2021年01月09日
(再読)変身 カフカ
(再読)変身 カフカ 新潮文庫
二十代のころに読んだことがあります。朝起きたら昆虫の体になっていた。最後まで昆虫のままだったと思います。特段の感想記憶は残っていません。
本箱の整理をしていたら文庫が出てきたので読んでみました。
主人公は、グレゴール・ザムザという若い男性で、外交販売員をしています。両親と妹と同居していて、家族もグレゴール・ザムザが昆虫になった姿を目撃します。あと、ザムザの会社の支配人も昆虫になってしまった彼を見ます。
てんとう虫か、カナブンのような昆虫です。あおむけでベッドの寝ている状態なので起き上がれません。ひっくりかえって起き上がれない亀のような状態です。
深刻な状態だと思うのですが、ユーモアがあります。
家族も驚きはしますが、暗い雰囲気はありません。不思議です。本のなかにあるこの世界では人間が虫に変態することがときおりあるのだろうか。
もういまの仕事を辞めたいけれど両親のためにやめないとか、人づきあいが苦手だとか、グレゴール・ザムザの嘆く声が聞こえます。
虫になったそんな姿でもグレゴール・ザムザは、仕事場へ出勤しようと努力するし、出勤するつもりです。朝4時に起きて、午前5時の電車に乗って出勤するつもりです。仕事に行く気は満々です。
グレゴール・ザムザの意識はひきこもりの青年のようにも思えます。されど、出勤はしたい。
グレゴール・ザムザの姿は仮面ライダーのようなものに思えてきました。
昆虫の姿になってもグレゴール・ザムザは出勤することに前向きなのに、驚いた父親が、彼を部屋に閉じ込めてしまいました。みんなはグレゴール・ザムザを病気だと思っているようです。
変態した後の虫の種類が甲虫のたぐいであることに間違いはないと思うのですが、読んでいると、ときおり、ムカデか、あるいは、ゴキブリのような虫を想像する文章が出てきます。
それでもやっぱり背中に硬い羽をもつ甲虫でしょう。
志村けんさんをはじめとしたドリフターズのメンバーによるコントのようでもあります。
家族がいろいろ考えて、虫になってしまった息子のために食べ物を提供してくれます。とくに17歳の妹であるグレーテが心優しい。
虫になったグレゴール・ザムザは、しゃべることはできるのですが、それは虫語で、人間の言葉ではないから、家族へは意思が伝わりません。家族は彼の言葉を虫が鳴いているようにしか聞こえません。
グレゴール・ザムザは、仕事熱心で、収入は家族の生活費にあてられていたそうです。
貯えがあるので、一家は、しばらくは生活していけるそうですが、だれかが働かなければなりません。
グレゴール・ザムザは、虫の体になったというのに、幸せを感じています。仕事をしないで食べていけるからのようです。
現実には、グレゴール・ザムザは、眠っていて、夢をみているのだろうか。
母親と娘はグレゴール・ザムザの部屋を片付けて、家具の配置を変更したりしています。虫の姿をしたグレゴール・ザムザはそのようすをおとなしく見ています。
読んでいて、ゴキブリにスプレー式の薬剤を噴射しているようなイメージの文章です。
父親が思いがけない行動に出ました。
おそろしいことに、父親が、息子にめがけて、リンゴを2個ぶつけてきました。1個目は目標をはずれましたが、2個目は命中しました。息子は気を失いました。重傷です。
(つづく)
父親にリンゴをぶつけられた甲虫になったグレゴール・ザムザは幸いに命を落とすことなく、重傷でありましたが、元通りまでには至りませんが、一か月後に体力を回復しました。父親は自分がした行為を反省しているそうです。
グレゴール・ザムザ宅には、お手伝いさんの女性もいて、みな、甲虫になったグレゴール・ザムザのことをわかっているようです。お手伝いさんはグレゴール・ザムザに「馬糞虫(まぐそむし)さん」とか「おいぼれ虫」と声をかけてきます。彼女に反抗すると彼女は椅子を持ち上げて椅子の足でグレゴール・ザムザをつぶそうとします。ときにはザムザをほうきでつつきます。
グレゴール・ザムザがいる部屋は物置化します。
そのうち、グレゴール・ザムザは名前ではなく、「これ」と呼ばれるようになります。
甲虫になったグレゴール・ザムザのめんどうをみきれなくなった。
家の中から異質なものを排除しようという雰囲気が流れ出しました。
甲虫になったグレゴール・ザムザはしだいに衰弱していきます。
死ぬのではないか。
甲虫になったグレゴール・ザムザは部屋に閉じ込められました。
そして、甲虫になったグレゴール・ザムザは死んでしまいました。
父親が神様に感謝します。
季節は三月の終わりでした。
父親は、過去は過去だと割り切ります。自分のことをかまってくれと妻と娘に話します。
作者はどうも父親を憎んでいたようです。
異質なものを排除して、自分たちだけの幸福を築こうとする人間の性質と悪意をあぶりだす毒のある作品でした。
解説部分も含めて調べた言葉などとして、
毛皮のマフ:筒状の毛皮の両側から手を入れて手を温める。
一気呵成(いっきかせい):ひと息に成し遂げること。
椅子の背凭れ:せもたれ
グルデン:オランダの通貨単位。ギルダー、グルデン。2002年まで使用されていた。
興がらせる(きょうがらせる):興味を示すようにする。
ニヒリズム:虚無主義。今生きている世界に価値がない。絶望、疲弊のなかで、仮想世界をつくりだして自分の身をそこにおく。
けだし:まさしく、たしかに
二十代のころに読んだことがあります。朝起きたら昆虫の体になっていた。最後まで昆虫のままだったと思います。特段の感想記憶は残っていません。
本箱の整理をしていたら文庫が出てきたので読んでみました。
主人公は、グレゴール・ザムザという若い男性で、外交販売員をしています。両親と妹と同居していて、家族もグレゴール・ザムザが昆虫になった姿を目撃します。あと、ザムザの会社の支配人も昆虫になってしまった彼を見ます。
てんとう虫か、カナブンのような昆虫です。あおむけでベッドの寝ている状態なので起き上がれません。ひっくりかえって起き上がれない亀のような状態です。
深刻な状態だと思うのですが、ユーモアがあります。
家族も驚きはしますが、暗い雰囲気はありません。不思議です。本のなかにあるこの世界では人間が虫に変態することがときおりあるのだろうか。
もういまの仕事を辞めたいけれど両親のためにやめないとか、人づきあいが苦手だとか、グレゴール・ザムザの嘆く声が聞こえます。
虫になったそんな姿でもグレゴール・ザムザは、仕事場へ出勤しようと努力するし、出勤するつもりです。朝4時に起きて、午前5時の電車に乗って出勤するつもりです。仕事に行く気は満々です。
グレゴール・ザムザの意識はひきこもりの青年のようにも思えます。されど、出勤はしたい。
グレゴール・ザムザの姿は仮面ライダーのようなものに思えてきました。
昆虫の姿になってもグレゴール・ザムザは出勤することに前向きなのに、驚いた父親が、彼を部屋に閉じ込めてしまいました。みんなはグレゴール・ザムザを病気だと思っているようです。
変態した後の虫の種類が甲虫のたぐいであることに間違いはないと思うのですが、読んでいると、ときおり、ムカデか、あるいは、ゴキブリのような虫を想像する文章が出てきます。
それでもやっぱり背中に硬い羽をもつ甲虫でしょう。
志村けんさんをはじめとしたドリフターズのメンバーによるコントのようでもあります。
家族がいろいろ考えて、虫になってしまった息子のために食べ物を提供してくれます。とくに17歳の妹であるグレーテが心優しい。
虫になったグレゴール・ザムザは、しゃべることはできるのですが、それは虫語で、人間の言葉ではないから、家族へは意思が伝わりません。家族は彼の言葉を虫が鳴いているようにしか聞こえません。
グレゴール・ザムザは、仕事熱心で、収入は家族の生活費にあてられていたそうです。
貯えがあるので、一家は、しばらくは生活していけるそうですが、だれかが働かなければなりません。
グレゴール・ザムザは、虫の体になったというのに、幸せを感じています。仕事をしないで食べていけるからのようです。
現実には、グレゴール・ザムザは、眠っていて、夢をみているのだろうか。
母親と娘はグレゴール・ザムザの部屋を片付けて、家具の配置を変更したりしています。虫の姿をしたグレゴール・ザムザはそのようすをおとなしく見ています。
読んでいて、ゴキブリにスプレー式の薬剤を噴射しているようなイメージの文章です。
父親が思いがけない行動に出ました。
おそろしいことに、父親が、息子にめがけて、リンゴを2個ぶつけてきました。1個目は目標をはずれましたが、2個目は命中しました。息子は気を失いました。重傷です。
(つづく)
父親にリンゴをぶつけられた甲虫になったグレゴール・ザムザは幸いに命を落とすことなく、重傷でありましたが、元通りまでには至りませんが、一か月後に体力を回復しました。父親は自分がした行為を反省しているそうです。
グレゴール・ザムザ宅には、お手伝いさんの女性もいて、みな、甲虫になったグレゴール・ザムザのことをわかっているようです。お手伝いさんはグレゴール・ザムザに「馬糞虫(まぐそむし)さん」とか「おいぼれ虫」と声をかけてきます。彼女に反抗すると彼女は椅子を持ち上げて椅子の足でグレゴール・ザムザをつぶそうとします。ときにはザムザをほうきでつつきます。
グレゴール・ザムザがいる部屋は物置化します。
そのうち、グレゴール・ザムザは名前ではなく、「これ」と呼ばれるようになります。
甲虫になったグレゴール・ザムザのめんどうをみきれなくなった。
家の中から異質なものを排除しようという雰囲気が流れ出しました。
甲虫になったグレゴール・ザムザはしだいに衰弱していきます。
死ぬのではないか。
甲虫になったグレゴール・ザムザは部屋に閉じ込められました。
そして、甲虫になったグレゴール・ザムザは死んでしまいました。
父親が神様に感謝します。
季節は三月の終わりでした。
父親は、過去は過去だと割り切ります。自分のことをかまってくれと妻と娘に話します。
作者はどうも父親を憎んでいたようです。
異質なものを排除して、自分たちだけの幸福を築こうとする人間の性質と悪意をあぶりだす毒のある作品でした。
解説部分も含めて調べた言葉などとして、
毛皮のマフ:筒状の毛皮の両側から手を入れて手を温める。
一気呵成(いっきかせい):ひと息に成し遂げること。
椅子の背凭れ:せもたれ
グルデン:オランダの通貨単位。ギルダー、グルデン。2002年まで使用されていた。
興がらせる(きょうがらせる):興味を示すようにする。
ニヒリズム:虚無主義。今生きている世界に価値がない。絶望、疲弊のなかで、仮想世界をつくりだして自分の身をそこにおく。
けだし:まさしく、たしかに
2021年01月08日
出川哲朗の充電バイクの旅 黄金崎から三島大社
出川哲朗の充電バイクの旅 伊豆半島一周 黄金崎から三島大社 テレビ番組
新型ウィルス感染拡大のため、10か月ぶりのロケだそうです。見ていて、コロナ対応もそうですが、雨降る中のバイク旅のロケも大変そうです。出川哲朗さんは体がだいじょうぶだろうか。太っているから心配です。
ゲストは、石原良純さんと長嶋一茂さんでした。ゲストから出川さんやスタッフに乱暴な言葉づかいが飛びかうのもおもしろかった。充電を忘れたり、バッテリートラブルのアクシデントがあったり(伊豆は坂道が多いことがわかりました)、入浴施設が使えなかったり、長嶋一茂さんの出迎えをスタッフが忘れたり、かなり段取りが悪かったけれど根回しなしのガチが売りものの番組です。楽しかった。
古い街並みや、古い建物などを観て気持ちが落ち着きました。日本人の地道で堅実な暮らしがあります。
「馬ロック」という海岸にある馬に似た大きな岩場に夕日があたってきれいでした。
気持ちよさそうな屋上露天風呂がよかった。
ライトアップされた夜の公園が美しかった。小さなお子さんに見せていい思い出にしてあげたい。
撮影できるおふろが見つからずどたばたしたあとようやく見つかった古い旅館風呂の雰囲気がよかった。
いろいろ体験して、最後は「シンプル」にたどりつくのだと悟りました。
トンネルを抜けると夕日のシーンもよかった。
番組の目的地である三島大社をテレビ映像で観ていて、はるか昔に三島大社へ行ったことがあるのを思い出しました。まだ、あかちゃんだった息子が本殿の前でハイハイをしていました。年月が過ぎるのは早いものです。
新型ウィルス感染拡大のため、10か月ぶりのロケだそうです。見ていて、コロナ対応もそうですが、雨降る中のバイク旅のロケも大変そうです。出川哲朗さんは体がだいじょうぶだろうか。太っているから心配です。
ゲストは、石原良純さんと長嶋一茂さんでした。ゲストから出川さんやスタッフに乱暴な言葉づかいが飛びかうのもおもしろかった。充電を忘れたり、バッテリートラブルのアクシデントがあったり(伊豆は坂道が多いことがわかりました)、入浴施設が使えなかったり、長嶋一茂さんの出迎えをスタッフが忘れたり、かなり段取りが悪かったけれど根回しなしのガチが売りものの番組です。楽しかった。
古い街並みや、古い建物などを観て気持ちが落ち着きました。日本人の地道で堅実な暮らしがあります。
「馬ロック」という海岸にある馬に似た大きな岩場に夕日があたってきれいでした。
気持ちよさそうな屋上露天風呂がよかった。
ライトアップされた夜の公園が美しかった。小さなお子さんに見せていい思い出にしてあげたい。
撮影できるおふろが見つからずどたばたしたあとようやく見つかった古い旅館風呂の雰囲気がよかった。
いろいろ体験して、最後は「シンプル」にたどりつくのだと悟りました。
トンネルを抜けると夕日のシーンもよかった。
番組の目的地である三島大社をテレビ映像で観ていて、はるか昔に三島大社へ行ったことがあるのを思い出しました。まだ、あかちゃんだった息子が本殿の前でハイハイをしていました。年月が過ぎるのは早いものです。
2021年01月07日
ふしぎなえ 安野光雅
ふしぎなえ 安野光雅(あんのみつまさ) 福音館書店
表紙をながめています。
魔法使いののようなかっこうをした男の人たち4人です。
サンタクロースのようにエントツに向かって、壁や屋根を登って行きます。
おそろいの赤い帽子とえり巻きです。そうか。煙突そうじの人たちか。
文章はありません。
光と陰の対比
実物と影の対比
横から見た絵、上から見た絵、どちらも同じ音楽隊が行進するようすです。
絵に上下(じょうげ)がありません。
本を回転させながら見ても成立する光景です。
おもしろくて楽しい。
こどもは喜びます。こどもは、絵を見て、不思議に思います。
今年読んでよかった一冊です。
文章はないので、自分で考えます。
サムライ時代の屏風絵を見るようです。絵に描かれている人物たちのセリフを想像します。
(建築設計担当者)「ここはこうしてああして」
(肉体労働運搬担当者)「ああ、おなかがすいたなあ」
(休憩中の人)「紙ヒコーキができたぞ。びゅーん」
本でできたプールで泳いでいる人もいます。
こびとの国みたい。
おー 舞台は海へ
と、思いきや、工事現場に戻ります。
上下左右がわからなくなります。
錯覚の世界です。
ただいまー おかえりー
書かれているのは男の人ばかりです。
トランプから絵に描かれている人物が外に出てきたみたい。
高密度の建物がある東京みたい。
よいしょ よいしょ まちづくり
川の水が水道の水になって循環します。
1968年に発行されたかなり古い絵本ですが、いつまでも楽しめます。
表紙をながめています。
魔法使いののようなかっこうをした男の人たち4人です。
サンタクロースのようにエントツに向かって、壁や屋根を登って行きます。
おそろいの赤い帽子とえり巻きです。そうか。煙突そうじの人たちか。
文章はありません。
光と陰の対比
実物と影の対比
横から見た絵、上から見た絵、どちらも同じ音楽隊が行進するようすです。
絵に上下(じょうげ)がありません。
本を回転させながら見ても成立する光景です。
おもしろくて楽しい。
こどもは喜びます。こどもは、絵を見て、不思議に思います。
今年読んでよかった一冊です。
文章はないので、自分で考えます。
サムライ時代の屏風絵を見るようです。絵に描かれている人物たちのセリフを想像します。
(建築設計担当者)「ここはこうしてああして」
(肉体労働運搬担当者)「ああ、おなかがすいたなあ」
(休憩中の人)「紙ヒコーキができたぞ。びゅーん」
本でできたプールで泳いでいる人もいます。
こびとの国みたい。
おー 舞台は海へ
と、思いきや、工事現場に戻ります。
上下左右がわからなくなります。
錯覚の世界です。
ただいまー おかえりー
書かれているのは男の人ばかりです。
トランプから絵に描かれている人物が外に出てきたみたい。
高密度の建物がある東京みたい。
よいしょ よいしょ まちづくり
川の水が水道の水になって循環します。
1968年に発行されたかなり古い絵本ですが、いつまでも楽しめます。
2021年01月06日
やさしいライオン やなせたかし
やさしいライオン やなせたかし フレーベル館
「ムクムク」という名前のめすのわんちゃんが代理母のようになって、みなしごのあかちゃんライオンで名前は「ブルブル」を育てます。
ふたりの悲しい別れがあるのですが、最後はハッピーエンドです。
何か暗示がある擬人法なのでしょう。(動物に人間の特性をもたせる)
別れたあともライオンのブルブルは代理母親の犬ムクムクのことを忘れられません。
物語では、思いがけない行動に出たブルブルです。奇想天外です。作者のやなせたかしさんの思い切りがいい。
「親孝行」なのか、「親への思慕」なのか。
ていねいに子育てをすると子は親の元に戻ってくるということなのか。
ライオンのブルブルの悲劇は、現代社会で、山に食べ物がなくなって、街に姿を現して猟銃に撃たれて駆除される熊のようです。
ぶつりぶつりとシーンが切れるような印象があるのですが、作者の魂が力強くこめられていることが伝わってきます。
お話は、一歩間違えば、親子心中事件になってしまうのですが、感想は、読んだ人それぞれが各自の経験と判断で考えるのでしょう。
今の自分があるのは親のおかげと考えるのでしょう。
ファンタジー(幻想)です。これでいい。そう思わせてくれる結末です。ここに「物語」があります。
「ムクムク」という名前のめすのわんちゃんが代理母のようになって、みなしごのあかちゃんライオンで名前は「ブルブル」を育てます。
ふたりの悲しい別れがあるのですが、最後はハッピーエンドです。
何か暗示がある擬人法なのでしょう。(動物に人間の特性をもたせる)
別れたあともライオンのブルブルは代理母親の犬ムクムクのことを忘れられません。
物語では、思いがけない行動に出たブルブルです。奇想天外です。作者のやなせたかしさんの思い切りがいい。
「親孝行」なのか、「親への思慕」なのか。
ていねいに子育てをすると子は親の元に戻ってくるということなのか。
ライオンのブルブルの悲劇は、現代社会で、山に食べ物がなくなって、街に姿を現して猟銃に撃たれて駆除される熊のようです。
ぶつりぶつりとシーンが切れるような印象があるのですが、作者の魂が力強くこめられていることが伝わってきます。
お話は、一歩間違えば、親子心中事件になってしまうのですが、感想は、読んだ人それぞれが各自の経験と判断で考えるのでしょう。
今の自分があるのは親のおかげと考えるのでしょう。
ファンタジー(幻想)です。これでいい。そう思わせてくれる結末です。ここに「物語」があります。
2021年01月05日
相棒 劇場版Ⅲ 巨大密室!特命係絶海の孤島へ DVD
相棒 劇場版Ⅲ 巨大密室!特命係絶海の孤島へ DVD 2014年公開
設定は2013年(平成25年)だそうです。
警察対防衛省(自衛隊)という構図ですが、テレビ番と比較して、テーマがちょっと軽く、理屈っぽく、説明的な感じがしました。
撮影がしやすいように、孤島の設定にしたのかなとも思われました。
途中、特殊部隊による思いがけない動きがあります。びっくりしました。
適法な命令なのでしょうが、犯罪行為です。
生物兵器としての「天然痘のウィルス株」が素材として登場するのですが、テロ行為としてパンデミック(世界的流行)を狙うわけです。現在世界中に感染が拡大している新型ウィルスのことと重なる部分もあり、未来に起こることを予知したような雰囲気もありました。
背広とネクタイ姿で、ジャングルを駆け回る杉下右京はじめ捜査一課のメンバーです。ジャングルの中という背景にあって、そのかっこうに違和感をもちつつも、これでいいという思いで映像を観ていました。
犯行者側の軍人制服姿の人たちと取り調べる警察側の背広ネクタイ姿の人たちとの質疑応答の対比がおもしろかった。
杉下右京がこだわるものとして、「馬糞」「馬の蹄鉄(ていてつ)」蹄鉄に前足用と後ろ足用があることは初めて知りました。また、馬の視野が350度もあることを聞きびっくりしました。
頭脳作戦です。殺人の手法がよくわからなかったのですが、再現シーンが出てきてよくわかりました。
最後付近で、最初付近のシーンに戻るのはドラマづくりの公式のひとつなのでしょう。
設定は2013年(平成25年)だそうです。
警察対防衛省(自衛隊)という構図ですが、テレビ番と比較して、テーマがちょっと軽く、理屈っぽく、説明的な感じがしました。
撮影がしやすいように、孤島の設定にしたのかなとも思われました。
途中、特殊部隊による思いがけない動きがあります。びっくりしました。
適法な命令なのでしょうが、犯罪行為です。
生物兵器としての「天然痘のウィルス株」が素材として登場するのですが、テロ行為としてパンデミック(世界的流行)を狙うわけです。現在世界中に感染が拡大している新型ウィルスのことと重なる部分もあり、未来に起こることを予知したような雰囲気もありました。
背広とネクタイ姿で、ジャングルを駆け回る杉下右京はじめ捜査一課のメンバーです。ジャングルの中という背景にあって、そのかっこうに違和感をもちつつも、これでいいという思いで映像を観ていました。
犯行者側の軍人制服姿の人たちと取り調べる警察側の背広ネクタイ姿の人たちとの質疑応答の対比がおもしろかった。
杉下右京がこだわるものとして、「馬糞」「馬の蹄鉄(ていてつ)」蹄鉄に前足用と後ろ足用があることは初めて知りました。また、馬の視野が350度もあることを聞きびっくりしました。
頭脳作戦です。殺人の手法がよくわからなかったのですが、再現シーンが出てきてよくわかりました。
最後付近で、最初付近のシーンに戻るのはドラマづくりの公式のひとつなのでしょう。
2021年01月04日
ローカル路線バスVS鉄道乗り継ぎ対決旅 仁和寺→姫路城
ローカル路線バスVS鉄道乗り継ぎ対決旅 京都仁和寺(にんなじ)-兵庫県姫路城 テレビ番組
太川陽介路線バスチーム:浅田舞 ちゅうえい(流れ星)
村井美樹鉄道チーム:田村亮 渚(なぎさ。尼神インター(あまこう))
どちらもこれまで三勝なので、今回はどちらが勝ってもいいという気持ちで鑑賞しました。企画内容から考えると、タクシー利用付きという条件なので、鉄道のほうが有利だと考えています。バスは本数と路線が少ない。時刻もたいてい遅れてきます。その点、鉄道は時刻通りです。
前回と同じで、始まってしばらくはくだくだした時間帯が続きます。やる気のないゲストたちがリーダーたちの足を引っ張ろうとするのは、製作者側の意向なのでしょうが、観ていて不快になります。前日の夜に真剣勝負の「SASUKE(サスケ)」を観たあとだったので、がっかりしました。必ず乗れるはずの電車に、ゲストのだらだらとした食事で遅れて乗れなかったというシーンは見たくもありませんでした。それから、芸人さんの寒くなるすべるギャグもおもしろくありません。どこが笑いのツボなのかがわかりません。テレビを見ているお茶の間が冷たい雰囲気になります。タレントさんは、名前を売り出すチャンスなのですから、時間つぶしの時間帯にするのではなく、必死で考えて、ちゃんと見ている人の笑いをとりにきてほしい。つくり手が、これで視聴者が喜んでいると思っていたらそれは誤解です。もう次回からこの番組を観ることはやめようかという気持ちにすらなりました。えびすよしかずさんが出ていたころがなつかしい。フーテンの寅さんが旅をしているような人づきあいの温かみがありました。
えびすさんの認知症同様に、60代になられた太川陽介さんの加齢による老化が目立った内容でした。太川陽介さんが道路の端を歩いていたときに、突然崩れ落ちて転倒して浅い溝に全身でころがり落ちたときはびっくりしました。ほかにも、バス時刻の把握間違いも複数回ありました。介護とまではいきませんが、ゲストが太川陽介さんを支える心配りが必要です。歳をとるということは体力・知力がゆっくりと衰えていくことと知りました。精神力だけでは、体はついてきてくれません。
渚さんのそば打ちが上手でした。びっくりしました。
浅田舞さんと田村亮さんの運動能力が高く、ふたりの体力・持久力に感心しました。ちゅうえいさんは、いろいろと、もうちょっとがんばってほしい。周囲から助言をもらって、パターンを変えたほうがいいです。いまの言動のままでは、見た人を怒らせるだけで、ご自身にとってはマイナスです。
村井美樹さんのプランの立て方、考え方がすごい。タクシーは最短距離で峠道の上り坂だけを使う。タクシーに乗車する目的位置で待ってもらうようにタクシー会社に予約を入れておく。ただ、村井美樹さんは、ときおり運に恵まれないことがあります。
いっぽう太川陽介さんチームは、チョンボ(うっかりした間違い)もありましたが、ミラクル(奇跡)も複数回ありました。ミラクルがあるからこそ、この企画はやめられません。まさかというようないいことが現実に起こります。人間にとって本当に大事なものはお金ではない。「感動体験を仲間と共有すること」だと悟ります。
太川陽介路線バスチーム:浅田舞 ちゅうえい(流れ星)
村井美樹鉄道チーム:田村亮 渚(なぎさ。尼神インター(あまこう))
どちらもこれまで三勝なので、今回はどちらが勝ってもいいという気持ちで鑑賞しました。企画内容から考えると、タクシー利用付きという条件なので、鉄道のほうが有利だと考えています。バスは本数と路線が少ない。時刻もたいてい遅れてきます。その点、鉄道は時刻通りです。
前回と同じで、始まってしばらくはくだくだした時間帯が続きます。やる気のないゲストたちがリーダーたちの足を引っ張ろうとするのは、製作者側の意向なのでしょうが、観ていて不快になります。前日の夜に真剣勝負の「SASUKE(サスケ)」を観たあとだったので、がっかりしました。必ず乗れるはずの電車に、ゲストのだらだらとした食事で遅れて乗れなかったというシーンは見たくもありませんでした。それから、芸人さんの寒くなるすべるギャグもおもしろくありません。どこが笑いのツボなのかがわかりません。テレビを見ているお茶の間が冷たい雰囲気になります。タレントさんは、名前を売り出すチャンスなのですから、時間つぶしの時間帯にするのではなく、必死で考えて、ちゃんと見ている人の笑いをとりにきてほしい。つくり手が、これで視聴者が喜んでいると思っていたらそれは誤解です。もう次回からこの番組を観ることはやめようかという気持ちにすらなりました。えびすよしかずさんが出ていたころがなつかしい。フーテンの寅さんが旅をしているような人づきあいの温かみがありました。
えびすさんの認知症同様に、60代になられた太川陽介さんの加齢による老化が目立った内容でした。太川陽介さんが道路の端を歩いていたときに、突然崩れ落ちて転倒して浅い溝に全身でころがり落ちたときはびっくりしました。ほかにも、バス時刻の把握間違いも複数回ありました。介護とまではいきませんが、ゲストが太川陽介さんを支える心配りが必要です。歳をとるということは体力・知力がゆっくりと衰えていくことと知りました。精神力だけでは、体はついてきてくれません。
渚さんのそば打ちが上手でした。びっくりしました。
浅田舞さんと田村亮さんの運動能力が高く、ふたりの体力・持久力に感心しました。ちゅうえいさんは、いろいろと、もうちょっとがんばってほしい。周囲から助言をもらって、パターンを変えたほうがいいです。いまの言動のままでは、見た人を怒らせるだけで、ご自身にとってはマイナスです。
村井美樹さんのプランの立て方、考え方がすごい。タクシーは最短距離で峠道の上り坂だけを使う。タクシーに乗車する目的位置で待ってもらうようにタクシー会社に予約を入れておく。ただ、村井美樹さんは、ときおり運に恵まれないことがあります。
いっぽう太川陽介さんチームは、チョンボ(うっかりした間違い)もありましたが、ミラクル(奇跡)も複数回ありました。ミラクルがあるからこそ、この企画はやめられません。まさかというようないいことが現実に起こります。人間にとって本当に大事なものはお金ではない。「感動体験を仲間と共有すること」だと悟ります。