2021年01月20日

はじめてであう すうがくの絵本1・2・3 安野光雅

はじめてであう すうがくの絵本1・2・3 安野光雅(あんのみつまさ) 福音館書店

 書評でおすすめのこどもさん向け絵本とありましたので読み始めました。
 三冊でワンセットです。
 著者の方は94歳でご存命です。
 長生きで安心しました。あやかりたい。(同じようになりたい)<偶然ですが、この文章をつくったあと、日にちが経ってから、昨年末にお亡くなりになっていたことを新聞記事やテレビの報道で知りました>
 今年読んでよかった本です。

「はじめてであう すうがくの絵本 1 なかまはずれ ふしぎなのり じゅんばん せいくらべ」
 へーぇ。おもしろい。ものごとの考え方、感じ方の本です。
 考える。考える。考える。
 けっこうむずかしい問題もあります。
 知能テストのようです。
 小学校低学年向けの頭の体操です。
 絵にあるテレビが昔の4本足で、ぶ厚いブラウン管式テレビでなつかしかった。1982年が初版の絵本です。
 どのページをめくってもおもしろい。
 数学だけど、社会生活の勉強にもつながっています。
 なるほどの連続でした。
 科学の実験のようでもある。

「はじめてであう 数学の絵本 2 ふしぎなきかい くらべてかんがえる てんてん…… かずのだんご みずをかぞえる」
 映写機のような機械が出てきます。入口と出口があって、どちらの口も入口と出口になりえます。
 質問の意味がわからず答えが思い浮かばないページもありました。10ページのところ、それから、くらべてかんがえるの26ページもわかりませんでした。
 二枚を並べて比較して間違いさがしが楽しかった。
 「てんてん……」では、ものは「点」でできていることがよーくわかりました。点に色が付くとさらにきれいです。
 さし絵がきれいです。
 「かずのだんご」では、「関連」について学びます。
 十進法もあります。
 あとがきにある1792年(江戸時代、アメリカやロシアが船で来て江戸幕府に通商を迫っていたころ。本居宣長の古事記とか、十辺舎一九じっぺんしゃいっくの東海道中膝栗毛とうかいどうちゅうひざくりげのころ)にフランス測量隊が子午線(しごせん。北極点と南極点を結ぶ線)を計測して地球のまわりの長さを測って長さの単位をつくった。子午線の長さの1000万分の1が「1m」と提案があったの部分の話が記憶に残りました。

「はじめてであう 数学の絵本 3 まほうのくすり きれいなさんかく まよいみち ひだりとみぎ」
 3ページにあるふうせんをふくらませるさし絵がおもしろい。
 まほうのくすりコーナーでは、縦伸ばし、横伸ばし、こどもさんが喜びそうな絵です。比率があります。(比率は、ふたつの数の関係)それから、見方(みかた。位置)を変えて見る。
 きれいなさんかくのコーナーでは、形は三角の組み合わせで表すことができる。第二巻で見たことも含めて、ものは、点と三角形でできている。
 折り紙、切り紙、工作が始まりました。
 まよいみちコーナーは、迷路です。あやとり、ひとふでがきも登場します。デザインが生まれます。
 ひだりとみぎコーナーでは、左と右のページにある絵を見比べて間違いさがしから始まります。二面性、二方向もあります。道案内も登場します。

 あとがきです。トポロジー:図形の位置関係
 感銘を受けた言葉として、「この学問は(三角形に始まる幾何学のこと)、試験のためにあるのではなくて、整合的な美しさが感動に値するものとして、こどもが学びにくるのを待っている」
 こどもさんには、年齢に応じて内容を楽しんでほしい本です。

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