2021年01月19日

くものきれまに 木村祐一・作 あべ弘士・絵

くものきれまに 木村裕一・作 あべ弘士・絵 講談社

 第一巻「あらしのよるに」、第二巻「あるはれたひに」ときて、今回が第三巻です。少しずつ読み足していきます。

 最初のページを開いてみて、勝手に、雨がやんで、雲の切れ間から太陽光線が地上に差し込んできたと想像しました。
 文章を読みながら情景を目の前に浮かべます。
 絵は、広い草原で、曲がりくねった一本道が山のふもとへと続いています。

 読みながら、主人公のシロヤギの名前が「メイ」で、彼女の先輩ヤギが「タプ」だとこれまた想像します。
 メイとタプはこのあともよく会話ができます。好感をもちました。よく話して、意思疎通をする心がけは大事です。人間界(ヤギ界ですが)では、誤解が多い。よく話を聴くと真意がようやくわかります。
 
 ふたりがいるところへ、メイの友だちのオオカミが登場するわけですが、話をどんなふうにつくってつなげていくのだろうかと強い興味が湧いてきました。
 オオカミは、メイの先輩の太ったヤギであるタプを食べたくなるでしょう。
 
 おもしろい。オオカミの「ガブ」とふとっちょ先輩ヤギの「タプ」の直接のご対面は避けます。
 でも、お互いにお互いの存在は知っています。お互いにお互いを見かけたのです。
 
 読んでいて、メイが正直にタプに事情を、お話しすればいいのにと思いました。

 泉の水に関する意味のつながりの話の部分がおもしろかった。

 童話の「赤ずきんちゃん」とか「七匹の子ヤギ」を思い出しました。

 良かった言葉として「ひみつのともだち」

 良質なアニメ映画を観たあとのような読後感がありました。
 さわやかな気持ちで読み終えました。
 またしばらくしたら、第四巻の「きりのなかで」を読んでみます。

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