2024年07月24日

希望のひとしずく キース・カラブレーゼ

希望のひとしずく キース・カラブレーゼ 代田亜香子(だいた・あかこ)訳 理論社

(1回目の本読み)
 最後までページをゆっくりめくります。
 『主な登場人物』に、31人も書いてあります。『主な(おもな)』だから、ふつう数人ではなかろうか。ちょっと読むのがたいへんそう。だいじょうぶかなあ。
 中学生たちの物語で児童文学です。
 
アーネスト・ウィルメット:1945年にできた大工場ウィルメット工業製作所の経営者のひとり息子で、大金持ちの家のこどもだそうです。アーネスト・ウィルメットのひいおじいさんが創業した。アーネスト・ウィルメットは跡継ぎの立場にあります。
 アメリカ合衆国中西部にあるオハイオ州の高級住宅地に住んでいる。中学一年生になったばかりの12歳の彼は、『奇跡を信じている』そうです。
 亡くなったおじいちゃんの名前が、エディ・ウィルメット。死ぬ8週間前に、屋根裏部屋の整理をアーネストに頼んで約束した。おじいちゃんは、アーネスト・ウィルメットが住む家とは別の家に住んでいた。アーネスト・ウィルメットは、屋根裏部屋でりっぱな『お絵かきセット』を見つけました。(このお絵かきセットが伏線になって、話をいい方向へと導いてくれます)
 エディ・ウィルメットの弟がロバート(ロロ)で、心肥大(しんひだい。心臓の筋肉が厚くなり、心臓の機能が低下する)という病気で9歳のときに亡くなっています。ロロの親友が、ジャック・ホー。ジャック・ホーの家族を長年支えてきたのが、今は介護施設に入っている元刑事で、スタンリー・ドナン。アーネスト・ウィルメットは、自分の体が小柄であることを気にしているようすです。
 最近両親のようすがおかしい。なにかを隠している。こどもの前では深刻な話をしない両親に対して、アーネスト・ウィルメットは不信感をもっています。
 大家族がいいとして、両親は大きな家を建てたけれど、こどもは、アーネスト・ウィルメットひとりしか生まれなかった。
 親の工場は経営が傾いているらしい。
 アーネスト・ウィルメットは、忘れん坊のようです。ときどき、物を置き忘れます。

ライアン・ハーディ:父親が、アーネスト・ウィルメットの工場の従業員で現場監督をしている。人は人、自分は自分という考え方をする少年だそうです。
 ライアン・ハーディは、お金持ちのアーネスト・ウィルメットをよくは思っていない。父親が従業員の立場なので、アーネスト・ウィルメットとはあまり関係をもちたくない。
 アーネスト・ウィルメットは、エラそうにしていない。いつもニコニコしている。人なつっこくて、いつもゴキゲン。物事を明るく考える人間。そういうところが、ライアン・ハーディはキライだそうです。
 ライアン・ハーディの向かいの家に住んでいるのが、アニー・ヘメルレ(体重が40キロくらいしかないおばあちゃん。少しぼけが始まっているようです)さん。
 ヘメルレの孫娘が、テス。冒頭付近では、ヘメルレ宅の芝刈りをアルバイトとしてやっている。ヘメルレ家のおじいちゃんは二年前に亡くなった。ご夫人は、『(蓄えを。たくわえを)切り崩して生活』している。
 ライアン・ハーディは、アーネスト・ウィルメットの祖父エディ・ウィルメット宅の芝刈りもしていた。エディは、お金持ちなのに、『サウス』に住んでいたとあります。きっと、『サウス』は、お金持ちが住むようなところではないのでしょう。一般人が住むところなのでしょう。
 ライアン・ハーディの母親の名前は、カレン・ハーディ。父親の名前は、ダグ・ハーディ。ライアン・ハーディには、あかちゃんのデクランという弟がいる。ライアン・ハーディの母親であるカレン・ハーディとアーネスト・ウィルメットの母親は仲がいい。

リジー・マコーマー:ライアン・ハーディと幼なじみの女子中学生でライアンに気があるみたいです。ママは看護師長をしている。ママの名前は、ジュリア・マコーマー。リジー・マコーマーのおばさんがパティ。パティの娘がチェルシーで、リジーからみていとこです。
 チェルシーは、派手好きで、チェルシーは、リジー・マコーマーの改造計画を始める。同じくパティの娘が、アンバーで、姉チェルシーとは性格が正反対。おとなしい。
 リジー・マコーマー本人は成績優秀、読書大好き。でも、おとぎ話はキライだそうです。母ジュリア・マコーマーと同じ病院で働いているドクターが、トム・シェイ。同じく看護師が、ジーン。ジーンのカレシが、エアライン(航空会社)の係員で、ドリュー。
 ママは離婚している。今のママにはどうもカレシがいる。リジー・マコーマーは、実父のパパに会いたい。
 リジー・マコーマーは、お化粧などをして、きれいになりたい。

ウィンストン・パティル:転校生で引っ越してきたばかり。まだ友だちがいない。いつも絵を描いている。パパはドクターで、評判のいい外科医。世界をまたにかけている。(回っている)。
 シカゴからオハイオ州クリフ・ドネリーに引っ越してきた。違和感が大きい。
 ウィンストン・パティルは、インド系のファミリーの一員。人種が多いシカゴでは溶け込めたが、いなかであるクリフ・ドネリーでは、アウェイ感満載(まんさい。浮いている。敵地。歓迎されていない。避けられている)

トミー・ブリックス:いじめっこ。三人兄弟の末っ子。兄ふたりは問題児。長男ウェイドは傷害罪で刑務所にいる。次男サムは海兵隊にいるが、刑務所と海兵隊とどちらかを選べと裁判で言われて海兵隊を選んだ。
 トミー・ブリックスは、実は乱暴者ではない。父親のハーラン・ブリックスが酒飲み、ふたりの兄が乱暴者であることから近所の人たちにトミー・ブリックスもおかしいと思われている。トミー・ブリックスは、そのことで気持ちに迷いがある。
 海兵隊に入った次兄サムの工具:兄がトミー・ブリックスに預けた。酒飲みのオヤジに見つかるとオヤジは工具を売却して酒を買ってしまう。トミー・ブリックスは、工具を学校のロッカーの壁の奥に隠したい。

アーロン・ロビネット:ビッグフットがいると信じている。(ビッグフット:足が大きい? アメリカ合衆国の話。大きな猿人(えんじん)に見えます)。サスクワッチ:未確認動物。大きな足跡、毛むくじゃらの体。

ジェイミー・ダール:アーロン・ロビネットの親友。ビッグフットの存在は信じていない。父親は刑事で、名前は、アート・ダール。アート・ダールの甥っ子が、バディで、森でタバコを吸っている。

ジェシュ・レディガー:海兵隊員の兄マット・レディが-が、アフガニスタンで亡くなった。マット・レディガ-の親友が、アフガニスタンから帰国した元海兵隊員のチャド・フィネガン。

ペイジ・バーネット:美人の人気者。弟のセス(小学一年生)が字を読めないことを心配している。(識字障害だろうか。伊予原新作品(いよはら・しん作品)、『宙わたる教室(そらわたるきょうしつ) 文藝春秋』に書いてありました。文字のフォント(デザイン)で、ディスレクシアの人でも文字や文章を読めることがある。

マーカス・アール:担任の先生。男性。想像力が豊かで話がじょうず。マーカル・アールの大学の同級生で、元カノで(カノジョ)、テレビの放送記者が、アンドレア・チェイス。
 アンドレア・チェイスはいい人ではありません。地域のゴシップ(うわさ話)をネタにして、お金もうけになる記事を書く人です。後半で、トラブルの原因になります。見た目は美しく賢く仕事で成功しているそうです。強くて自身に満ちあふれているそうです。
 マーカス・アールの昔の日曜学校の先生が、エヴリン・リーヴスで、本を書いている。アール先生は、ライアン・ハーディのお気に入りの先生。生徒に人気がある。服装はセンスがなくダサイ。背が高い。両親の人種が異なっているのでハーフだが、両親の民族が不明。ライアン・ハーディのクラスで、英語とホームルームを担当している。

トルーマン:中学校の用務員。何十年も働いている。

ネイト・コリンズ:消防署長で、元海兵隊員

アート・ダール:ジェイミー・ダールの父親。刑事をしている。甥っ子が(おいっこ)、バディ。

ジェイニー・ダベンポート:高校二年生。図書館でボランティアをしている。

コンウェー:ジェイニー・ダベンポートがボランティアをしている図書館の司書。5歳の息子ジェイソンがいる。

ブロディリック先生:ジェイニー・ダベンポートの通う高校の生物の先生。

ビルクス:アーネスト・ウィルメットの父親の会社経営資金に関する相談相手。

ハックウェル:理科の先生。

 うしろのほうにある訳者あとがきを読みました。
 主人公は、三人の中学生だそうです。
 その三人が、通称、『残念な町』で、奇跡を起こすそうです。
 ジグソーパズルの小さなピースが集まって、やがて美しい絵ができあがるような感覚だそうです。
 人の思いやりとか想像力で、奇跡を起こすというメッセージがあるそうです。

(2回目の本読み)
 ちいさな文章の固まりが順番に出てきます。
 それぞれ語る人が異なります。
 語る人を変えていく記述手法がとられています。
 アーネスト・ウィルメットもライアン・ハーディも、きちんと話をしたことがないから、お互いを誤解しています。それぞれが思いこんでいるような相手の人格ではなさそうです。『世界は、誤解と錯覚で成り立っている』。以前、なにかの本でその言葉を読んだことがあります。真実でしょう。

 ディする:相手を批判する。けなす。
 おとこ運:めぐりあわせの良し悪し(あし)

 クリフ・ドネリー:登場人物たちが住んでいる町の名称。人口22,177人。1835年にできた。(日本では1853年がペリーの黒船来航)
 
 作者が、それぞれの人物になりきって、ひとり語りが続きます。心地よい。

ロッド・サーリング中学校:1930年代創立(日本だと昭和5年代)。校舎は3階建てで、広い中庭がある。

スケープ・ゴート:生贄(いけにえ)、犠牲。身代わり。
トンプキンス井戸:ノースサイド公園にある井戸。コインを投げて、願い事をする。言い伝えとして、孫の命を救うために身代わりになったのが、エゼキエル・トンプキンスという人物。この井戸が、あとあと物語の伏線になっていきます。
 井戸の下につながる洞穴(ほらあな)があって、井戸の真下である洞穴の中にいると、願い事をしに来た井戸の上にいる人の願い事を願う声が聞こえるのです。おもしろいなあ。

ノースとサウス:読んでいるとどうも、ノースは、資本家(経営者。お金持ち)が住む地域で、サウスが、労働者が住む地域のようです。労働者は、お金持ちではないという比較があります。
 サウスの人間は、おとなに告げ口はしないそうです。こどもの世界でトラブルがあったときは、おとなには話をせずに、こどもの世界で解決するそうです。

 自然保護区があるそうです。ノースサイド公園に出口がある。
 ノースサイド公園で、悪魔崇拝の儀式をやっているという噂がある。

(つづく)

 ウィンストン・パティルがきっかけで、アーネスト・ウィルメットがからみ、ライアン・ハーディとトミー・ブリックスがケンカになりそうです。
 トミー・ブリックスが、ウィンストン・パティルの絵をばかにした。それを見たアーネスト・ウィルメットがトミー・ブリックスを注意した。
 アーネスト・ウィルメットは、父親が働く会社の経営者なので、ライアン・ハーディが仲介に入ったという流れです。トミー・ブリックスは、止めに入ったライアン・ハーディを不愉快に思ってケンカするぞ!になるのですが、トミー・ブリックスは、世間の評判と違って、頭の中身は暴力的ではないのです。彼の父親と兄ふたりが暴力的なのです。
 トミー・ブリックスは、彼なりに迷い困っているのです。ライアン・ハーディと殴り合いのケンカはしたくないけれど、自分の威厳は保ちたい。いえるのは、トミー・ブリックスは、根っからのいじめっこじゃない。

 いい話が続きます。
 みんな、それぞれ、悩みをかかえています。
 表面上見える人柄と本当の人格は異なっています。

 69ページでちょっとびっくりしました。
 『チャーリーとチョコレート工場』のウンパルンパという文章が出てきました。
 わたしは、去年の秋に、東京帝国劇場で、ミュージカル『チャーリーとチョコレート工場』を観劇しました。にぎやかでいい雰囲気でした。ウンパルンパ役の人たちもがんばっておられました。
 色彩とか映像・音楽がきれいな舞台でした。
 
 オッカムのカミソリ理論:ものごとを説明するときに必要以上に多くを仮定してはならない。
 
 ティリー:アーネスト・ウィルメットがつくった架空のおばさん。今年の1月で87歳になる。
 ダドリー:アーネスト・ウィルメットのいとこ。
 デビッド・オルティーズ:米国プロ野球選手。

 本のタイトル、『希望のひとしずく』の、ひとしずくは、コインのことをさすのだろうか。古井戸に願い事をしながら投げ込むコインのことです。古井戸の下にいる少年二人に願いが伝わって、少年たちが願いごとをかなえるように努力するという全体像でいいのだろうか。読み進めてみます。

 アーネスト・ウィルメットのおじいちゃんの家の屋根裏にあるもの。
 ボードゲーム(カラーフォーム。くっつけたりはがしたりできる)、靴下でつくったサルの人形、おもちゃのピストル、手づくりのキルト、古い消火器。

 ヘメルレおばあちゃんが、大昔の写真を出してきます。白黒写真にこどもが3人写っています。14歳くらいの男の子(エディ・ウィルメット。アーネスト・ウィルメットの祖父)、9歳ぐらいの女の子(ヘメルレさん)、もうひとりの9歳ぐらいの男の子(エディ・ウィルメットの弟。ロバート。愛称がロロ。顔がアーネスト・ウィルメットにそっくり)。

リジー・マコーマーに、ライアン・ハーディがトンプキンス井戸の下にいたことがばれました。こんどは、ライアン・ハーディが、リジー・マコーマーをトンプキンス井戸の下に連れて行くことになりました。

ドリトスくさい:お菓子のドリトス(スナック菓子)のにおい。
輻輳不全(ふくそうふぜん):近くの文字を読もうとするときに、寄り目がうまくできない症状。医療系の話。ペイジ・バーネットの小学一年生の弟セスの症状。

カレン:ペイジ・バーネットの弟小学一年生セスの担任教師。

 アーネスト・ウィルメットの亡くなった祖父が屋根裏部屋に遺してくれた(のこしてくれた)品物が、幸せの町の人たちの幸せにつながっていくというお話の流れです。
 今度は消火器です。長さ1m近く。直径15センチ以上あります。古い消火器です。(その後、使うことになります)。エルクハート社製のヴィンテージ真鍮(しんちゅう)消火器。ヴィンテージ:古い。

4人組の高校生:男ふたり(バディ:好きなものは、タバコ、破壊すること、汚い茶色のコートを着ること(タバコが火災の原因になります)。
 バディは、図書館でボランティアをしているジェニー・ダベンボートの父親で刑事のアート・ダールの甥(おい。兄弟姉妹のこども)。もうひとりの男子が、ドレイク)。女ふたり(ヘザーとマーゴ)。ドレイクとマーゴがカップル。

ジャック・ホー:9歳で亡くなったアーネスト・ウィルメットの祖父エディ・ウィルメットの弟ロロ(ロバート)の親友。ロロが亡くなった日は、ロロの誕生日だった。その日に、ジャック・ホーの父親が家を出て行った。ジャック・ホーと母親が家に残された。
 ジャック・ホーは、ロロへの誕生日プレゼントに、サルのぬいぐるみを贈ることにした。靴下でつくったサルの人形だった。(人形の中に秘密があります。『ホルヨークの赤いダイヤモンド』が人形に隠されていました。1952年(日本だと昭和27年)シカゴの豪商ユースタス・ホルヨークの地下室から盗まれたダイヤモンドです。ジャック・ホーの父親は盗みをする人でした)
 
チャド・フィネガン:海兵隊でアフガニスタンの戦争に行っていた。親友が、マット・レディガ-だったが、マットは地雷を踏んで亡くなった。

サスクワッチ:ビッグフット。体の大きな猿人のような生き物。足が大きい。

 アーネスト・ウィルメットの祖父エディ・ウィルメットが屋根裏に遺した品物は、彼の9歳で病死した弟ロロへのプレゼントだった。

ネイト・コリンズ:消防署長

シェイディ・レーンズ(介護施設の名称):金曜日にジャック・ホー(9歳で亡くなったアーネスト・ウィルメットの祖父エディ・ウィルメットの弟ロロ(ロバート)の親友)が入所者スタンリー・ドナン(元刑事)に会いに行く。スタンリー・ドナンは、ジャック・ホーの父親が家を出たあと、ジャック・ホーと彼の母親の面倒を見た。ジャック・ホーの父親ベン・マッティングリーは空き巣狙いの犯罪者だった。拠点はイリノイ州シカゴ、インディアナ州のインディアナポリスで空き巣をしていた。

 なかなかややこしい話です。日本人中学生が読むのにはむずかしい本です。

オルスン・マルドゥーン:盗品(宝石とか)の仲介屋。故買(こばい)

 182ページで、ライアンとアーネストとリジーは、もうトンプキンス井戸の下には行かないことにしました。

(つづく)

 アーネスト・ウィルメットの祖父宅の屋根裏にあったものから、『キルト(緑と青の柄のパッチワーク布)』と『古いおもちゃのピストル』をアーネスト・ウィルメットが持ち出して、ライアン・ハーディに預けました。
 
 ヘメルレおばあさんが亡くなりました。
 自宅の椅子に座ったまま、眠るように亡くなっていました。
 911番:日本でいうところの119番と110番。救急、消防、警察に連絡する緊急用の電話番号。
 ライアン・ハーディは、亡くなっているヘメルレさんにキルトをそーっとかけました。
 ライアン・ハーディは泣きますが、眠るように死ねたら大往生(だいおうじょう。安らかに死ぬ)です。泣くことはありません。長寿を全うしたのです。まっとう:自分の役割を完全に果たした。
 
 超悪趣味な茶色のコートを着た人物:喫煙男子高校生のバディのことです。タバコが火災の原因になりました。バディは、刑事アート・ダールの甥っ子です。おいっこ:兄弟姉妹のこども。叔父・甥の関係。ビッグフットの存在を信じているアーロン・ロビネットの親友ジェイミー・ダールの父親。

ハーラン・ブリックス:トミー・ブリックスの父親。

スラッピー・ジョー:サンドイッチの種類のひとつ。

イエロージャーナリズム:新聞の発行部数を伸ばすために、おおげさで感情的な報道をすること。

ジュリア・マコーマー:リジー・マコーマーの母親で看護師長。ER担当。ER:救急室、救急外来。

チャック:カメラマン。アンドレア・チェイスと行動を共にしている。

スキャンダル:不祥事、不正。

 よくわからないのですが、トンプキンス井戸の下でこどもたちが、願いを聞いて、願いがかなうように行動したことが、テレビ記者に問題視されるのです。美談に裏事情ありです。そんなに、問題視することだろうか。

 If only:「たられば」。仮定の話。もし~なら。

ジョシュ・レディガー:トンプキンス井戸で、お願いをした。アフガニスタンで戦死した兄のために家庭が壊れた。家族を元通りにしたい。

ウィンストン・パティルのおばあちゃん。インド人。

 最後の一品(ひとしな)である、『おもちゃのピストル』はどうなるのだろう。

ワダ・パーヴ:インドのハンバーガー。

 241ページにある、『ジニー』は、『ジーン』の間違いではなかろうか。ジーン:看護師。

 243ページの歌の歌詞を見て、洋画『ペーパームーン』を思い出しました。

テス:ヘメルレおばあちゃんの孫娘。

 246ページまで読みました。あと少しです。あと61ページぐらい。なかなかややこしい。

(つづく)

 なかなかややこしい。
 ミステリー(推理小説)のような展開になってきました。
 亡くなったヘメルレおばあさんの孫娘であるテスがいます。
 こどもたちの担任男性教師のマーカス・アールがいます。
 父がアーネスト・ウィルメットの父親の従業員であるライアン・ハーディがいます。
 警官が、アーネスト・ウィルメットの亡くなった祖父のエディ・ウィルメットの家から出てきます。
 テレビの放送女性記者であるアンドレア・チェイスが手錠を付けられた状態で玄関から出てきます。
 
 担任男性教師マーカス・アールが話をでっちあげた。(つくり話を成立させた)
 
 9歳で亡くなったロロの親友のジャック・ホーの父親であるベン・マッティングリーは、ホルヨークの赤いダイヤを盗んだが単独犯ではない。
 宝石の売買に関与したのは、マルドゥーンではない。
 エドガー・ウィルメットが売買に関与した。エドガー・ウィルメットは、ウィルメット工業製作所の創設者である。
 ここからがわからないことです。
 リジー・マコーマーは、男の子ふたりと施設にいたと書いてありますが、施設とは、『トンプキンス井戸』のことを指すのだろうか。
 男の子ふたりで、そのうちのひとりが、アーネスト・ウィルメットである。エドガー・ウィルメットのひ孫である。
 エドガー・ウィルメットとベン・マッティングリーは共犯者である。
 エドガー・ウィルメットは、自分の工場を利用して、ベン・マッティングリーが盗んで得たお金をロンダリングしていた。ロンダリング:資金洗浄。不正なお金を正当なお金にみせかける。
 
 エドガー・ウィルメットが、盗品を自宅に隠していた。そして、その家を息子のエディ・ウィルメットが引き継いで死ぬまで住んだ。
 地下室の壁が二重構造になっていて、いまでも、その中に、ベン・マッティングリーが盗んだ宝石やお金がいっぱい入っている。

 3人目の協力者が、介護施設に入っている元刑事のスタンリー・ドナンである。

 オーソン・マルドゥーンは、ベン・マッティングリーを殺していない。
 スタンリー・ドナンが、ベン・マッティングリーを殺した。

 なんだか、わかったような、わからないような筋書きです。
 すべてが事実とも思えない。さらに、どんでん返しがあるかもしれません。
 読み続けます。

(その後)

 読み終えました。
 長かった。
 この物語の内容を中学生がすんなり理解できるとは思いにくい。読書感想文の課題図書として適しているとは思えませんでした。

 では、継ぎ足しの感想メモです。

ドクター・トム・シェイ:スーツを着た背の高いイケメンのおじさん。リジー・マコーマーの看護師長である母親のジュリア・マコーマーの仕事仲間。心臓外科医。そして、ジュリア・マコーマーのカレシ。ただし、ジュリア・マコーマーには、家を出て行った夫がいます。その後、ジュリア・マコーマーとドクター・トムは結婚していますが、離婚が成立していたのか、婚姻中でも式だけでも挙げたのか(あげたのか)わからなかったのですが、おそらくきちんと離婚していて、結婚ができたのでしょう。

 ヘメルレおばあさんが、ライアン・ハーディに、家の清掃等をしてくれた報酬を支払っていない話が出ます。払おうとしても、ライアン・ハーディが、もうもらってあるとウソを言い続けたのです。そのあたりの趣旨がどういう意味なのかわかりません。作者は読者に何を言いたいのだろう。日本人と外国人の感覚の違いがあるのかもしれません。

アドレナリン:ストレスに対抗するホルモン。

 後半になるにしたがって、おとなの事情の話が入りこんできます。こども世界だけのきれいな話ではありません。
 会社がつぶれるとか、お金のやりくりの話です。
 危機をくぐりぬけるために芝居を打つ。(ウソでのりきる)
 
チャド・フィネガン:消防署の職員。
コリンズ署長:消防署長。

 SF映画、『フラッシュゴードン』の写真が付いている箱に、古い光線銃のおもちゃが入っている。

ドリュー:看護師ジーンのカレシ。飛行場で登場受付の仕事をしている。

ミズ・チェイス:飛行場の受け付けで、ファーストクラスへのアップグレードをドリューに断られた美人の乗客。

エヴリン・リーヴス:マーカス・アール先生の昔の日曜学校の先生。本を書いている。

アンバー:リジー・マコーマーのいとこ。パティの妹。

 民話とか、伝説とか、物語が必要な話が書いてあります。
 子どもにおとなの言うことを聞かせるために物語が必要だという考えが示されます。
 物語は人間を結びつける。人と人とのつながりをつくってくれる。

 ラストで、文章を読んでいると、作者の気持ちは高揚しています。こうよう:精神や気分が高まっている。

 複雑で長いお話でした。
 人と人との出会いで、幸せが生まれる。
 そんなことが書いてあったお話でした。

 250ページの最初の数行の意味をとれませんでした。
 <リジーが男の子ふたりと施設にいたっていってただろ?>
 さきほども書きましたが、『施設』というのは、トンプキンス井戸のことだろうか? わたしにとっては謎です。
 そこにいた3人の少年少女のことが、どうして、アーネスト・ウィルメットのひいおじいさんエドガー・ウィルメットの犯罪共犯者の話の証拠になるのだろうか。不可解でした。

 すいぶん長い文章になってしまいましたが、最後に、主な人物一覧を並べておきます。
 かなりややこしい。

アーネスト・ウィルメット:12歳、中学一年生、お金持ち工場経営者のひとり息子。
 両親がいる。祖父が、エディ・ウィルメット。祖父の弟が、ロバート・ウィルメット(愛称がロロ)で、9歳の時に心肥大で亡くなった。ロバートウィルメット(ロロ)の親友がジャック・ホーで、ジャック・ホーの母子家庭の生活を支えていたのが、元刑事で、今は介護施設に入所しているスタンリー・ドナン。

ライアン・ハーディ:アーネスト・ウィルメットのクラスメート。
 アーネスト・ウィルメットの父親が経営する会社で、ライアン・ハーディの父親が働いている。彼の父親は工場で現場監督をしている。
 自宅の向かいにひとりぐらい高齢者のアニー・ヘメルレおばあちゃんが暮らしていて、ライアン・ハーディが、お宅の芝刈りのアルバイトをしている。
 ライアン・ハーディの母親カレン・ハーディとアーネスト・ウィルメットの母親は仲がいい。
 父親の名前は、ダグ・ハーディで、弟の名前はデグラン(まだあかちゃん)。

リジー・マコーマー:前記ふたりの生徒のクラスメート。
 ライアン・ハーディに気があるみたい。(恋)
 母親は、ジュリア・マコーマーで病院の看護師長をしている。夫とは離婚している。今は、カレシがいて、最後はそのカレシと結婚する。
 母親姉妹であるパティがおばにあたる。
 おばのパティの長女が、チェルシー(にぎやか)、次女が、アンバー(おとなしい)
 
ウィン・パテル:クラスメート。インド人男子。転校してきた。
 いつも絵を描いている。
 大都市シカゴから、田舎町のオハイオ州クリフ・ドネリーに引っ越してきた。
 父親は、外科医。

トミー・ブリックス:クラスメート。
 周囲からいじめっ子と言われているが、本当はそうではない。いい奴(やつ)
 父と兄ふたりに恵まれていない。
 酒乱の父、乱暴者の兄ふたり。長兄は刑務所に入っている。次兄は海兵隊にいる。

アーロン・ロビネット:クラスメート。
 ビッグ・フット(野猿、巨人)がいると信じている。

ジェイミー・ダール:クラスメート。
 アーロン・ロビネットの親友。父親が、刑事のアート・ダール。アート・ダールの甥っ子(おいっこ)がバディ。バディは不良の高校生男子。
 
ペイジ・バーネット:クラスメート。女生徒。
 弟セス(小学一年生)が、字を読めない。

マーカス・アール:担任の男先生。ハーフ。
 大学の同級生で元カノが、テレビ放送記者のアンドレア・チェイス。
 マーカス・アールが関係する昔の日曜学校の先生が、エヴリン・リーヴスで、本を書く人。  

Posted by 熊太郎 at 06:52Comments(0)TrackBack(0)読書感想文