2021年01月23日

出川哲朗の充電バイクの旅 青森県龍飛岬から八甲田山

出川哲朗の充電バイクの旅 青森県龍飛岬から八甲田山 テレビ番組2017年分の再編集

 観光で訪れたことがあるルートであり、また、太宰治作品「津軽」に登場する地名がいくつもあり、なつかしくテレビ番組の内容を楽しめました。

 ゲストは、カンニング竹山さんといとうあさこさんでした。

 龍飛岬(たっぴみさき)を「りゅうひざき」と読む出川哲朗さんです。ほかにも読み間違いが多いのですがかまいません。そのゆるさが、観ている者の癒しにつながります。
 おみやげを売るおかあさんは、フーテンの寅さんのような口上(こうじょう)です。聞いていて楽しい気分になれました。

 お天気が良くて雰囲気も明るい。深い雪で暗い青森ではありません。

 立佞武多(たちねぶた)の館(やかた)も行ったことがあるのでなつかしかった。

 まわりの人たちは、ヤバいよヤバいよの連呼です。

 デイサービスセンター「竹山荘(ちくざんそう)」の発見は、ゲストがカンニング竹山さんだったので、ヒットでした。お年寄りの皆さんが元気になりました。

 めっちゃおもしろかったのは、芦野公園で、熱々のみそコンニャクをおでこやほっぺたにあてる芸でした。

 弘前城のバイクとか、お化け屋敷のシーンも良かった。

 岩木山が美しい。

 八甲田山のロープウェイ乗り場も二度行ったことがあるのでなつかしかった。

 楽しい思い出づくりのバイク旅でした。  

2021年01月22日

きりぎりす 太宰治

きりぎりす 太宰治 新潮文庫

 14本の短編がおさめられていますが、タイトルの「きりぎりす」に惹かれたので、きりぎりすだけを読んで感想を書きます。1942年(昭和17年)6月の作品です。
 イソップ寓話(ぐうわ。擬人化された話)の「アリとキリギリス」が思い浮かんだのです。

 人間には二面性があって、表の顔と裏の顔がある。仕事の場などでは、人はたいてい表の顔だけを見せ合って、社会生活を送っている。
 太宰治作品は、人間の裏の顔を描き出して、人間とは何かを導きだそうとしている。

 19才で売れない画家志望の男と見合い結婚をして、現在24才になった女性が、夫に別れを告げる内容の手紙のような形式で文章が始まりました。結婚生活5年目で秋風が吹いています。
 彼女は夫を、無口か、人が言ったことを真似するだけの人と分析しています。
 
 女ことばの手紙、あるいは、語りで、太宰治氏が女性にのりうつっている方式の文章です。「おわかれ致します」から始まります。自分の意思で男性を選んで、両親が望まない結婚をした女性が、5年後、夫に別れを告げるような状況設定です。
 読んでいると、自分はあなたの妻というよりも、ひとりの男の身の回りその他のお世話人という位置づけですという主張があります。(この主張は作品ができてから何十年もたった今でも通用することです。男は妻を自分の身のまわりの世話をしてくれる母と勘違いすることがあります。当然もめます)
 ほかにもっといい見合い話があったけれど、ほかの男性を断って、わざわざあなたを選んだともあります。ただどうも、別れたい理由は金銭的な理由ではありません。
 画家志望だったご主人は、結婚した当時は、画家としては売れていなかったけれど、結婚して5年が経過して、彼はなかなかの有名人の画家にまで出世して、人からは「先生」と呼ばれるまでになっています。だけど、奥さんはそんなご主人が嫌になったのです。今の生活は、お金があってなんでも買えるけれど、心の中は「虚無」だそうです。
 
 美術売買の世界は作品の質というよりも、関係者の人間関係でお金が動く社会と受け取れる雰囲気の記述内容があります。
 年賀状を300枚も刷らされたと奥さんは愚痴をこぼしています。いつの間にこんなに知り合いが増えたのか。有名芸能人の奥さんのような感じもします。慶長儀礼の物の量が一般的な量ではなく、大量で奥さんにとっては負担です。
 
 夫が、妻の財布の中身を妻の了解もなく調べます。

 夫婦には会話がなかった。お互いに裏の顔を見せて話し合うことがなかった。妻に言い分がありますが、夫にもあるだろうと思います。
 
 妻は夫を「わがままな楽天家」と批評します。夫は成功者になったけれど、人間として見損なったそうです。

 士族、平民、華族という単語も出てきます。夫は、妻が平民出身なのに士族の出身と人にうそをつきます。夫に身分差別意識があります。

 夫はお金に魂を奪われたようです。
 妻は夫を気違いと言います。

 読後の感想です。
 妻は、気持ちのうえでは夫と別れるけれど、夫に扶養されて生活していかなければならないので、表向きは夫婦の形でいると決めているのだろうと考えました。だからだれにも送らない手紙という形で文章を書いて、夫に関するストレスを解消しているのです。
  
 調べた言葉などとして、
 鹿爪らしく(しかつめらしく):まじめくさっていて、堅苦しい。
 モオパスサン:フランスの作家。1850年-1893年 42歳没  

Posted by 熊太郎 at 06:51Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2021年01月21日

太川&蛭子ローカル路線バス乗継の旅 御殿場から直江津 DVD

太川陽介&蛭子能収ローカル路線バス乗継の旅 第18弾 静岡県御殿場から新潟県直江津 ロケ2014年8月19日-同月22日 DVD

 前半は、けっこう穏やかで静かに淡々と進んで行きます。最近の番組にある鉄道との競争方式とか、陣取り対決方式と比べて平和です。されど、後半では路線がつながらず苦難の旅でした。
 マドンナゲストは、野村真美さんでした。登山が趣味だそうでなかなか健脚で明るいお人柄の女性でした。

 蛭子能収(えびすよしかず)さん語録です。
 (泉ピン子さんに対して)以前テレビ番組でいっしょになったときひどく叱られた。あの人(オレに)ぜったい愛情ないと思う。
 (マドンナにこどものころなにか運動をやっていたかと聞かれて)「剣道部に入ったけれどすぐやめた。痛くて」
 「(長野県内で太川さんが)川中島だよ」「(えびすさんが)源氏と平家だったっけ?」
 三人がバスの発車まであと30秒しかなくて、案内所の女性係員さんの協力もあって、バスに飛び乗ったときには、すごい!と思わず声が出ました。
<映像を見ていて、なんてめんどくさい旅のしかたなのだろうと思いました。車だったら短時間で行けるところへ気が遠くなる苦労をして行き着きます>
 「(太川さんがえびすさんに)楽観的にはなれない」「(えびすさんが)そうなんだ。じゃっかんてきではだめなんだ」
 「(えびすさんがズッキーニ(きゅうりに似たウリ)を食べながら)おいしいメロンだ」
 「(太川さんがえびすさんに)われわれは今回どこから出発したでしょーか?」「(えびすさんが)五反田。あれ、ちがうか」御殿場が正解です。
 
 知らない土地でバスに乗るのは、乗り方がわからないので勇気がいります。

 雷と突然の大粒の雨、後半はえびすさんが何度ももう今回のゴールは無理だと繰り返しますが、そのあとドラマチックな展開になってバス旅は成功します。午後8時6分に直江津に到着しました。お疲れさまでした。撮影隊もたいへんだったことでしょう。あ疲れさまでした。

 昔は「直江津市(なおえつし)」がありましたが、1971年に上越市になっていることを今回調べて知りました。
 
 映像にあった長野県白樺湖あたりは夏にキャンプで何度か行ったことがあるので地理的にわかりやすかった。そこから北はよくわかりませんでした。新潟県の日本海側沿岸は観光バス旅行で通ったことがあるのでなんとなくわかります。太川さんたちはすごいなあ。  

2021年01月20日

はじめてであう すうがくの絵本1・2・3 安野光雅

はじめてであう すうがくの絵本1・2・3 安野光雅(あんのみつまさ) 福音館書店

 書評でおすすめのこどもさん向け絵本とありましたので読み始めました。
 三冊でワンセットです。
 著者の方は94歳でご存命です。
 長生きで安心しました。あやかりたい。(同じようになりたい)<偶然ですが、この文章をつくったあと、日にちが経ってから、昨年末にお亡くなりになっていたことを新聞記事やテレビの報道で知りました>
 今年読んでよかった本です。

「はじめてであう すうがくの絵本 1 なかまはずれ ふしぎなのり じゅんばん せいくらべ」
 へーぇ。おもしろい。ものごとの考え方、感じ方の本です。
 考える。考える。考える。
 けっこうむずかしい問題もあります。
 知能テストのようです。
 小学校低学年向けの頭の体操です。
 絵にあるテレビが昔の4本足で、ぶ厚いブラウン管式テレビでなつかしかった。1982年が初版の絵本です。
 どのページをめくってもおもしろい。
 数学だけど、社会生活の勉強にもつながっています。
 なるほどの連続でした。
 科学の実験のようでもある。

「はじめてであう 数学の絵本 2 ふしぎなきかい くらべてかんがえる てんてん…… かずのだんご みずをかぞえる」
 映写機のような機械が出てきます。入口と出口があって、どちらの口も入口と出口になりえます。
 質問の意味がわからず答えが思い浮かばないページもありました。10ページのところ、それから、くらべてかんがえるの26ページもわかりませんでした。
 二枚を並べて比較して間違いさがしが楽しかった。
 「てんてん……」では、ものは「点」でできていることがよーくわかりました。点に色が付くとさらにきれいです。
 さし絵がきれいです。
 「かずのだんご」では、「関連」について学びます。
 十進法もあります。
 あとがきにある1792年(江戸時代、アメリカやロシアが船で来て江戸幕府に通商を迫っていたころ。本居宣長の古事記とか、十辺舎一九じっぺんしゃいっくの東海道中膝栗毛とうかいどうちゅうひざくりげのころ)にフランス測量隊が子午線(しごせん。北極点と南極点を結ぶ線)を計測して地球のまわりの長さを測って長さの単位をつくった。子午線の長さの1000万分の1が「1m」と提案があったの部分の話が記憶に残りました。

「はじめてであう 数学の絵本 3 まほうのくすり きれいなさんかく まよいみち ひだりとみぎ」
 3ページにあるふうせんをふくらませるさし絵がおもしろい。
 まほうのくすりコーナーでは、縦伸ばし、横伸ばし、こどもさんが喜びそうな絵です。比率があります。(比率は、ふたつの数の関係)それから、見方(みかた。位置)を変えて見る。
 きれいなさんかくのコーナーでは、形は三角の組み合わせで表すことができる。第二巻で見たことも含めて、ものは、点と三角形でできている。
 折り紙、切り紙、工作が始まりました。
 まよいみちコーナーは、迷路です。あやとり、ひとふでがきも登場します。デザインが生まれます。
 ひだりとみぎコーナーでは、左と右のページにある絵を見比べて間違いさがしから始まります。二面性、二方向もあります。道案内も登場します。

 あとがきです。トポロジー:図形の位置関係
 感銘を受けた言葉として、「この学問は(三角形に始まる幾何学のこと)、試験のためにあるのではなくて、整合的な美しさが感動に値するものとして、こどもが学びにくるのを待っている」
 こどもさんには、年齢に応じて内容を楽しんでほしい本です。  

Posted by 熊太郎 at 06:57Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2021年01月19日

くものきれまに 木村祐一・作 あべ弘士・絵

くものきれまに 木村裕一・作 あべ弘士・絵 講談社

 第一巻「あらしのよるに」、第二巻「あるはれたひに」ときて、今回が第三巻です。少しずつ読み足していきます。

 最初のページを開いてみて、勝手に、雨がやんで、雲の切れ間から太陽光線が地上に差し込んできたと想像しました。
 文章を読みながら情景を目の前に浮かべます。
 絵は、広い草原で、曲がりくねった一本道が山のふもとへと続いています。

 読みながら、主人公のシロヤギの名前が「メイ」で、彼女の先輩ヤギが「タプ」だとこれまた想像します。
 メイとタプはこのあともよく会話ができます。好感をもちました。よく話して、意思疎通をする心がけは大事です。人間界(ヤギ界ですが)では、誤解が多い。よく話を聴くと真意がようやくわかります。
 
 ふたりがいるところへ、メイの友だちのオオカミが登場するわけですが、話をどんなふうにつくってつなげていくのだろうかと強い興味が湧いてきました。
 オオカミは、メイの先輩の太ったヤギであるタプを食べたくなるでしょう。
 
 おもしろい。オオカミの「ガブ」とふとっちょ先輩ヤギの「タプ」の直接のご対面は避けます。
 でも、お互いにお互いの存在は知っています。お互いにお互いを見かけたのです。
 
 読んでいて、メイが正直にタプに事情を、お話しすればいいのにと思いました。

 泉の水に関する意味のつながりの話の部分がおもしろかった。

 童話の「赤ずきんちゃん」とか「七匹の子ヤギ」を思い出しました。

 良かった言葉として「ひみつのともだち」

 良質なアニメ映画を観たあとのような読後感がありました。
 さわやかな気持ちで読み終えました。
 またしばらくしたら、第四巻の「きりのなかで」を読んでみます。  

Posted by 熊太郎 at 07:19Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2021年01月18日

相棒 映画 X DAY(エックスデイ)DVD

相棒 映画 X DAY(エックスデイ)DVD 2013年公開

 警視庁捜査一課所属の伊丹憲一刑事(川原和久)とサイバー犯罪対策課所属の岩月彬捜査官(田中圭)がペアを組んでけんかしながら殺人事件の犯人に迫る筋立てです。犯罪は、コンピューター管理の銀行情報がらみです。銀行の金融システムの操作を壊そうとする犯罪行為があります。

 シーズン11を先日観終えたところですが、岩月彬捜査官が伊丹憲一刑事を敬愛する理由がこの映画を観てわかりました。

 物語の中では視聴者から見ると、どちらかといえば悪役である内村莞爾(うちむらかんじ)刑事部長(片桐竜次)の熱演が光ります。組織人としての立場を維持するために上層部の意向に従う態度が必死です。

 捜査二課:知能犯対応部署。横領、談合、脱税、贈収賄、選挙違反、詐欺
 組対五課:薬物、銃器の取締り担当部署

 財務省と警察庁長官と刑事部長の雑談です。みんなグル(お仲間)なのねというシーンです。権力を握る組織同士が協力すれば対抗する者に勝ち目がありませんが、伊丹憲一刑事と岩月彬捜査官はがんばりました。

 緊張感がただよう時間が長時間続きます。

 新型ウィルス流行の今この映画を観ていると、金融危機の危機感が実感として湧いてきます。
 国債の発行によるその場の対策資金の調達は、映画にあるような金融破たん(円と株と国債の暴落)を招かずとも、次世代、次々世代に返済が回ります。ウィルス対策がうまくいかず、景気が回復しなければ経済はしぼみます。

 映像では、紙幣(日本銀行券)は「信用」があるから通貨として流通できる。「信用」がなくなれば、紙幣はただの紙くずになってしまうと表現されていました。
 大量のお札が空から地上へと舞い散るシーンがあります。あまりにも派手な映像で、不自然であり、つくりもので、観ていて心に働きかける効果をあまり感じられませんでした。
 最近は、電子マネーが流通する時代に変化して、紙幣や貨幣の使用が少なくなってきているので、紙幣が舞うこの映画も年数が経過するごとに、観ることは過去へのタイムトラベルになるのでしょう。

 映像を観ていると、2013年当時は、CD-ROM、USBメモリが多用されていた時期であったことがわかります。その後、記憶媒体の紛失や盗難、情報の流出などでトラブルが続き、だんだん見かけなくなりました。