごいなあ。自治体が主体の第三セクターです。地方公務員の航空機素人集団が飛行機会社をつくりました。
 メディアはなぜ、それを攻撃するのだろう。バックアップすることが本来の役割ではなかろうか。地元に住む人たちの総意でここまできているのだから。

良かった表現の主旨などとして、「天草は、食事がおいしい、人情がある。島民のために力を貸してください。」、「人物本位で採用する。」、「一生懸命だけでは空の安全は確保されない。」、「うちは税金でつくられた第3セクター(だから給料が安い。)」、「藍より青く。原作山田太一」、「給料は稼ぐもので、もらうものではない。」、「天草エアラインは天草の宝」、「現場主義」、「せっかち」、「欠航率」、「無報酬」、「発想に人の優しさがある。」、「医療に貢献」、「イルカを塗り替えないで」、「可愛いを意味するみぞか号」、「あの人たちは天草のことを考えていない」、「風当たりが強い」、「同じ頃」

 航空機マニアとか関係者じゃないとわからない記述もあります。

 P150で、平成11年7月に羽田発新千歳空港行きジャンボ機がナイフを持った男にハイジャックされて、飛行中にパイロットが刺殺された事件が書いてあります。副操縦士とたまたま乗客で乗り合わせていたパイロットのおかげで乗客は助かっています。卑劣な行為です。先日の新幹線内刺殺事件と合わせて憤りを感じます。社会はお互いの信頼関係で成立しています。

 昔テレビドラマであった、「のろまでなんとかのカメ…」を思い出しました。ああ、スチュワーデス物語です。
 読んでいて当初は初歩的なミスが多かったのだなあと思いました。
 仕事(毎日、同じ動作の繰り返し)として定着していく経過がいい。

(つづく)

 下巻に移りました。
 平成13年6月29日からです。2001年です。

 読んでいて、MRJ(小型旅客機、三菱重工、2020年運用開始予定、70人~90人ぐらいの乗車数)を思い出しました。

 お金の話、お金がない話、人が離れていく話、なんだか、暗い話題が続きます。機長がトイレ掃除、ごみ掃除を自発的にやられています。頭が下がります。

 機体は、買取りではなくて、リース(借りる)もありか。
 従事職員はだれでもいいというわけにはいかない。十分な能力経験者がいなければ欠員もやむなしか。もう、今の時代、アル中の人は雇えません。
 
 倫理観のない会社や人はいずれつぶれます。

 項目を並べて記述する作業が続きます。

 記者はたいていのことについて素人です。

 一方からの話なので鵜呑みにできない面もあります。

 天草空港から熊本空港まで片道わずか20分間ぐらいの飛行です。短い。驚きました。

 県と市と町の地方公務員の物語です。

 部品の中にほんのごくちいさな削りカスがあることで運航休止です。生命の安全のためにはしかたありません。

 五右衛門ぶろはなつかしい。小さい頃、入ったことがあります。怖かった。

 愛想がいいだけでは仕事にならない。

 航空運賃が、タクシー代よりも安く感じました。  

Posted by 熊太郎 at 07:07Comments(0)TrackBack(0)読書感想文