2020年12月30日
2020年 今年観て良かった映画
2020年 今年観て良かった映画
今日も嫌がらせ弁当 邦画DVD 2019年公開
喜劇でした。ほろりと落涙する映画でした。とくにラスト付近、高校卒業最後のお弁当には泣けました。今年観て良かった1本です。前半はつくりもののようで違和感がありましたが、中盤から真剣味が増して、リアルで、心温まるいい映画でした。
夫が事故死した母子家庭で、母ひとり、高校生の娘ひとりの母子家庭です。(長女はすでに独立してひとり暮らし中)。高校生の娘は反抗期で、母親とはしゃべりません。目の前にいるのに、スマホを使った文字の会話はリアルな現実なのでしょう。
カッコーの巣の上で 洋画DVD 1976年公開
有名な映画ですが初めて観ました。いい映画でした。精神病院入院病棟が扱われています。昨年は邦画の「閉鎖病棟」を観ました。暗い内容でした。「カッコーの巣の上」では、みんなで魚釣りに行くあたりが心温まる喜劇で笑えましたが、最後のほうはやっぱり暗くなりました。もっとも、主人公は、懲役刑の労働をまぬがれるために、病気ではないのに病気のふりをしているわけですから制裁が下ってもしかたがないというあきらめもあります。
若おかみは小学生 邦画DVD 2018年公開
作品の主題として、「復讐、仕返し、憎しみ、憎悪」という作品が多いなかにあって、本作品は、「対立相手との協調」を重視しています。あわせて、たとえ自分が恥をかくことになっても、誇りをもって自分の役割を果たすというメッセージがあります。そこが、神社で八百万の神(やおよろずのかみ)を信仰する日本人らしくていい。バランス感覚に優れています。意図的に悪事を働いたのでなければ相手を許容します。映画では、そこからお互いの助け合いが生まれています。
ビリギャル 邦画DVD 2015年公開
チラリと耳にしたことはありますが、観たのは初めてです。映画を観たなーという気分にひたれました。まじめで、誠実ないい映画でした。今年観て良かった1本です。
成績が芳しくない女子高生が、一生懸命勉強をして、有名大学に合格するということだけはどこかで情報が入っていました。
泣き虫しょったんの奇跡 邦画DVD 2028年公開
地味な映画でしが、良作でした。
生きている限り、終わりはない。
一度夢破れても、再起して、夢をかなえるといういい映画でした。今年観て良かった一本です。
3月のライオン 前編 邦画DVD 2017年公開
交通事故で、突然、両親と妹を亡くした6歳ぐらいの主人公桐山零(きりやま・れい)の姿から始まります。彼は、将棋が好きだった父親のつながりで、父親の友人だったプロ棋士幸田(豊川悦司)さんのお宅で世話になります。そこには、奥さんとプロ棋士を目指す姉弟がいて、きょうだいとの比較などで、零はひとりぼっちになって、それなりにつらい体験をして、中学卒業後、幸田家を出て、ひとり暮らしをしながら高校へ通います。映像を観ながら、零に「がんばれ、がんばれ」と声をかけたくなる映画です。
舞妓はレディ 邦画DVD 2014年公開
オードリーヘップバーンの「マイフェアレディ」のオマージュ作品(敬意を表して類似にする)でした。田舎者がスターになる成長物語です。古い型の体験をもつ日本人の自分にとっては、胸にしみるいい作品でした。今年観て良かった一本です。ミュージカル仕立てですが、静かなほうです。雨が土にじっくりとしみこむような映画でした。
ジョゼと虎と魚たち 邦画DVD 2003年公開
ジョゼは、足が悪くて歩行ができない20代の身体障害者女性で、本名は、「くみ子」さんですが、ご自身が、フランソワーズ・サガンの小説「すばらしい雲」を読んで、その主人公ジョゼから名前をもらって、自称「ジョゼ」で通しています。池脇千鶴さんが演じています。毎度芸達者な役者さんだと感服しています。ジョゼの恋愛相手になるのが、大学4年生、麻雀荘でアルバイトをしている恒夫くんで、妻夫木聡さんが演じます。
プライベート・ライアン 洋画DVD 1998年公開
第二次世界大戦中の1944年6月6日にあったフランスノルマンディー上陸作戦に同行した戦場カメラマンロバートキャパに関する本を読んだあと、B級映画といわれる「Dデイ」という洋画DVDを観て、今回のプライベート・ライアンを観ました。いまさらですが、今年観て良かった1本です。力作でした。
マダム・イン・ニューヨーク インド映画DVD 2014年日本公開
インドのコメディ映画、ふたりの子持ち主婦のちょっぴりラブありでしたが、いい作品でした。今年観て良かった1本です。
天才スピヴェット フランス・カナダ洋画DVD 2014年公開
いい映画でした。今年観て良かった1本です。
おもしろくて、楽しくて、悲しいこともあって、じんとくる映画でした。絵本みたいな映画でした。
主人公の10歳の少年スピヴェットは、アメリカ合衆国大陸横断鉄道に乗って旅をします。
ポネット フランス映画DVD 1996年公開
交通事故で、車の運転をしていた母親が死にます。車に同乗していた4歳の女児は腕をケガしましたが命は助かります。
4歳女児のポネットが、母親の死を受け入れられません。母親の再来を信じて、彼女の心は閉ざされます。
パリ、嘘つきな恋 フランス映画DVD 2018年公開
フランスに観光旅行に行った気分になりたくて借りて来ました。
最後でどう落とすのだろうと思いながら観始めました
偶然の出来事から自分は車いすの障がい者だというところから話が始まり、彼は車いすの障がい者の女性を愛するようになります。彼は噓つきです。
(再鑑賞)幸せの黄色いハンカチ 邦画1977年公開 VHSビデオテープ
棚の整理をしていたら平成5年(1993年)のテレビ番組「金曜ロードショー」を録画したテープが出てきたので観てみました。また、この映画は、十代のときに映画館で観て、その後も何度か、テレビやレンタルDVDで観たことがあります。
もう27年ぐらいまえに録画したものです。壊れかけのVHSデッキだけど再生できてよかった。解説者の水野晴郎(みずのはるお)さんの解説がなつかしい。
今日も嫌がらせ弁当 邦画DVD 2019年公開
喜劇でした。ほろりと落涙する映画でした。とくにラスト付近、高校卒業最後のお弁当には泣けました。今年観て良かった1本です。前半はつくりもののようで違和感がありましたが、中盤から真剣味が増して、リアルで、心温まるいい映画でした。
夫が事故死した母子家庭で、母ひとり、高校生の娘ひとりの母子家庭です。(長女はすでに独立してひとり暮らし中)。高校生の娘は反抗期で、母親とはしゃべりません。目の前にいるのに、スマホを使った文字の会話はリアルな現実なのでしょう。
カッコーの巣の上で 洋画DVD 1976年公開
有名な映画ですが初めて観ました。いい映画でした。精神病院入院病棟が扱われています。昨年は邦画の「閉鎖病棟」を観ました。暗い内容でした。「カッコーの巣の上」では、みんなで魚釣りに行くあたりが心温まる喜劇で笑えましたが、最後のほうはやっぱり暗くなりました。もっとも、主人公は、懲役刑の労働をまぬがれるために、病気ではないのに病気のふりをしているわけですから制裁が下ってもしかたがないというあきらめもあります。
若おかみは小学生 邦画DVD 2018年公開
作品の主題として、「復讐、仕返し、憎しみ、憎悪」という作品が多いなかにあって、本作品は、「対立相手との協調」を重視しています。あわせて、たとえ自分が恥をかくことになっても、誇りをもって自分の役割を果たすというメッセージがあります。そこが、神社で八百万の神(やおよろずのかみ)を信仰する日本人らしくていい。バランス感覚に優れています。意図的に悪事を働いたのでなければ相手を許容します。映画では、そこからお互いの助け合いが生まれています。
ビリギャル 邦画DVD 2015年公開
チラリと耳にしたことはありますが、観たのは初めてです。映画を観たなーという気分にひたれました。まじめで、誠実ないい映画でした。今年観て良かった1本です。
成績が芳しくない女子高生が、一生懸命勉強をして、有名大学に合格するということだけはどこかで情報が入っていました。
泣き虫しょったんの奇跡 邦画DVD 2028年公開
地味な映画でしが、良作でした。
生きている限り、終わりはない。
一度夢破れても、再起して、夢をかなえるといういい映画でした。今年観て良かった一本です。
3月のライオン 前編 邦画DVD 2017年公開
交通事故で、突然、両親と妹を亡くした6歳ぐらいの主人公桐山零(きりやま・れい)の姿から始まります。彼は、将棋が好きだった父親のつながりで、父親の友人だったプロ棋士幸田(豊川悦司)さんのお宅で世話になります。そこには、奥さんとプロ棋士を目指す姉弟がいて、きょうだいとの比較などで、零はひとりぼっちになって、それなりにつらい体験をして、中学卒業後、幸田家を出て、ひとり暮らしをしながら高校へ通います。映像を観ながら、零に「がんばれ、がんばれ」と声をかけたくなる映画です。
舞妓はレディ 邦画DVD 2014年公開
オードリーヘップバーンの「マイフェアレディ」のオマージュ作品(敬意を表して類似にする)でした。田舎者がスターになる成長物語です。古い型の体験をもつ日本人の自分にとっては、胸にしみるいい作品でした。今年観て良かった一本です。ミュージカル仕立てですが、静かなほうです。雨が土にじっくりとしみこむような映画でした。
ジョゼと虎と魚たち 邦画DVD 2003年公開
ジョゼは、足が悪くて歩行ができない20代の身体障害者女性で、本名は、「くみ子」さんですが、ご自身が、フランソワーズ・サガンの小説「すばらしい雲」を読んで、その主人公ジョゼから名前をもらって、自称「ジョゼ」で通しています。池脇千鶴さんが演じています。毎度芸達者な役者さんだと感服しています。ジョゼの恋愛相手になるのが、大学4年生、麻雀荘でアルバイトをしている恒夫くんで、妻夫木聡さんが演じます。
プライベート・ライアン 洋画DVD 1998年公開
第二次世界大戦中の1944年6月6日にあったフランスノルマンディー上陸作戦に同行した戦場カメラマンロバートキャパに関する本を読んだあと、B級映画といわれる「Dデイ」という洋画DVDを観て、今回のプライベート・ライアンを観ました。いまさらですが、今年観て良かった1本です。力作でした。
マダム・イン・ニューヨーク インド映画DVD 2014年日本公開
インドのコメディ映画、ふたりの子持ち主婦のちょっぴりラブありでしたが、いい作品でした。今年観て良かった1本です。
天才スピヴェット フランス・カナダ洋画DVD 2014年公開
いい映画でした。今年観て良かった1本です。
おもしろくて、楽しくて、悲しいこともあって、じんとくる映画でした。絵本みたいな映画でした。
主人公の10歳の少年スピヴェットは、アメリカ合衆国大陸横断鉄道に乗って旅をします。
ポネット フランス映画DVD 1996年公開
交通事故で、車の運転をしていた母親が死にます。車に同乗していた4歳の女児は腕をケガしましたが命は助かります。
4歳女児のポネットが、母親の死を受け入れられません。母親の再来を信じて、彼女の心は閉ざされます。
パリ、嘘つきな恋 フランス映画DVD 2018年公開
フランスに観光旅行に行った気分になりたくて借りて来ました。
最後でどう落とすのだろうと思いながら観始めました
偶然の出来事から自分は車いすの障がい者だというところから話が始まり、彼は車いすの障がい者の女性を愛するようになります。彼は噓つきです。
(再鑑賞)幸せの黄色いハンカチ 邦画1977年公開 VHSビデオテープ
棚の整理をしていたら平成5年(1993年)のテレビ番組「金曜ロードショー」を録画したテープが出てきたので観てみました。また、この映画は、十代のときに映画館で観て、その後も何度か、テレビやレンタルDVDで観たことがあります。
もう27年ぐらいまえに録画したものです。壊れかけのVHSデッキだけど再生できてよかった。解説者の水野晴郎(みずのはるお)さんの解説がなつかしい。
2020年12月29日
2020年 今年読んでよかった本
2020年 今年読んでよかった本
おふろだいすき 松岡亨子(まつおか・きょうこ)・作 林明子・絵 福音館書店
今年読んで良かった1冊です。こどもさん向けの絵本です。
いわゆる「ほら話」です。落語のようでもあります。
ふつうは、「うそをついてはいけません」と教えますが、物語の世界のなかでは、うそをついてもかまわないのです。むしろ、おおうそつきにならねばならないのです。その気楽さがいい。
だれも知らない小さな国 佐藤さとる・作 村上勉・絵 講談社文庫
1959年自費出版から始まった本です。
物語の中のこととして、20年前、ぼくは小学3年生8才ですから、主人公のぼくは、今は28才です。思い出の記です。
しょうがっこうへいこう 斉藤洋・作 田中六大・絵 講談社
今年読んで良かった1冊です。
小学校へ入学するこどもさんの不安を解消するための絵本です。
クイズ形式になっている楽しい本でした。
いなかっぽい絵が、地方に住む子どもにとっては身近です。
14ひきのあさごはん いわむらかずお 童心社
絵本です。14ひきののねずみがでてくる大家族のおはなしのようです。おじいさん、おばあさん、おとうさん、おかあさん、1・2・3…のじゅんばんで、いっくん、にっくん、さっちゃん、よっちゃん、ごうくん、ろっくん、なっちゃん、はっくん、くんちゃん、とっくん、ぜんいんあわせて、14ひきです。
もりのへなそうる わなべしげお・さく やまわきゆりこ・え 福音館書店
へなそうるとは? 本の最後のほうにあるページで、キリンのような姿がちらりと見えました。
表紙には、森の中にある木のそばで、兄弟らしき男の子ふたりがなにか気配があって、不思議そうな表情で立っています。
ルドルフといくねこくるねこ ルドルフとイッパイアッテナⅢ 斉藤洋・作 杉浦範茂(すぎうらはんも)・絵 講談社
2002年2月初版です。前回読んだ2作目の初版が1988年ですから、14年が経過しています。
5月から始まりました。英語の本に対する苦情があります。アイ・アム・ア・ボーイ。ぼくは少年です。そんなことは、見ればわかる。わざわざ説明する理由がわからないとのこと。
ネコであるイッパイアッテナことタイガーの飼い主日野さんは、仕事で日米を行ったり来たりしています。
累犯障害者(るいはんしょうがいしゃ) 山本譲司 新潮文庫
累犯:るいはん。何度も罪を犯すこと。「ケーキの切れない非行少年たち」宮口幸治著・新潮新書からこの本にきました。
「安住の地は刑務所だった 下関駅放火事件」
2006年、山口県下関駅放火事件から始まります。そういえば、そういうことがありました。幸いに死者はなかったそうです。犯人は74歳150センチ台の背たけの小柄な男性で、刑務所を出所して1週間ぐらい、行くところもなく生活できず再び刑務所に入るために放火しました。シャバ(刑務所外の世界)よりも刑務所の中のほうが快適という現実があります。
幸福な食卓 瀬尾まいこ(せお・まいこ) 講談社文庫
有名な作品のようですが、読むのは初めてです。
4本の短編です。互いに関連があるのかないのかはまだわかりません。読み始めてみます。
「幸福な朝食」 2003年初出
中原家の家族の崩壊話です。父親である中学社会科教師の中原弘さん43才ぐらいが、朝食時に、「父親をやめる」と宣言します。妻は5年前に家を出ています。離婚はしていないようです。卒婚みたいなものです。
としょかんライオン ミシェル・ヌードセンさく ケビン・ホークスえ 福本友美子やく 岩崎書店
(1回目の本読み)
本屋さんでひととおり読んだ時点で、これは名作だと思いました。心優しい絵本です。
(2回目の本読み)
本を手に入れて家で読みました。
ライオンを怖い感じがする人間に置き換えることもできると思いました。
かえるのエルタ 中川李枝子・さく 大村百合子・え 福音館書店
1964年(昭和39年)の作品です。ナルニア国物語とか、うさぎを追いかけて穴に入っていく不思議の国のアリスなどの仲間で、楽しい空想物語というジャンルだろうと、読んでいる途中で思いました。今年読んで良かった1冊です。
あおい目のこねこ エゴン・マチーセン作 瀬田貞二・訳 福音館書店
両目が、どちらかといえば、水色をしたこねこの絵があります。物語は、「1のまき」から始まって、「7のまき」で終わります。1965年(昭和40年)の作品で、作者はデンマークの人で、1976年に亡くなっています。訳者の方も1979年に亡くなっています。物語の始まりは、日本昔話のようで、「むかし、青い目のげんきなこねこがおりました」から始まります。
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー ブレイディみかこ 新潮社
書店で手に取って、ページを少しめくって、内容は遠い国、イギリス国のことであり、タイトルから察するとたぶん肌の色で人種差別のことだろうと、あまり身近なことではないので、そのまま書棚に戻しましたが、その後なんとなく気になり、売れている本でもあり、まずは読んでみるかと、数日後手に入れました。まだ最初のほうしか読んでいませんが、アイルランド人でカトリック教徒、現在はダンプの運転手さんと結婚された日本人女性著者が、中学生の息子さんについて事実のこととして書いてあるようです。ノンフィクションのエッセイ集です。タイトルで、イエローは、黄色人種であり、ホワイトは、ハーフによる白人であり、ブルーは通常、憂鬱なのですが、著者の息子さんは誤認していたらしく、「怒り」ととらえたのち、沈んだ気持ちと理解されています。
高齢者に「キレない」技術 川上淳子 小学館
超高齢者になると、なにをやっても許される年齢という感じになります。責めを負ってもらおうとしても、高齢であるがゆえに、どうしようもないということもあります。無理をすれば、こちらのほうが、当事者の加齢によるお世話という負担をしなければならなくなります。困り果てる現状があります。
誰にも相談できません みんなのなやみぼくのこたえ 高橋源一郎 毎日新聞出版
人生相談本です。ラジオパーソナリティとしての声を聞くことがある小説家の筆者です。ざっと勘定してみて、相談事が100本ぐらいあります。離婚歴の数が多い筆者のためか、恋愛話の相談が多い。不倫、浮気、LGBTなど。同性愛の人って案外多い。案外少数派ではないのではないか。答えは、哲学的です。他人の恋話が他人ごとに聞こえるのはわたしだけでしょうか。恋は本来『秘密』です。
生きるって、なに? たかのてるこ テルブックス
ラジオ放送でいい本だと流れていたので読んでみることにしました。
同作者の「ガンジス河でバタフライ」「サハラ砂漠の王子さま」「モロッコで断食」「ダライ・ラマに恋して」「モンキームーンの輝く夜に」「キューバ―でアミーゴ」などを読んだのは、2008年から2012年頃のことでした。内容はおもしろかった。世界中を旅する作者です。
生きることの意味を追求していく本です。薄くて小さいサイズの本ですが中身は濃い。写真絵本の構成です。言葉には気取りがなく、生身で、現実的です。大事なことが書いてある本です。今年読んで良かった1冊になりました。
派遣添乗員ヘトヘト日記 梅村達 三五新社 フォレスト出版
知的障害者施設のメンバーと日光江戸村へバス旅行に行ったときのお話にはほろりとしました。いいお話でした。今年読んで良かった本になりました。入所者たちはうれしさを全身からにじませていたあとに続く、にぎやかなカラオケ風景が読んでいて目に浮かびました。
11番目の取引 アリッサ・リングスワース作 もりうちすみこ訳 すずき出版 2020課題図書
11番目の取引だから、その前に10回取引があったのだろうと思って読み始めました。楽器を巡るお話で、アフガニスタンとかタリバンとかが関係あるようです。
飛ぶための百歩 ジュゼッペ・フェスタ・作 杉本あり・訳 岩崎書店
本の帯を見ると、視覚障害者のこどもさんのお話のようです。イタリアの児童文学作品です。
プロローグで、お父さんは眠らないとあります。なんのことだろう。
お父さんがいて、お母さんがいて、主人公の男の子が、山の中で二か月ぐらい暮らしているようです。満点の星空が輝いています。でも、この子には見えないみたい。
廉太郎ノオト(れんたろうノウト) 谷津矢車(やつ・やぐるま 男性) 中央公論新社 2020課題図書
作曲家の瀧廉太郎さんのお話しだと思って読み始めます。彼の出身地の大分県竹田市へは、高校の時に行ったことがあります。登山に行く途中で立ち寄りました。作品『荒城の月』をそこで聞いたような覚えがありますが、もう遠い昔のことなので記憶が定かではありません。同市内にあった城跡は見学したような記憶がありますが、たしか岡城というような名称でした。そちらの記憶もおぼろげです。ご本人は病気で若くして亡くなられたという知識が少しあります。春のうららの隅田川という歌詞の『花』を思い出します。
北極と南極の「へぇ~」くらべてわかる地球のこと 中山由美・文と写真 Gakken 2020課題図書
(1回目の本読み)ざーっとめくるだけで最後までいきます。本のカバーには、「北極と南極の比較」について書いてありますので、本全体が比較パターンで進行していくのでしょう。
タヌキのきょうしつ 山下明生(やましたはるお)・作 長谷川義史(はせがわよしふみ)・絵 あかね書房 2020課題図書
(1回目の本読み)
全体をざーっと流し読みしました。朝のさんぽ道で、タヌキさんたちをたまに見かけることがあります。見た目がワンちゃんのようでかわいらしい。茶色に黒の模様が入った体で、独特のユーモラスな顔つきをしています。警戒心が強いので、人が近づくと、さささーっと茂みの中へ逃げていってしまいます。
ジョゼと虎と魚たち 田辺聖子 角川文庫
先日同名の実写版映画をDVDで観て深い感銘(かんめい。忘れられないほどの心に深く刻まれた記憶)を受けました。そこで、原作を読んでみることにしました。新作でアニメ映画も放映されるようです。車いすの女性と男性の恋を描いた作品です。しみじみできる文脈でした。
青年ヒトラー 大澤武男 平凡社新書
この夏は、第二次世界大戦について、連合国側からの立場で描かれた映画を観たり、小説を読んだりしました。片手落ちではないかと思って、ドイツ国首相だったヒトラーの立場から書かれた本も読んでみることにしました。著者はドイツ在住とあります。出版された時点は、2009年で、ヒトラーの生誕120年とあります。彼が独裁者になる前の段階、青年期までが書かれているそうです。
あの子の秘密 村上雅育(むらかみ・まさふみ) フレーベル館
ふたりの小学6年生女子が登場します。クラスメイトです。
ひとりめは、倉木小夜子(くらき・さよこ)12月25日生まれ。名字のとおり、暗い性格設定になっています。学校には行きますが、しゃべらないそうです。人間よりも本が好き。マンション暮らし。どういうわけか、オスの黒猫がいつも彼女のそばにいます。黒猫の目は緑色です。ただし、黒猫は、想像上の生き物であり、実体としての存在はありません。
父の詫び状 向田邦子 文春文庫
向田邦子さん:1929年(昭和4年)-1981年(昭和56年) 51歳没 台湾で取材旅行中に航空機墜落事故で亡くなる。脚本家、随筆家、小説家 直木賞受賞 テレビドラマ脚本として、「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」
24本のエッセイ(随筆。思うままに書いた短い文章)とあとがきです。1本が10ページぐらいです。しみじみします。
ちょっとだけ 瀧村有子(たきむらゆうこ)・作 鈴木永子(すずきながこ)・絵 福音館書店
絵本です。良書です。上の子が下の子を、「ちょとだけ」お世話させてという趣旨の絵本だと思って読み始めましたが違っていました。上の子がママに、「ちょっとだけ」わたしを抱いてとお願いする物語です。
主人公は、「なっちゃん」で、うちにあかちゃんが生まれて、なっちゃんはお姉ちゃんになりました。実体験がないと書けない内容です。なっちゃんはママを赤ちゃんにとられてしまいました。だから、じぶんのことはじぶんでするようになりました。誠実な絵本です。今年読んで良かった一冊になりました。
思考の整理学 外山滋比古(とやま・しげひこ) ちくま文庫
エッセイ集です。あとがきの日付は、1983年早春です。
最初の「グライダー」を読んだところで感想を書き始めます。ことし読んで良かった一冊になりそうです。
おとうさんがいっぱい 三田村信行 理論社
1975年ころから1977年ころにかけての作品群です。5本の短編が収められています。最初に、「はじめに」があって、「ぼくの心の世界には小さな窓が一つあって……」から始まります。おもしろそう。
お伽草子(おとぎぞうし) 太宰治 新潮文庫
刊行されたのが、終戦後の1945年(昭和20年)10月です。
特殊な雰囲気がただよいます。
戦時中、空襲から避難した防空壕の中で、五才の娘に絵本を読み聞かせます。
読み聞かせながら、民話の中身を考察するという手法です。
びりっかすの神さま 岡田淳 偕成社文庫
小学生向けの本です。転校生のお話です。
木下始(きのしたはじめ):転校生。4年1組になりました。
市田先生:担任の先生
森みゆき:テストの点数が、1点でした。
坂井征二(さかいせいじ):テストの点数が、0点でした。
木下始は、転校後の教室で、透明なへんなものを見ます。体長20センチぐらいで、背中に天使の羽をつけたサラリーマン風の男性が空中を飛んでいます。
おふろだいすき 松岡亨子(まつおか・きょうこ)・作 林明子・絵 福音館書店
今年読んで良かった1冊です。こどもさん向けの絵本です。
いわゆる「ほら話」です。落語のようでもあります。
ふつうは、「うそをついてはいけません」と教えますが、物語の世界のなかでは、うそをついてもかまわないのです。むしろ、おおうそつきにならねばならないのです。その気楽さがいい。
だれも知らない小さな国 佐藤さとる・作 村上勉・絵 講談社文庫
1959年自費出版から始まった本です。
物語の中のこととして、20年前、ぼくは小学3年生8才ですから、主人公のぼくは、今は28才です。思い出の記です。
しょうがっこうへいこう 斉藤洋・作 田中六大・絵 講談社
今年読んで良かった1冊です。
小学校へ入学するこどもさんの不安を解消するための絵本です。
クイズ形式になっている楽しい本でした。
いなかっぽい絵が、地方に住む子どもにとっては身近です。
14ひきのあさごはん いわむらかずお 童心社
絵本です。14ひきののねずみがでてくる大家族のおはなしのようです。おじいさん、おばあさん、おとうさん、おかあさん、1・2・3…のじゅんばんで、いっくん、にっくん、さっちゃん、よっちゃん、ごうくん、ろっくん、なっちゃん、はっくん、くんちゃん、とっくん、ぜんいんあわせて、14ひきです。
もりのへなそうる わなべしげお・さく やまわきゆりこ・え 福音館書店
へなそうるとは? 本の最後のほうにあるページで、キリンのような姿がちらりと見えました。
表紙には、森の中にある木のそばで、兄弟らしき男の子ふたりがなにか気配があって、不思議そうな表情で立っています。
ルドルフといくねこくるねこ ルドルフとイッパイアッテナⅢ 斉藤洋・作 杉浦範茂(すぎうらはんも)・絵 講談社
2002年2月初版です。前回読んだ2作目の初版が1988年ですから、14年が経過しています。
5月から始まりました。英語の本に対する苦情があります。アイ・アム・ア・ボーイ。ぼくは少年です。そんなことは、見ればわかる。わざわざ説明する理由がわからないとのこと。
ネコであるイッパイアッテナことタイガーの飼い主日野さんは、仕事で日米を行ったり来たりしています。
累犯障害者(るいはんしょうがいしゃ) 山本譲司 新潮文庫
累犯:るいはん。何度も罪を犯すこと。「ケーキの切れない非行少年たち」宮口幸治著・新潮新書からこの本にきました。
「安住の地は刑務所だった 下関駅放火事件」
2006年、山口県下関駅放火事件から始まります。そういえば、そういうことがありました。幸いに死者はなかったそうです。犯人は74歳150センチ台の背たけの小柄な男性で、刑務所を出所して1週間ぐらい、行くところもなく生活できず再び刑務所に入るために放火しました。シャバ(刑務所外の世界)よりも刑務所の中のほうが快適という現実があります。
幸福な食卓 瀬尾まいこ(せお・まいこ) 講談社文庫
有名な作品のようですが、読むのは初めてです。
4本の短編です。互いに関連があるのかないのかはまだわかりません。読み始めてみます。
「幸福な朝食」 2003年初出
中原家の家族の崩壊話です。父親である中学社会科教師の中原弘さん43才ぐらいが、朝食時に、「父親をやめる」と宣言します。妻は5年前に家を出ています。離婚はしていないようです。卒婚みたいなものです。
としょかんライオン ミシェル・ヌードセンさく ケビン・ホークスえ 福本友美子やく 岩崎書店
(1回目の本読み)
本屋さんでひととおり読んだ時点で、これは名作だと思いました。心優しい絵本です。
(2回目の本読み)
本を手に入れて家で読みました。
ライオンを怖い感じがする人間に置き換えることもできると思いました。
かえるのエルタ 中川李枝子・さく 大村百合子・え 福音館書店
1964年(昭和39年)の作品です。ナルニア国物語とか、うさぎを追いかけて穴に入っていく不思議の国のアリスなどの仲間で、楽しい空想物語というジャンルだろうと、読んでいる途中で思いました。今年読んで良かった1冊です。
あおい目のこねこ エゴン・マチーセン作 瀬田貞二・訳 福音館書店
両目が、どちらかといえば、水色をしたこねこの絵があります。物語は、「1のまき」から始まって、「7のまき」で終わります。1965年(昭和40年)の作品で、作者はデンマークの人で、1976年に亡くなっています。訳者の方も1979年に亡くなっています。物語の始まりは、日本昔話のようで、「むかし、青い目のげんきなこねこがおりました」から始まります。
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー ブレイディみかこ 新潮社
書店で手に取って、ページを少しめくって、内容は遠い国、イギリス国のことであり、タイトルから察するとたぶん肌の色で人種差別のことだろうと、あまり身近なことではないので、そのまま書棚に戻しましたが、その後なんとなく気になり、売れている本でもあり、まずは読んでみるかと、数日後手に入れました。まだ最初のほうしか読んでいませんが、アイルランド人でカトリック教徒、現在はダンプの運転手さんと結婚された日本人女性著者が、中学生の息子さんについて事実のこととして書いてあるようです。ノンフィクションのエッセイ集です。タイトルで、イエローは、黄色人種であり、ホワイトは、ハーフによる白人であり、ブルーは通常、憂鬱なのですが、著者の息子さんは誤認していたらしく、「怒り」ととらえたのち、沈んだ気持ちと理解されています。
高齢者に「キレない」技術 川上淳子 小学館
超高齢者になると、なにをやっても許される年齢という感じになります。責めを負ってもらおうとしても、高齢であるがゆえに、どうしようもないということもあります。無理をすれば、こちらのほうが、当事者の加齢によるお世話という負担をしなければならなくなります。困り果てる現状があります。
誰にも相談できません みんなのなやみぼくのこたえ 高橋源一郎 毎日新聞出版
人生相談本です。ラジオパーソナリティとしての声を聞くことがある小説家の筆者です。ざっと勘定してみて、相談事が100本ぐらいあります。離婚歴の数が多い筆者のためか、恋愛話の相談が多い。不倫、浮気、LGBTなど。同性愛の人って案外多い。案外少数派ではないのではないか。答えは、哲学的です。他人の恋話が他人ごとに聞こえるのはわたしだけでしょうか。恋は本来『秘密』です。
生きるって、なに? たかのてるこ テルブックス
ラジオ放送でいい本だと流れていたので読んでみることにしました。
同作者の「ガンジス河でバタフライ」「サハラ砂漠の王子さま」「モロッコで断食」「ダライ・ラマに恋して」「モンキームーンの輝く夜に」「キューバ―でアミーゴ」などを読んだのは、2008年から2012年頃のことでした。内容はおもしろかった。世界中を旅する作者です。
生きることの意味を追求していく本です。薄くて小さいサイズの本ですが中身は濃い。写真絵本の構成です。言葉には気取りがなく、生身で、現実的です。大事なことが書いてある本です。今年読んで良かった1冊になりました。
派遣添乗員ヘトヘト日記 梅村達 三五新社 フォレスト出版
知的障害者施設のメンバーと日光江戸村へバス旅行に行ったときのお話にはほろりとしました。いいお話でした。今年読んで良かった本になりました。入所者たちはうれしさを全身からにじませていたあとに続く、にぎやかなカラオケ風景が読んでいて目に浮かびました。
11番目の取引 アリッサ・リングスワース作 もりうちすみこ訳 すずき出版 2020課題図書
11番目の取引だから、その前に10回取引があったのだろうと思って読み始めました。楽器を巡るお話で、アフガニスタンとかタリバンとかが関係あるようです。
飛ぶための百歩 ジュゼッペ・フェスタ・作 杉本あり・訳 岩崎書店
本の帯を見ると、視覚障害者のこどもさんのお話のようです。イタリアの児童文学作品です。
プロローグで、お父さんは眠らないとあります。なんのことだろう。
お父さんがいて、お母さんがいて、主人公の男の子が、山の中で二か月ぐらい暮らしているようです。満点の星空が輝いています。でも、この子には見えないみたい。
廉太郎ノオト(れんたろうノウト) 谷津矢車(やつ・やぐるま 男性) 中央公論新社 2020課題図書
作曲家の瀧廉太郎さんのお話しだと思って読み始めます。彼の出身地の大分県竹田市へは、高校の時に行ったことがあります。登山に行く途中で立ち寄りました。作品『荒城の月』をそこで聞いたような覚えがありますが、もう遠い昔のことなので記憶が定かではありません。同市内にあった城跡は見学したような記憶がありますが、たしか岡城というような名称でした。そちらの記憶もおぼろげです。ご本人は病気で若くして亡くなられたという知識が少しあります。春のうららの隅田川という歌詞の『花』を思い出します。
北極と南極の「へぇ~」くらべてわかる地球のこと 中山由美・文と写真 Gakken 2020課題図書
(1回目の本読み)ざーっとめくるだけで最後までいきます。本のカバーには、「北極と南極の比較」について書いてありますので、本全体が比較パターンで進行していくのでしょう。
タヌキのきょうしつ 山下明生(やましたはるお)・作 長谷川義史(はせがわよしふみ)・絵 あかね書房 2020課題図書
(1回目の本読み)
全体をざーっと流し読みしました。朝のさんぽ道で、タヌキさんたちをたまに見かけることがあります。見た目がワンちゃんのようでかわいらしい。茶色に黒の模様が入った体で、独特のユーモラスな顔つきをしています。警戒心が強いので、人が近づくと、さささーっと茂みの中へ逃げていってしまいます。
ジョゼと虎と魚たち 田辺聖子 角川文庫
先日同名の実写版映画をDVDで観て深い感銘(かんめい。忘れられないほどの心に深く刻まれた記憶)を受けました。そこで、原作を読んでみることにしました。新作でアニメ映画も放映されるようです。車いすの女性と男性の恋を描いた作品です。しみじみできる文脈でした。
青年ヒトラー 大澤武男 平凡社新書
この夏は、第二次世界大戦について、連合国側からの立場で描かれた映画を観たり、小説を読んだりしました。片手落ちではないかと思って、ドイツ国首相だったヒトラーの立場から書かれた本も読んでみることにしました。著者はドイツ在住とあります。出版された時点は、2009年で、ヒトラーの生誕120年とあります。彼が独裁者になる前の段階、青年期までが書かれているそうです。
あの子の秘密 村上雅育(むらかみ・まさふみ) フレーベル館
ふたりの小学6年生女子が登場します。クラスメイトです。
ひとりめは、倉木小夜子(くらき・さよこ)12月25日生まれ。名字のとおり、暗い性格設定になっています。学校には行きますが、しゃべらないそうです。人間よりも本が好き。マンション暮らし。どういうわけか、オスの黒猫がいつも彼女のそばにいます。黒猫の目は緑色です。ただし、黒猫は、想像上の生き物であり、実体としての存在はありません。
父の詫び状 向田邦子 文春文庫
向田邦子さん:1929年(昭和4年)-1981年(昭和56年) 51歳没 台湾で取材旅行中に航空機墜落事故で亡くなる。脚本家、随筆家、小説家 直木賞受賞 テレビドラマ脚本として、「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」
24本のエッセイ(随筆。思うままに書いた短い文章)とあとがきです。1本が10ページぐらいです。しみじみします。
ちょっとだけ 瀧村有子(たきむらゆうこ)・作 鈴木永子(すずきながこ)・絵 福音館書店
絵本です。良書です。上の子が下の子を、「ちょとだけ」お世話させてという趣旨の絵本だと思って読み始めましたが違っていました。上の子がママに、「ちょっとだけ」わたしを抱いてとお願いする物語です。
主人公は、「なっちゃん」で、うちにあかちゃんが生まれて、なっちゃんはお姉ちゃんになりました。実体験がないと書けない内容です。なっちゃんはママを赤ちゃんにとられてしまいました。だから、じぶんのことはじぶんでするようになりました。誠実な絵本です。今年読んで良かった一冊になりました。
思考の整理学 外山滋比古(とやま・しげひこ) ちくま文庫
エッセイ集です。あとがきの日付は、1983年早春です。
最初の「グライダー」を読んだところで感想を書き始めます。ことし読んで良かった一冊になりそうです。
おとうさんがいっぱい 三田村信行 理論社
1975年ころから1977年ころにかけての作品群です。5本の短編が収められています。最初に、「はじめに」があって、「ぼくの心の世界には小さな窓が一つあって……」から始まります。おもしろそう。
お伽草子(おとぎぞうし) 太宰治 新潮文庫
刊行されたのが、終戦後の1945年(昭和20年)10月です。
特殊な雰囲気がただよいます。
戦時中、空襲から避難した防空壕の中で、五才の娘に絵本を読み聞かせます。
読み聞かせながら、民話の中身を考察するという手法です。
びりっかすの神さま 岡田淳 偕成社文庫
小学生向けの本です。転校生のお話です。
木下始(きのしたはじめ):転校生。4年1組になりました。
市田先生:担任の先生
森みゆき:テストの点数が、1点でした。
坂井征二(さかいせいじ):テストの点数が、0点でした。
木下始は、転校後の教室で、透明なへんなものを見ます。体長20センチぐらいで、背中に天使の羽をつけたサラリーマン風の男性が空中を飛んでいます。
2020年12月28日
いつもいっしょに こんのひとみ作 いもとようこ絵
いつもいっしょに こんのひとみ作 いもとようこ絵 金の星社
絵本です。
くまさんとうさぎさんが出てきます。
くまさんは、最初はひとりぼっちでしたが、うさぎさんと知り合い、いっしょに生活を始めます。
だけど、ふたりの間にいさかいが起こって、うさぎさんがいなくなってしまい、くまさんがさびしくなって悲しいと嘆く(なげく)のです。
最後はハッピーエンドになりますのでご安心ください。
読み終えて、おとなでもほっとできる絵本です。よかった。
この絵本を読んでいる同時期に柳美里(ゆうみり)さんの上野恩賜公園(うえのおんしこうえん)を舞台にしたホームレスの小説を読んでいて、二冊の本のことが脳内で重なり不思議な感覚になりました。
妻を病気で亡くしてひとり暮らしになった男性は、親切で押しかけ入居してきた孫娘に世話になることに精神的な負担と苦痛を感じて、書置きを残して家出をします。<もう自分のことは探さないでくれ>
歳月をへだてると、くまとうさぎのように気が合わないことがあって、いっしょにいられなくなるのです。だから、ずっとべったりといっしょにいるよりも、ときおりいっしょにいられたらいいとか、たまにいっしょにいられたらいいとかというふうに気持ちが変化するのです。
人間とはむずかしい生き物です。
絵本です。
くまさんとうさぎさんが出てきます。
くまさんは、最初はひとりぼっちでしたが、うさぎさんと知り合い、いっしょに生活を始めます。
だけど、ふたりの間にいさかいが起こって、うさぎさんがいなくなってしまい、くまさんがさびしくなって悲しいと嘆く(なげく)のです。
最後はハッピーエンドになりますのでご安心ください。
読み終えて、おとなでもほっとできる絵本です。よかった。
この絵本を読んでいる同時期に柳美里(ゆうみり)さんの上野恩賜公園(うえのおんしこうえん)を舞台にしたホームレスの小説を読んでいて、二冊の本のことが脳内で重なり不思議な感覚になりました。
妻を病気で亡くしてひとり暮らしになった男性は、親切で押しかけ入居してきた孫娘に世話になることに精神的な負担と苦痛を感じて、書置きを残して家出をします。<もう自分のことは探さないでくれ>
歳月をへだてると、くまとうさぎのように気が合わないことがあって、いっしょにいられなくなるのです。だから、ずっとべったりといっしょにいるよりも、ときおりいっしょにいられたらいいとか、たまにいっしょにいられたらいいとかというふうに気持ちが変化するのです。
人間とはむずかしい生き物です。
2020年12月27日
おばあちゃんがいるといいのにな 松田素子
おばあちゃんがいるといいのにな 松田素子・作 石倉欣二・絵 ポプラ社
絵本です。1960年代ぐらいから1970年代、昭和30年代から昭和40年代ぐらいのおばあちゃん像です。割烹着を着て(白いエプロン)家事をしてくれます。季節の行事の準備などをしてくれます。
時は流れて、少子化、核家族の増加、ひとり親世帯も増加などで、孫と祖父母のふれあう時間帯が少なくなりました。祖父母との思い出があまりないというこども世代も増えました。
それでもこの物語にあるようなおばあさんは現実に今も存在するのでしょう。高齢者に対してこうあってほしいというメッセージも感じます。
物語に登場する祖母は優しい。現実の祖母はしつけに厳しく、けっこう口やかましかったりします。だからこうあったらいいのになという気持ちがお話のつくり手や読み手にあるのでしょう。
老齢者も健康不安や金銭不安をかかえています。気持ちの余裕がある高齢者ばかりでもありません。
物語の中のおばあちゃんは病気で亡くなります。孫は「死」を考えます。
ちいさなこどもは、身近にいる優しい人に甘えたい。
祖父の立場で読みました。心優しい絵本でした。
絵本です。1960年代ぐらいから1970年代、昭和30年代から昭和40年代ぐらいのおばあちゃん像です。割烹着を着て(白いエプロン)家事をしてくれます。季節の行事の準備などをしてくれます。
時は流れて、少子化、核家族の増加、ひとり親世帯も増加などで、孫と祖父母のふれあう時間帯が少なくなりました。祖父母との思い出があまりないというこども世代も増えました。
それでもこの物語にあるようなおばあさんは現実に今も存在するのでしょう。高齢者に対してこうあってほしいというメッセージも感じます。
物語に登場する祖母は優しい。現実の祖母はしつけに厳しく、けっこう口やかましかったりします。だからこうあったらいいのになという気持ちがお話のつくり手や読み手にあるのでしょう。
老齢者も健康不安や金銭不安をかかえています。気持ちの余裕がある高齢者ばかりでもありません。
物語の中のおばあちゃんは病気で亡くなります。孫は「死」を考えます。
ちいさなこどもは、身近にいる優しい人に甘えたい。
祖父の立場で読みました。心優しい絵本でした。
2020年12月26日
JR上野駅公園口 柳美里
JR上野駅公園口 柳美里(ゆうみり) 河出文庫
「全米図書賞」受賞のニュースをテレビで観て読むことにしました。
読む前に考えたこととして、ホームレスのお話だそうで、ふつう、人生において、ホームレスと関係をもつのは、福祉・医療関係者、行政、図書館、ボランティア、飲食店・コンビニ、生活保護の支給をあてにする貧困ビジネス、大きな親族関係のなかのだれかぐらいで、ホームレスと直接関わりを一生もたない人も多いのではないかと。
半世紀ぐらい前は、兄弟姉妹がたくさんで、田舎である地元にいても仕事がなく、地方から都会へ仕事を求めての移動があり、その後、そういった人たちがホームレス化したということはあったかと思いますが、現代は、親族関係の破綻とか教育への順応ができないとかで、家出をしたり、ネットカフェや漫画喫茶などを転々としたり、知人宅に居候したり、車中泊をしたりという新しいホームレス化の形態が生まれているように思います。
本を読み始めて、本の内容は、昔のホームレス化のパターンであることがわかりました。
38ページまで読んだところで感想を書き始めます。
主人公男性の名前はまだわかりませんが、昭和8年生まれ。ちなみに、この物語は2014年3月に単行本が発行されています。
昭和8年生まれの福島県相馬郡八沢村(やさわむら(現在の南相馬市))出身の主人公男性は、8人兄弟姉妹の長男です。男が4人、女が4人です。
上野動物園あたりには行ったことがあるので、そのときの風景を思い出しながら物語の内容と重ねています。わたしが行った2019年春のときにはホームレスは見かけませんでした。この本によると上野恩賜公園(うえのおんしこうえん)では、東北出身者のホームレスが多いそうです。東北から東京に来たときの玄関口が東京駅ではなく上野駅なのでしょう。
主人公は、昭和38年に福島県内に妻子を残して東京へ出稼ぎに来ています。翌年開催の東京オリンピックがらみでしょう。
東北ではありませんでしたが、こどものころに自分の父親も出稼ぎに出ていたことがあるので読んでいて、こどもの立場としての実感は湧きます。
昔のことを思い出して、ああ、あのときはああすればよかったと後悔しても過去を変えることはできません。あのときは、ああするしかなかったと思うしかありません。
「老い」「時間の経過」を流れにして、抽象的な記述が続きます。取材して、想像して書く。
主人公は下戸(げこ。アルコールを飲めない)です。珍しい。人は、アルコール依存が原因でホームレスになる印象があります。まわりの親族に粗暴、金銭貸借等で迷惑をかけて突き放される。
2011年3月11日に発生した東日本大震災もからんでいる物語の気配がしてきました。
生活苦の暗い話が続きそうです。
途中、たぶん税金を滞納したので、差し押さえの赤紙を役所の人間たちが家に来て家財道具に貼り付けるシーンが出てきました。そういえば、こどものころに実際にそういうシーンが近所の家で行われているところを見たことがあります。職員はすごい勢いでした。記憶がよみがえりました。
つじつまあわせを考えると、物語の内容として、いろいろと苦しいのですが、生活のありようとして、物語に書かれているようなこういう暗い一面もあったけれど、そういうことばかりだけではなかった、それがすべてではなかったと思いたい。当時の時代をくぐりぬけてきた親族たちの話を聞くとそれがわかります。時代は昭和30年ぐらいから20年間ぐらい続いた高度経済成長期を背景にしており、石油ショックで経済が落ち込んだ時期があったものの、その後バブル経済の最盛期を通過しています。楽しかったこともそれなりにありました。ただ、そういうことは人には言いにくい。
50ページ、ようやく主人公の名字がわかりました。「森さん」です。
ドラマか映画のワンシーンのような記述が続きます。
結局、力なく、「生きていればいい」という結論に達してしまいます。
ホームレスの話を離れて、明治・大正時代、戦時中の上野の山や周辺地域の歴史書のようになってきました。
荒涼とした風景が物語のなかに広がっています。
途中で何度か出てきて何度も繰り返される薔薇(ばら)のくだりは理解できませんでした。
主人公は出稼ぎ暮らしを還暦60歳で終えて、いったん福島へ帰郷して年金暮らしのあと再び東京へ戻ってくるのですが、東京へ戻ってホームレスになった動機としては理由づけが弱いような。
両親が亡くなって、妻が病死して、娘や孫が自分の世話をしてくれることを負担に感じてのことなのですが、それが理由で、上野恩賜公園でホームレス生活を始めるということは不自然に感じます。
ほかにも、長い間の別居生活でどちらかといえば薄い夫婦関係、親子関係があったなかで、夫婦、親子の情に力が入りすぎているような印象を受けました。
ホームレスの現状と分析というよりも文学作品として読む本だと思いました。
一部分にスポットをあてて作品化する。
それぞれの人が役割を果たしながら人生を送っているなかで、だれかを批判するようなことはしにくい。
つぶやきの文章が続きます。
外国人が翻訳されたものを読むと味わいがあるのでしょう。
調べた単語などとして、
ツイードの鳥打帽(とりうちぼう):ツイードは毛織物の生地。鳥打帽は、ハンチング帽、前部に小さめのひさしがある。探偵がかぶるイメージがある帽子。イギリスの狩猟用の帽子
チリ地震津波:1960年(昭和35年)日本の死者行方不明者数142名
(2014年2月7日付けの作者のあとがきを読んで)
あとがきの内容は、2020東京オリンピックが開催されるという前提で書かれています。
現実には、オリンピックの延期、新型コロナウィルスの世界的感染拡大が起こっています。読んでいて不思議な感覚になりました。思いどおりにいかない、予定どおりにいかない時代が始まったような気がします。
「全米図書賞」受賞のニュースをテレビで観て読むことにしました。
読む前に考えたこととして、ホームレスのお話だそうで、ふつう、人生において、ホームレスと関係をもつのは、福祉・医療関係者、行政、図書館、ボランティア、飲食店・コンビニ、生活保護の支給をあてにする貧困ビジネス、大きな親族関係のなかのだれかぐらいで、ホームレスと直接関わりを一生もたない人も多いのではないかと。
半世紀ぐらい前は、兄弟姉妹がたくさんで、田舎である地元にいても仕事がなく、地方から都会へ仕事を求めての移動があり、その後、そういった人たちがホームレス化したということはあったかと思いますが、現代は、親族関係の破綻とか教育への順応ができないとかで、家出をしたり、ネットカフェや漫画喫茶などを転々としたり、知人宅に居候したり、車中泊をしたりという新しいホームレス化の形態が生まれているように思います。
本を読み始めて、本の内容は、昔のホームレス化のパターンであることがわかりました。
38ページまで読んだところで感想を書き始めます。
主人公男性の名前はまだわかりませんが、昭和8年生まれ。ちなみに、この物語は2014年3月に単行本が発行されています。
昭和8年生まれの福島県相馬郡八沢村(やさわむら(現在の南相馬市))出身の主人公男性は、8人兄弟姉妹の長男です。男が4人、女が4人です。
上野動物園あたりには行ったことがあるので、そのときの風景を思い出しながら物語の内容と重ねています。わたしが行った2019年春のときにはホームレスは見かけませんでした。この本によると上野恩賜公園(うえのおんしこうえん)では、東北出身者のホームレスが多いそうです。東北から東京に来たときの玄関口が東京駅ではなく上野駅なのでしょう。
主人公は、昭和38年に福島県内に妻子を残して東京へ出稼ぎに来ています。翌年開催の東京オリンピックがらみでしょう。
東北ではありませんでしたが、こどものころに自分の父親も出稼ぎに出ていたことがあるので読んでいて、こどもの立場としての実感は湧きます。
昔のことを思い出して、ああ、あのときはああすればよかったと後悔しても過去を変えることはできません。あのときは、ああするしかなかったと思うしかありません。
「老い」「時間の経過」を流れにして、抽象的な記述が続きます。取材して、想像して書く。
主人公は下戸(げこ。アルコールを飲めない)です。珍しい。人は、アルコール依存が原因でホームレスになる印象があります。まわりの親族に粗暴、金銭貸借等で迷惑をかけて突き放される。
2011年3月11日に発生した東日本大震災もからんでいる物語の気配がしてきました。
生活苦の暗い話が続きそうです。
途中、たぶん税金を滞納したので、差し押さえの赤紙を役所の人間たちが家に来て家財道具に貼り付けるシーンが出てきました。そういえば、こどものころに実際にそういうシーンが近所の家で行われているところを見たことがあります。職員はすごい勢いでした。記憶がよみがえりました。
つじつまあわせを考えると、物語の内容として、いろいろと苦しいのですが、生活のありようとして、物語に書かれているようなこういう暗い一面もあったけれど、そういうことばかりだけではなかった、それがすべてではなかったと思いたい。当時の時代をくぐりぬけてきた親族たちの話を聞くとそれがわかります。時代は昭和30年ぐらいから20年間ぐらい続いた高度経済成長期を背景にしており、石油ショックで経済が落ち込んだ時期があったものの、その後バブル経済の最盛期を通過しています。楽しかったこともそれなりにありました。ただ、そういうことは人には言いにくい。
50ページ、ようやく主人公の名字がわかりました。「森さん」です。
ドラマか映画のワンシーンのような記述が続きます。
結局、力なく、「生きていればいい」という結論に達してしまいます。
ホームレスの話を離れて、明治・大正時代、戦時中の上野の山や周辺地域の歴史書のようになってきました。
荒涼とした風景が物語のなかに広がっています。
途中で何度か出てきて何度も繰り返される薔薇(ばら)のくだりは理解できませんでした。
主人公は出稼ぎ暮らしを還暦60歳で終えて、いったん福島へ帰郷して年金暮らしのあと再び東京へ戻ってくるのですが、東京へ戻ってホームレスになった動機としては理由づけが弱いような。
両親が亡くなって、妻が病死して、娘や孫が自分の世話をしてくれることを負担に感じてのことなのですが、それが理由で、上野恩賜公園でホームレス生活を始めるということは不自然に感じます。
ほかにも、長い間の別居生活でどちらかといえば薄い夫婦関係、親子関係があったなかで、夫婦、親子の情に力が入りすぎているような印象を受けました。
ホームレスの現状と分析というよりも文学作品として読む本だと思いました。
一部分にスポットをあてて作品化する。
それぞれの人が役割を果たしながら人生を送っているなかで、だれかを批判するようなことはしにくい。
つぶやきの文章が続きます。
外国人が翻訳されたものを読むと味わいがあるのでしょう。
調べた単語などとして、
ツイードの鳥打帽(とりうちぼう):ツイードは毛織物の生地。鳥打帽は、ハンチング帽、前部に小さめのひさしがある。探偵がかぶるイメージがある帽子。イギリスの狩猟用の帽子
チリ地震津波:1960年(昭和35年)日本の死者行方不明者数142名
(2014年2月7日付けの作者のあとがきを読んで)
あとがきの内容は、2020東京オリンピックが開催されるという前提で書かれています。
現実には、オリンピックの延期、新型コロナウィルスの世界的感染拡大が起こっています。読んでいて不思議な感覚になりました。思いどおりにいかない、予定どおりにいかない時代が始まったような気がします。
2020年12月25日
童話の花束 第51回ENEOS童話集作品集
童話の花束 第51回ENEOS童話集作品集
自宅に送られてきたので読んでみました。いくつか感想を記してみます。
平和で落ち着いた雰囲気の童話集です。
「長ネギ1本」
うちの奥さんのことみたいなお話でした。買い物帰りに自転車の後ろかごから長ネギの束を道路に落として帰宅したことがあります。翌日うちのこどもが探しに行ったら道に落ちたままになっていました。もう何十年も前のことです。
1本の長ネギから複数の人たちがつながり初恋にまで発展する心あたたまる作品でした。
「めぐりめぐる」
しっぽが見えているきつねが化けた少年です。物語で、久しぶりにそういうシーンを見て、逆に新鮮でした。絵がかわいらしい。
「モモしゃんとチュチュ」
コンビニカウンター付近の絵が物語とぴったりあっていて楽しめました。ネコの名前が「モモ」、ネコ用のおやつが「チュチュ」です。
「ぜんざい」
いのししが出てくる九州弁まじりの豪快な作品でした。
古希(こき):70歳
「おいしそうなお月さま」
おもしろい発想です。
ねこがじぶんのしっぽで水面に映っている月を釣り上げようとします。
「紫の紫陽花(あじさい)が咲く日には」
小説を読むようでした。カラフルカラーのなかの「灰色」に自分を重ねる。
わたしはわたしのままでいいというメッセージを残した作品でした。
「空を飛んだイワシ」
最初はなんだろうという感じで読んでいましたが、ラストはおもしろかった。笑いました。ほら話です。今回の作品集のなかでは一番の好みでした。
「おかえり、エンマ様」
悲観的でうしろ向きな地獄のエンマ様がかわいい。
「役割」が話のオチです。
いい話でした。
「におい屋」
昭和時代の絵とお話です。
魔法話があります。
理想とするお母さんの姿のイメージなのでしょう。
現実世界ではけっこうきついお母さんが多い。
「十五夜の灯籠(とうろう)」
こども鬼の感じがいい。小鬼というのは久しぶりに耳にしました。
ヤマグワ:黒、赤の小さなぶつぶつの実
「ひとり図書館」
かわいらしい。
ぬくもりがあります。
気に入った文節として「うれしくてジャンプした」
「にげだしたおにぎりくん」
おべんとう箱からおかずたちが逃げ出すのです。おもしろい!
ウィンナーのタコッピ―という名づけがいい。
ちょっとりくつっぽいかなあという一面はありましたが楽しめました。
「お母さんはどっち」
へぇー おもしろい。
家に帰るとおかあさんがふたりいるのです。
自宅に送られてきたので読んでみました。いくつか感想を記してみます。
平和で落ち着いた雰囲気の童話集です。
「長ネギ1本」
うちの奥さんのことみたいなお話でした。買い物帰りに自転車の後ろかごから長ネギの束を道路に落として帰宅したことがあります。翌日うちのこどもが探しに行ったら道に落ちたままになっていました。もう何十年も前のことです。
1本の長ネギから複数の人たちがつながり初恋にまで発展する心あたたまる作品でした。
「めぐりめぐる」
しっぽが見えているきつねが化けた少年です。物語で、久しぶりにそういうシーンを見て、逆に新鮮でした。絵がかわいらしい。
「モモしゃんとチュチュ」
コンビニカウンター付近の絵が物語とぴったりあっていて楽しめました。ネコの名前が「モモ」、ネコ用のおやつが「チュチュ」です。
「ぜんざい」
いのししが出てくる九州弁まじりの豪快な作品でした。
古希(こき):70歳
「おいしそうなお月さま」
おもしろい発想です。
ねこがじぶんのしっぽで水面に映っている月を釣り上げようとします。
「紫の紫陽花(あじさい)が咲く日には」
小説を読むようでした。カラフルカラーのなかの「灰色」に自分を重ねる。
わたしはわたしのままでいいというメッセージを残した作品でした。
「空を飛んだイワシ」
最初はなんだろうという感じで読んでいましたが、ラストはおもしろかった。笑いました。ほら話です。今回の作品集のなかでは一番の好みでした。
「おかえり、エンマ様」
悲観的でうしろ向きな地獄のエンマ様がかわいい。
「役割」が話のオチです。
いい話でした。
「におい屋」
昭和時代の絵とお話です。
魔法話があります。
理想とするお母さんの姿のイメージなのでしょう。
現実世界ではけっこうきついお母さんが多い。
「十五夜の灯籠(とうろう)」
こども鬼の感じがいい。小鬼というのは久しぶりに耳にしました。
ヤマグワ:黒、赤の小さなぶつぶつの実
「ひとり図書館」
かわいらしい。
ぬくもりがあります。
気に入った文節として「うれしくてジャンプした」
「にげだしたおにぎりくん」
おべんとう箱からおかずたちが逃げ出すのです。おもしろい!
ウィンナーのタコッピ―という名づけがいい。
ちょっとりくつっぽいかなあという一面はありましたが楽しめました。
「お母さんはどっち」
へぇー おもしろい。
家に帰るとおかあさんがふたりいるのです。