2020年12月24日
(再鑑賞)しあわせの隠れ場所 アメリカ映画DVD
(再鑑賞)しあわせの隠れ場所 アメリカ映画DVD 2009年米国公開
どなたか忘れてしまいましたが、この映画を大好きな女優さんがいて、なんども繰り返し観ていますということをテレビのインタビュー番組で話されていました。
クローゼットを整理していて古いDVDが出てきたので観てみました。
実話とあります。
主人公のマイケル・オワーは、かなりつらい境遇にあります。父親は不明死(転落)、母親は薬物中毒で、マイケルは7歳のときに児童相談所に保護されています。本人にとっては、たぶん大部分が面識のない12人兄弟姉妹(父親違い)がいます。本人は、里親を転々として、映画では高校生から始まっています。巨体ですが、心は優しい。平和主義者で、「お花が好きな牛」と呼ばれています。特技として、運動能力が高い。ただし学校の成績はよくない。
彼は寝るところがない(家がない)から体育館で寝ると言います。体育館は暖かいからという言葉に、うちへ来なさいと声がけをする女性がいます。その後、彼の後見人になるサンドラ・ブロックさんが演じるファミリーは事業家の夫のおかげで裕福です。ご家族は、お金持ちだけど意地悪な人たちではありません。心が広い。夫婦仲も親子の仲も良い。旦那さんが奥さんにいろいろと押されるのですが、旦那さんは、奥さんの要求を受け止めて、受け入れます。言い出したらきかないからという、あきらめもあります。
気持ちのこもった心温かい映画です。
学校の成績がかんばしくないマイケルの家庭教師候補女性が、自分は民主党支持者だが(雇ってもらって)いいのかとたずねます。ちょっとわからなかったのですが、どうも米国は、白人が共和党支持で、有色人種は民主党支持という区別があるようです。この映画には、肌の色の違いによる人種差別はやめようというメッセージがあります。
映画を観ている自分はアメリカンフットボールのルールとか戦法がわからないので、試合シーンはよくわからないのですが、わかる人が観たら興奮できるのでしょう。
アメリカ人が好きなサクセスストーリー(成功物語)です。夢の実現とヒーローの誕生があります。ユーモアもちりばめてあります。
アメリカ人は誇りと勇気を大事にします。映画は後半になるにつれて、小説を読んでいるような雰囲気になってきます。考える素材はシンプルです。
子の養育ができない母親について、人間としてどうなのかという考えにも至ります。実父母がどうすることもできなければ、代わりにどうにかできる人が養育を肩代わりすることは悪いことではないという結論にたどりつきます。
後半、サンドラ・ブロックさんやファミリーが、マイケルを自分たちの欲望(慈善による自己顕示欲)を満足させるための道具として使ったのではないかという疑惑が生まれて関係機関の取り調べがあります。
後見人の女性は、人助けで病的な満足を得るタイプと分析されます。
あわせて、大学への不適正な入学の疑いをかけられます。
マイケルがサンドラ・ブロックさんに投げかけた言葉があります。「ぼくはバカじゃない(他者からの指摘・評価として、ぼくは、あなたの自己満足のために利用されたことになっているがそんなことはない)」そのあと、彼は、自分で自分の意見をはっきりと事情聴取の相手に言葉で表現します。自分の意思でしていることで、(血はつながっていないが)自分はみんなを家族だと思っている。
「家族」という固まりを大事にする映画でした。「家族」は血縁関係で結ばれているのではなく、気持ちで結ばれているのです。
シーンをさかのぼってみると、後見人の手続きを始める前にサンドラ・ブロックさんがマイケルに問いました。
「うちの家族の一員になりたいか?」
ひと呼吸おいて、マイケルが答えます。「もう(家族に)なっていると思っていた」そのシーンがとてもよかった。
(2015年12月のときの感想)
しあわせの隠れ場所 洋画 DVD
使い古しの安いDVDを手に入れて観ているので、たまに調子が悪くなったりします。このDVDでは、1時間ぐらい過ぎたあたりでトラブルになり、画面が動かなくなってしまいました。あれこれやってもだめで、別の部屋にある新しいデッキを使ったら徐々に動くようになりました。その結果、同じシーンを何回か繰り返して観ました。おかげで、最初は理解できなかった最初と最後のシーンがつながることとか、アメリカンフットボールのルール(ほんの少しわかった)、キリスト教の教え、人種差別問題、大学入試制度、奨学金制度、貧困問題などを少し理解し、映画のもつメッセージが伝わってきましした。作り話っぽくあったり、強引であったり、理想主義であったりもしますが、気持ちに響いた今年観てよかった1本です。
家庭と両親に恵まれない、なおかつ、学力も低い、けれども、運動能力は抜群の黒人高校生マイケル・オアー少年をリー・アン・テューイファミリーが支えて一流のアメリカンフットボール選手に育て上げます。
ヒューマン(人道的、人として守るべき道)です。「育てる」ことの苦労と喜びが表現されていました。温かい気持ちになれます。
主役のサンドラ・ブロックさんという女優さんは、「ゼロ・グラビティ(無重力)」を映画館で観ました。宇宙事故で、宇宙でひとりぼっちになった彼女が地球に生還する映画でした。圧巻の演技でした。
ファミリーのなかの少年役がなかなかの芸達者でよかった。笑いました。
主人公の運動能力で特徴的なのは「攻撃」ではなく「保護」です。守る。守備力が高い。それが、家族を守るとか、チームは家族という言葉につながっていきます。
幼年時代・少年時代に貧困や暴力でつらい思いをしたから「忘却すること」によって苦痛を逃れることを覚えた主人公には、過去の記憶がほとんどありません。彼の脳には、ときおりフラッシュバック(嫌な記憶が瞬間的に脳によみがえる)が起こります。
徹底的に守るという性質が、アメリカンフットボールの中にあるなにかのポジションに適しているという設定でした。
どなたか忘れてしまいましたが、この映画を大好きな女優さんがいて、なんども繰り返し観ていますということをテレビのインタビュー番組で話されていました。
クローゼットを整理していて古いDVDが出てきたので観てみました。
実話とあります。
主人公のマイケル・オワーは、かなりつらい境遇にあります。父親は不明死(転落)、母親は薬物中毒で、マイケルは7歳のときに児童相談所に保護されています。本人にとっては、たぶん大部分が面識のない12人兄弟姉妹(父親違い)がいます。本人は、里親を転々として、映画では高校生から始まっています。巨体ですが、心は優しい。平和主義者で、「お花が好きな牛」と呼ばれています。特技として、運動能力が高い。ただし学校の成績はよくない。
彼は寝るところがない(家がない)から体育館で寝ると言います。体育館は暖かいからという言葉に、うちへ来なさいと声がけをする女性がいます。その後、彼の後見人になるサンドラ・ブロックさんが演じるファミリーは事業家の夫のおかげで裕福です。ご家族は、お金持ちだけど意地悪な人たちではありません。心が広い。夫婦仲も親子の仲も良い。旦那さんが奥さんにいろいろと押されるのですが、旦那さんは、奥さんの要求を受け止めて、受け入れます。言い出したらきかないからという、あきらめもあります。
気持ちのこもった心温かい映画です。
学校の成績がかんばしくないマイケルの家庭教師候補女性が、自分は民主党支持者だが(雇ってもらって)いいのかとたずねます。ちょっとわからなかったのですが、どうも米国は、白人が共和党支持で、有色人種は民主党支持という区別があるようです。この映画には、肌の色の違いによる人種差別はやめようというメッセージがあります。
映画を観ている自分はアメリカンフットボールのルールとか戦法がわからないので、試合シーンはよくわからないのですが、わかる人が観たら興奮できるのでしょう。
アメリカ人が好きなサクセスストーリー(成功物語)です。夢の実現とヒーローの誕生があります。ユーモアもちりばめてあります。
アメリカ人は誇りと勇気を大事にします。映画は後半になるにつれて、小説を読んでいるような雰囲気になってきます。考える素材はシンプルです。
子の養育ができない母親について、人間としてどうなのかという考えにも至ります。実父母がどうすることもできなければ、代わりにどうにかできる人が養育を肩代わりすることは悪いことではないという結論にたどりつきます。
後半、サンドラ・ブロックさんやファミリーが、マイケルを自分たちの欲望(慈善による自己顕示欲)を満足させるための道具として使ったのではないかという疑惑が生まれて関係機関の取り調べがあります。
後見人の女性は、人助けで病的な満足を得るタイプと分析されます。
あわせて、大学への不適正な入学の疑いをかけられます。
マイケルがサンドラ・ブロックさんに投げかけた言葉があります。「ぼくはバカじゃない(他者からの指摘・評価として、ぼくは、あなたの自己満足のために利用されたことになっているがそんなことはない)」そのあと、彼は、自分で自分の意見をはっきりと事情聴取の相手に言葉で表現します。自分の意思でしていることで、(血はつながっていないが)自分はみんなを家族だと思っている。
「家族」という固まりを大事にする映画でした。「家族」は血縁関係で結ばれているのではなく、気持ちで結ばれているのです。
シーンをさかのぼってみると、後見人の手続きを始める前にサンドラ・ブロックさんがマイケルに問いました。
「うちの家族の一員になりたいか?」
ひと呼吸おいて、マイケルが答えます。「もう(家族に)なっていると思っていた」そのシーンがとてもよかった。
(2015年12月のときの感想)
しあわせの隠れ場所 洋画 DVD
使い古しの安いDVDを手に入れて観ているので、たまに調子が悪くなったりします。このDVDでは、1時間ぐらい過ぎたあたりでトラブルになり、画面が動かなくなってしまいました。あれこれやってもだめで、別の部屋にある新しいデッキを使ったら徐々に動くようになりました。その結果、同じシーンを何回か繰り返して観ました。おかげで、最初は理解できなかった最初と最後のシーンがつながることとか、アメリカンフットボールのルール(ほんの少しわかった)、キリスト教の教え、人種差別問題、大学入試制度、奨学金制度、貧困問題などを少し理解し、映画のもつメッセージが伝わってきましした。作り話っぽくあったり、強引であったり、理想主義であったりもしますが、気持ちに響いた今年観てよかった1本です。
家庭と両親に恵まれない、なおかつ、学力も低い、けれども、運動能力は抜群の黒人高校生マイケル・オアー少年をリー・アン・テューイファミリーが支えて一流のアメリカンフットボール選手に育て上げます。
ヒューマン(人道的、人として守るべき道)です。「育てる」ことの苦労と喜びが表現されていました。温かい気持ちになれます。
主役のサンドラ・ブロックさんという女優さんは、「ゼロ・グラビティ(無重力)」を映画館で観ました。宇宙事故で、宇宙でひとりぼっちになった彼女が地球に生還する映画でした。圧巻の演技でした。
ファミリーのなかの少年役がなかなかの芸達者でよかった。笑いました。
主人公の運動能力で特徴的なのは「攻撃」ではなく「保護」です。守る。守備力が高い。それが、家族を守るとか、チームは家族という言葉につながっていきます。
幼年時代・少年時代に貧困や暴力でつらい思いをしたから「忘却すること」によって苦痛を逃れることを覚えた主人公には、過去の記憶がほとんどありません。彼の脳には、ときおりフラッシュバック(嫌な記憶が瞬間的に脳によみがえる)が起こります。
徹底的に守るという性質が、アメリカンフットボールの中にあるなにかのポジションに適しているという設定でした。
2020年12月23日
出川哲朗充電バイクの旅 長崎県五島列島
出川哲朗充電バイクの旅 長崎県五島列島 2018年分再編集
ゲストは結婚、出産前の菊地亜美さんです。
ちゃんぽん屋の少年がよかった。よくしつけられています。お茶出しの姿に感心しました。いいやつです。
漁村の狭い路地を歩くタレントさんたちの姿を見て、芸能人がすごいところに行ったものだという印象をもちました。ふつうあり得ない映像です。
94歳のおばあちゃんのお元気な姿に驚かされました。生まれてからずっと五島列島で島暮らしをしている。東京へは行ったことがない。東京へは行ったことはないが、ハワイには行ったことがある。88歳米寿の祝いにハワイに行ったとお話しされて、またまた驚かされました。「いまが一番幸せ」というお言葉にはほっとするものがありました。自分でほうきをつくって、干し大根をつくってという生活をされていました。
2018年のことなので、韓国人観光客ツアーの人たちが映っていました。政治的なことで国と国との対立構図ができてしまっていますが、未来に向かって現代の時代に生きる者としては、異常な状態を乗り越えて、また元に戻ってほしいものです。
菊地亜美さんを小学生たちが囲んでの仮想結婚記者会見のようすが楽しくおもしろかった。
夕日の映像が完ぺきな状態で撮れなかったのは、しかたがないでしょう。旅にトラブルはつきものです。思いどおりにはいかないこともあります。
ゲストは結婚、出産前の菊地亜美さんです。
ちゃんぽん屋の少年がよかった。よくしつけられています。お茶出しの姿に感心しました。いいやつです。
漁村の狭い路地を歩くタレントさんたちの姿を見て、芸能人がすごいところに行ったものだという印象をもちました。ふつうあり得ない映像です。
94歳のおばあちゃんのお元気な姿に驚かされました。生まれてからずっと五島列島で島暮らしをしている。東京へは行ったことがない。東京へは行ったことはないが、ハワイには行ったことがある。88歳米寿の祝いにハワイに行ったとお話しされて、またまた驚かされました。「いまが一番幸せ」というお言葉にはほっとするものがありました。自分でほうきをつくって、干し大根をつくってという生活をされていました。
2018年のことなので、韓国人観光客ツアーの人たちが映っていました。政治的なことで国と国との対立構図ができてしまっていますが、未来に向かって現代の時代に生きる者としては、異常な状態を乗り越えて、また元に戻ってほしいものです。
菊地亜美さんを小学生たちが囲んでの仮想結婚記者会見のようすが楽しくおもしろかった。
夕日の映像が完ぺきな状態で撮れなかったのは、しかたがないでしょう。旅にトラブルはつきものです。思いどおりにはいかないこともあります。
2020年12月22日
ボッコちゃん 星新一
ボッコちゃん 星新一 新潮文庫
50本のショートショートです。
作者によるあとがきの日付は、昭和46年3月となっています。1971年です。
1本が6ページほどの短文です。
01「悪魔」
人間のもつ悪意と底なしの物欲を上手に表現してあります。
02「ボッコちゃん」
美人のホステスロボットが、「ボッコちゃん」です。それほど精巧にはできていません。
どうも、この作品集の作品には人間の優しさはないようです。冷徹なまでに人間の悪い心をみつめている作品群が始まった予感があります。
03「おーい でてこーい」
穴ができたのですが、穴の底があるのかないのかわからないぐらい深いのです。
人間はその穴にありとあらゆるものを捨てます。原子力発電の核廃棄物、伝染病実験後の動物の死体、犯罪者による証拠物件の投棄、人間にとって不都合なものばかりです。
オチは、ちょっと理解できませんでした。
04「殺し屋ですのよ」
うらみの相手を病死させる殺し屋が登場します。殺し屋は力の無さそうな女性です。とても殺し屋には見えません。
話のつくりがうまい。
詐欺です。
05「来訪者」
宇宙人が地球を訪れました。地球人はとまどいます。
ラストで、すごいなあ。
多視眼的なものの見え方でした。
06「変な薬」
こちらは同作者の「きまぐれロボット」で読みました。仮病を使って仕事をずる休みするときなどに使用する薬のことです。
07「月の光」
15歳の混血少女をペット扱いする作品で少々気味が悪い。飼い主の男性が自動車事故で亡くなってしまいました。残された召使い70歳ぐらいの男性が困ります。怪談話のようでした。
08「包囲」
駅のプラットホームで何者かが背中を押して殺されそうになります。被害者は押した相手を捕まえて問い詰めますが、依頼殺人であることがわかります。殺人を依頼した人間を探してたどっていくのですが……。ねずみ算方式です。ユーモラスです。そうとう人からうらまれている主人公男性でした。
09「ツキ計画」
人間に動物がとりつく。憑依する(ひょういする)ことを利用した宇宙計画です。ひとりの男性記者が研究所で取材をしています。ネコ、ヒツジ、ゾウ、いろいろな動物が人間にとりついています。オチはあまりおもしろくなかった。ちょっと汚い話で終わりました。
10「暑さ」
暑い夏の日のことです。もしかしたら自分はもうすぐなにかをやらかすかもしれないというおとなしそうな若い男が交番にやってきます。
この本は昭和46年ころのものですが、その当時は交番勤務の警察官が襲われるということは聞いたことがなかったように思います。それが、平成、令和の時代になったら現実のものとなりました。
物語では警察官は標的ではありませんでしたが、とてもおそろしい話でした。
11「約束」
宇宙人とこどもたちが出会います。両者が約束を交わします。
ありがちな話です。歳月が流れて、純粋だったこどもは、汚れた心をもつ中年男になっていました。
12「猫と鼠(ねずみ)」
借金の取り立て人登場かと思ったら、ゆすりたかりの類(たぐい)でした。
ある男が殺人をおかして、事件の目撃者にゆすられ、たかられます。
話が二重らせん構造になっています。
この本は、発想の宝庫です。
13「不眠症」
交通事故に遭って、眠れなくなった男性がいます。
ゆえに、昼は会社で働いて、夜は同じ会社で夜間警備員を始めました。ダブルワークで収入増です。
オチはおもしろかった。
14「生活維持者」
役所勤めの男性二人の仕事です。車で外回りです。
どうもこの時代は世の中が平和らしい。もめごとなく快適に暮らせる環境ができあがっているそうです。
平和を維持していくために「必要悪」がひとつあるそうです。それは、もはや「悪」ではないそうです。
かなりシビアです。(非常に厳しく過酷)
超管理社会で「死」の時期までものが決められています。物語は、最後の一歩手前のところまでがよかった。
15「悲しむべきこと」
サンタクロースが困っています。いろいろ配りすぎて、物はなくなり、自分の財産も尽きてしまいました。だから、泥棒を始めることにしたそうです。
人間のもつ悪意がふたつあって、ひとつは一般大衆がもつもの、そしてもうひとつは個人がもつものということがふくめられている作品でした。
16「年賀の客」
生まれ変わりのお話です。昔お金の無心をしてきた男にお金を貸さなかったら、その男から生まれ変わってあなたに迷惑をかけてやると言われたお金持ちのご老人がいます。
おもしろい。
その彼の生まれ変わりは身内だったというお話です。
17「ねらわれた星」
地球人が宇宙人の先進技術で攻撃されました。でも地球人は死にません。ほぅ。なるほど。
18「冬の蝶」
調べた言葉として、「九曜星:インド天文学9個の天体。日・月・火・水・木・金・土+らご、けいと」
未来の快適な家です。外は冬景色でも室内は春のようです。花が咲き、蝶がいます。ペットの猿も出てきます。
ちょっと趣旨がわかりませんでした。
19「デラックスな金庫」
全財産をつぎ込んで豪華な大金庫がつくられました。あるひ金庫目当ての泥棒が入ってきました。
予想できたオチでした。
調べた言葉として「ためつすがめつ(眺め):いろいろな方向からじっとよく見る」
20「鏡」
13日の金曜日、鏡を使って「小さな悪魔」を捕まえた夫婦です。夫婦は悪魔をいじめぬきます。どういうわけか気弱な悪魔くんです。
悲しい結末が待ち受けています。いじめでストレス解消をして自滅していく人のお話です。
21「誘拐」
博士のこども、まだ1歳ぐらいのあかちゃんが誘拐されてしまいました。
予想していたオチよりももっとすごいオチでした。びっくりしました。
22「親善キッス」
地球からの親善使節団がチル惑星を親善訪問です。下心のある地球人メンバーは、チル惑星人の女性たちとキッスをしようと図り事をします。そのとおりになるのですが、思いがけない結果が待ち受けています。おもしろい。こういう発想があるのか。常識にとらわれているとこの発想にはたどり着けません。
23「マネー・エイジ」
昭和46年(1971年)当時からみた未来社会です。
なんでもお金でけりをつける社会です。(物事に結末をつける)
賄賂社会でもあります。(権限がある者に金を渡して自分に有利に話をまとめる)
24「雄大な計画」
ライバル企業から情報を得るための産業スパイとしての就職試験合格者がいます。彼がライバル企業で出世するのを待って、こちらの会社に呼び戻すプランです。
そうはうまくはいかないわけで、作品としての出来はよくなかった。
25「人類愛」
宇宙救助隊の隊員が遭難した人物を救助に向かいます。
そのうち、その相手が、自分の妻の浮気相手であることが判明します。助けるのか?
そりゃそうかもという結論でした。
26「ゆきとどいた生活」
未来の家です。マジックハンドで次々と便利に事が運びます。
薬品セットが完備されています。(現代のサプリメントを思い浮かべて、半世紀前の予想があたっていると思いました)
人間の生活がマシーンに管理されています。通勤は、繭型のカプセルのような乗り物で、パイプ道路を通って会社まで行けます。(この点はリモートワークになりました)
ラストは冷えています。すでに亡くなっているのに会社に届けられたT氏でした。
27「闇の眼(やみのめ)」
最後はぞっとします。
夫婦とこどもがいます。坊やがどうも変です。闇のなかでも物体を認識できる能力をもっています。だけど、坊やを外の出すことができません。フクロウのようなものかと思いながら読んでいました。
鍵を握る文節として、「すぐれていることが不幸なのだよ。世の中ではひとと同じであることが幸福なんだ」
28「気前のいい家」
強盗が入りました。
ユーモアたっぷりの防犯装置でした。
29「追い越し」
ドンファン:プレイボーイ、好色漢、女たらし
彼女は新しい女性をと次々と変える男がいます。
そういうことかと納得しました。
ふられた女性が自殺したのですが、その彼女の彼への復讐でした。彼はおだぶつしました。
30「妖精」
19歳の少女が家にいます。外は春です。
ちいさな女の子の妖精が現れました。
少女はあれこれと妖精におねだりします。
ちょっとからぶりのような作品でした。
31「波状攻撃」
火災保険サギです。保険金を偽装の火事で手に入れようという勧誘がありました。
昭和46年(1971年)ころの発想です。現代にありがちな特殊詐欺です。
32「ある研究」
読み終えて、「そうか、原始時代の設定だったのか」とはたと気づきました。
33「プレゼント」
おそらく地球で核戦争が起こっています。そんな地球へ宇宙人がプレゼントを送りました。
すごい発想でした。
ガリバー旅行記を思い出しました。
34「肩の上の秘書」
未来人は自分では相手にしゃべりません。未来人の全員の方の上にロボットのインコがのっていて、インコがしゃべるのです。人間のいやらしい本音をインコがあたりさわりのない言葉に変換して相手に話します。
人間の心の裏表を表現してある作品です。
35「被害」
調べた言葉として、「おめおめ引きかえす:恥ずべきことと知りながらそのまま」「言を左右にする(げんをさゆうにする):はっきりしたことを言わずにその場をごまかす」
強盗が入りました。結論は、おもしろい。愉快でした。
36「なぞめいた女」
警察に保護された記憶喪失の女性です。
しっかりした女性でした。
37「キツツキ計画」
これは別の本で読んだことがあります。「きまぐれロボット」でした。
悪人は自分がした悪事を公表して救済を求めることができません。
38「診断」
入院中の若い男が院長との面談を望んでいますが、これまでにも何度も面談を重ねています。本人の主張は叔父さんと院長が組んで、自分を強制的に精神病として入院させているというものです。叔父らの目的は、若い男が相続で得た多額の財産です。
最後まで読みましたが半分ぐらいしか内容を理解できませんでした。
39「意気投合」
探検隊が未知の星に到着します。その星の住人たちは歓迎してくれているようです。みな喜んでいます。
そうはいかないのがショートショートです。盗みの話がけっこう多い題材のこの本です。
40「程度の問題」
スパイとしてある国の首都に到着したエヌ氏です。
彼は神経質すぎてスパイに向かないスパイでした。
最後は笑いで終わりました。
41「愛用の時計」
いいお話でした。時計の恩返しです。
42「特許の品」
誤って地球に届いたなにかの設計図です。
宇宙人が特許権を主張するのですが、ピンとこない作品でした。
43「おみやげ」
まだ人類が誕生する前の時代に地球にやってきた宇宙人が、高度な人類になったときに発見して活用できるものを金属カプセルに入れて砂漠に置きます。
永い歳月の後に、人類が進化して、宇宙人が置いていったカプセルを開くことができるようになるのですが、宇宙人の思いはかないません。
反戦のメッセージがあるショートショートでした。
44「欲望の城」
楽しい夢をみる男性がいます。自分の部屋に望むものがすべてそろっていく夢です。
話の趣旨がよくわからないのですが、たぶん、登場する彼は、心の病気なのでしょう。
45「盗んだ書類」
泥棒登場。薬の研究所です。
平和な社会をもたらしてくれる薬でした。
46「よごれている本」
「眼(め)」が空中に浮いています。
魔法が関係しているようです。
ふーむ。神秘的でした。
47「白い記憶」
病院に急患のふたりが運び込まれました。お互いにぶつかったらしい。
おざなり:いいかげん
コメディでした。おもしろかった。
48「冬きたりなば」
きたりなば:来たならば
広告だらけの宇宙船が飛び続けています。
発明や研究のためには多額のお金が必要です。
なにか、江戸時代末期の黒船来訪を思い出します。貿易交渉です。
うーむ。宇宙は規模が大きすぎる。
49「なぞの青年」
都会にこどもたちが遊ぶ小公園がほしい。あわせて、経済的に困っている老人を助けてほしい。
篤志家のような青年が現れます。(社会奉仕を実行する人)
そういう結末か。妙に納得できました。
50「最後の地球人」
世界人口が急増しているそうです。(作品がつくられた1970年頃、少子高齢化という言葉はまだ誕生していなかったようです)移住先は地球以外の星です。
読み続けていくと、作品内では、高齢化は予想されています。
少子化は、出産数の制限で実現されています。夫婦一組につきこどもひとりです。
この一本はページ数の長い作品でした。映画を観たあとのような雰囲気です。「光あれ」古事記のような。
50本のショートショートです。
作者によるあとがきの日付は、昭和46年3月となっています。1971年です。
1本が6ページほどの短文です。
01「悪魔」
人間のもつ悪意と底なしの物欲を上手に表現してあります。
02「ボッコちゃん」
美人のホステスロボットが、「ボッコちゃん」です。それほど精巧にはできていません。
どうも、この作品集の作品には人間の優しさはないようです。冷徹なまでに人間の悪い心をみつめている作品群が始まった予感があります。
03「おーい でてこーい」
穴ができたのですが、穴の底があるのかないのかわからないぐらい深いのです。
人間はその穴にありとあらゆるものを捨てます。原子力発電の核廃棄物、伝染病実験後の動物の死体、犯罪者による証拠物件の投棄、人間にとって不都合なものばかりです。
オチは、ちょっと理解できませんでした。
04「殺し屋ですのよ」
うらみの相手を病死させる殺し屋が登場します。殺し屋は力の無さそうな女性です。とても殺し屋には見えません。
話のつくりがうまい。
詐欺です。
05「来訪者」
宇宙人が地球を訪れました。地球人はとまどいます。
ラストで、すごいなあ。
多視眼的なものの見え方でした。
06「変な薬」
こちらは同作者の「きまぐれロボット」で読みました。仮病を使って仕事をずる休みするときなどに使用する薬のことです。
07「月の光」
15歳の混血少女をペット扱いする作品で少々気味が悪い。飼い主の男性が自動車事故で亡くなってしまいました。残された召使い70歳ぐらいの男性が困ります。怪談話のようでした。
08「包囲」
駅のプラットホームで何者かが背中を押して殺されそうになります。被害者は押した相手を捕まえて問い詰めますが、依頼殺人であることがわかります。殺人を依頼した人間を探してたどっていくのですが……。ねずみ算方式です。ユーモラスです。そうとう人からうらまれている主人公男性でした。
09「ツキ計画」
人間に動物がとりつく。憑依する(ひょういする)ことを利用した宇宙計画です。ひとりの男性記者が研究所で取材をしています。ネコ、ヒツジ、ゾウ、いろいろな動物が人間にとりついています。オチはあまりおもしろくなかった。ちょっと汚い話で終わりました。
10「暑さ」
暑い夏の日のことです。もしかしたら自分はもうすぐなにかをやらかすかもしれないというおとなしそうな若い男が交番にやってきます。
この本は昭和46年ころのものですが、その当時は交番勤務の警察官が襲われるということは聞いたことがなかったように思います。それが、平成、令和の時代になったら現実のものとなりました。
物語では警察官は標的ではありませんでしたが、とてもおそろしい話でした。
11「約束」
宇宙人とこどもたちが出会います。両者が約束を交わします。
ありがちな話です。歳月が流れて、純粋だったこどもは、汚れた心をもつ中年男になっていました。
12「猫と鼠(ねずみ)」
借金の取り立て人登場かと思ったら、ゆすりたかりの類(たぐい)でした。
ある男が殺人をおかして、事件の目撃者にゆすられ、たかられます。
話が二重らせん構造になっています。
この本は、発想の宝庫です。
13「不眠症」
交通事故に遭って、眠れなくなった男性がいます。
ゆえに、昼は会社で働いて、夜は同じ会社で夜間警備員を始めました。ダブルワークで収入増です。
オチはおもしろかった。
14「生活維持者」
役所勤めの男性二人の仕事です。車で外回りです。
どうもこの時代は世の中が平和らしい。もめごとなく快適に暮らせる環境ができあがっているそうです。
平和を維持していくために「必要悪」がひとつあるそうです。それは、もはや「悪」ではないそうです。
かなりシビアです。(非常に厳しく過酷)
超管理社会で「死」の時期までものが決められています。物語は、最後の一歩手前のところまでがよかった。
15「悲しむべきこと」
サンタクロースが困っています。いろいろ配りすぎて、物はなくなり、自分の財産も尽きてしまいました。だから、泥棒を始めることにしたそうです。
人間のもつ悪意がふたつあって、ひとつは一般大衆がもつもの、そしてもうひとつは個人がもつものということがふくめられている作品でした。
16「年賀の客」
生まれ変わりのお話です。昔お金の無心をしてきた男にお金を貸さなかったら、その男から生まれ変わってあなたに迷惑をかけてやると言われたお金持ちのご老人がいます。
おもしろい。
その彼の生まれ変わりは身内だったというお話です。
17「ねらわれた星」
地球人が宇宙人の先進技術で攻撃されました。でも地球人は死にません。ほぅ。なるほど。
18「冬の蝶」
調べた言葉として、「九曜星:インド天文学9個の天体。日・月・火・水・木・金・土+らご、けいと」
未来の快適な家です。外は冬景色でも室内は春のようです。花が咲き、蝶がいます。ペットの猿も出てきます。
ちょっと趣旨がわかりませんでした。
19「デラックスな金庫」
全財産をつぎ込んで豪華な大金庫がつくられました。あるひ金庫目当ての泥棒が入ってきました。
予想できたオチでした。
調べた言葉として「ためつすがめつ(眺め):いろいろな方向からじっとよく見る」
20「鏡」
13日の金曜日、鏡を使って「小さな悪魔」を捕まえた夫婦です。夫婦は悪魔をいじめぬきます。どういうわけか気弱な悪魔くんです。
悲しい結末が待ち受けています。いじめでストレス解消をして自滅していく人のお話です。
21「誘拐」
博士のこども、まだ1歳ぐらいのあかちゃんが誘拐されてしまいました。
予想していたオチよりももっとすごいオチでした。びっくりしました。
22「親善キッス」
地球からの親善使節団がチル惑星を親善訪問です。下心のある地球人メンバーは、チル惑星人の女性たちとキッスをしようと図り事をします。そのとおりになるのですが、思いがけない結果が待ち受けています。おもしろい。こういう発想があるのか。常識にとらわれているとこの発想にはたどり着けません。
23「マネー・エイジ」
昭和46年(1971年)当時からみた未来社会です。
なんでもお金でけりをつける社会です。(物事に結末をつける)
賄賂社会でもあります。(権限がある者に金を渡して自分に有利に話をまとめる)
24「雄大な計画」
ライバル企業から情報を得るための産業スパイとしての就職試験合格者がいます。彼がライバル企業で出世するのを待って、こちらの会社に呼び戻すプランです。
そうはうまくはいかないわけで、作品としての出来はよくなかった。
25「人類愛」
宇宙救助隊の隊員が遭難した人物を救助に向かいます。
そのうち、その相手が、自分の妻の浮気相手であることが判明します。助けるのか?
そりゃそうかもという結論でした。
26「ゆきとどいた生活」
未来の家です。マジックハンドで次々と便利に事が運びます。
薬品セットが完備されています。(現代のサプリメントを思い浮かべて、半世紀前の予想があたっていると思いました)
人間の生活がマシーンに管理されています。通勤は、繭型のカプセルのような乗り物で、パイプ道路を通って会社まで行けます。(この点はリモートワークになりました)
ラストは冷えています。すでに亡くなっているのに会社に届けられたT氏でした。
27「闇の眼(やみのめ)」
最後はぞっとします。
夫婦とこどもがいます。坊やがどうも変です。闇のなかでも物体を認識できる能力をもっています。だけど、坊やを外の出すことができません。フクロウのようなものかと思いながら読んでいました。
鍵を握る文節として、「すぐれていることが不幸なのだよ。世の中ではひとと同じであることが幸福なんだ」
28「気前のいい家」
強盗が入りました。
ユーモアたっぷりの防犯装置でした。
29「追い越し」
ドンファン:プレイボーイ、好色漢、女たらし
彼女は新しい女性をと次々と変える男がいます。
そういうことかと納得しました。
ふられた女性が自殺したのですが、その彼女の彼への復讐でした。彼はおだぶつしました。
30「妖精」
19歳の少女が家にいます。外は春です。
ちいさな女の子の妖精が現れました。
少女はあれこれと妖精におねだりします。
ちょっとからぶりのような作品でした。
31「波状攻撃」
火災保険サギです。保険金を偽装の火事で手に入れようという勧誘がありました。
昭和46年(1971年)ころの発想です。現代にありがちな特殊詐欺です。
32「ある研究」
読み終えて、「そうか、原始時代の設定だったのか」とはたと気づきました。
33「プレゼント」
おそらく地球で核戦争が起こっています。そんな地球へ宇宙人がプレゼントを送りました。
すごい発想でした。
ガリバー旅行記を思い出しました。
34「肩の上の秘書」
未来人は自分では相手にしゃべりません。未来人の全員の方の上にロボットのインコがのっていて、インコがしゃべるのです。人間のいやらしい本音をインコがあたりさわりのない言葉に変換して相手に話します。
人間の心の裏表を表現してある作品です。
35「被害」
調べた言葉として、「おめおめ引きかえす:恥ずべきことと知りながらそのまま」「言を左右にする(げんをさゆうにする):はっきりしたことを言わずにその場をごまかす」
強盗が入りました。結論は、おもしろい。愉快でした。
36「なぞめいた女」
警察に保護された記憶喪失の女性です。
しっかりした女性でした。
37「キツツキ計画」
これは別の本で読んだことがあります。「きまぐれロボット」でした。
悪人は自分がした悪事を公表して救済を求めることができません。
38「診断」
入院中の若い男が院長との面談を望んでいますが、これまでにも何度も面談を重ねています。本人の主張は叔父さんと院長が組んで、自分を強制的に精神病として入院させているというものです。叔父らの目的は、若い男が相続で得た多額の財産です。
最後まで読みましたが半分ぐらいしか内容を理解できませんでした。
39「意気投合」
探検隊が未知の星に到着します。その星の住人たちは歓迎してくれているようです。みな喜んでいます。
そうはいかないのがショートショートです。盗みの話がけっこう多い題材のこの本です。
40「程度の問題」
スパイとしてある国の首都に到着したエヌ氏です。
彼は神経質すぎてスパイに向かないスパイでした。
最後は笑いで終わりました。
41「愛用の時計」
いいお話でした。時計の恩返しです。
42「特許の品」
誤って地球に届いたなにかの設計図です。
宇宙人が特許権を主張するのですが、ピンとこない作品でした。
43「おみやげ」
まだ人類が誕生する前の時代に地球にやってきた宇宙人が、高度な人類になったときに発見して活用できるものを金属カプセルに入れて砂漠に置きます。
永い歳月の後に、人類が進化して、宇宙人が置いていったカプセルを開くことができるようになるのですが、宇宙人の思いはかないません。
反戦のメッセージがあるショートショートでした。
44「欲望の城」
楽しい夢をみる男性がいます。自分の部屋に望むものがすべてそろっていく夢です。
話の趣旨がよくわからないのですが、たぶん、登場する彼は、心の病気なのでしょう。
45「盗んだ書類」
泥棒登場。薬の研究所です。
平和な社会をもたらしてくれる薬でした。
46「よごれている本」
「眼(め)」が空中に浮いています。
魔法が関係しているようです。
ふーむ。神秘的でした。
47「白い記憶」
病院に急患のふたりが運び込まれました。お互いにぶつかったらしい。
おざなり:いいかげん
コメディでした。おもしろかった。
48「冬きたりなば」
きたりなば:来たならば
広告だらけの宇宙船が飛び続けています。
発明や研究のためには多額のお金が必要です。
なにか、江戸時代末期の黒船来訪を思い出します。貿易交渉です。
うーむ。宇宙は規模が大きすぎる。
49「なぞの青年」
都会にこどもたちが遊ぶ小公園がほしい。あわせて、経済的に困っている老人を助けてほしい。
篤志家のような青年が現れます。(社会奉仕を実行する人)
そういう結末か。妙に納得できました。
50「最後の地球人」
世界人口が急増しているそうです。(作品がつくられた1970年頃、少子高齢化という言葉はまだ誕生していなかったようです)移住先は地球以外の星です。
読み続けていくと、作品内では、高齢化は予想されています。
少子化は、出産数の制限で実現されています。夫婦一組につきこどもひとりです。
この一本はページ数の長い作品でした。映画を観たあとのような雰囲気です。「光あれ」古事記のような。
2020年12月21日
相棒 シーズン11 DVD
相棒 シーズン11 2012年10月(平成24年)-2013年3月(平成25年) DVD
「第一話 聖域」
聖域とは、大使館です。治外法権なので、今回の場合、香港警察は手が出せません。
杉下右京の新しい相棒が登場します。甲斐亨(かいとおる。成宮寛貴(なりみやひろき))さんという方ですが、放映当時はテレビをあまり見ていなかったので今回DVDで初めて見ました。知らない方です。なにかしらごたごたがあってすでに芸能界は引退されているようです。
大使館内で起きた殺人事件を杉下右京が解決します。
劇だから、音楽で支えます。
「隠蔽(いんぺい。不都合を悪意ももって隠す)」の話ばかりで、犯行の動機がなかなか明らかにされませんでした。少々バランスを欠いた感がありました。
権力者はなんでもできてしまうのかという疑問と反発が生まれる内容です。
ワンマン君主は、最後は、つぶされるか、自滅します。
捜査一課の三名、伊丹憲一(川原和久)さん、三浦信輔(大谷亮介)さん、芹沢慶二(山中崇史)さん、角田六郎(山西惇)さん、米沢守(六角精児)さんの五人はあいかわらずおもしろい。
よかったセリフとして、
「嘘をつくということは、不都合な真実が隠されているということです」
いろいろ話や演技をつくってあるのですが、つくりすぎの感じがしました。
犯行の動機が、ありがちな男女の不倫ですが、それはちょっとつまらない動機で、そこが弱かった。あまり表には出てきませんが、権力者も権力者の夫人も同等のものをもちあわせているのでしょう。
「第二話 オークション」
奇跡のジャズピアニストであるエド・クレメンスという人の両腕をかたどった作品を巡るお話でしたがあまりおもしろくありませんでした。
①石膏どりをした腕の模型みたいなものに何千万円もの価値があるとは思えませんでした。
②話の展開に深みがありませんでした。
せりの部分はおもしろかった。スリルがあり、展開が読めませんでした。
「第三話 ゴールデンボーイ」
プロボクシングの躍進する若手ボクサーをゴールデンボーイと呼び、殺人事件がからむ内容です。
いちずにまっすぐ進もうとするものがあって、それを妨害するものがある。そこにドラマが生まれます。
ボクシングトレーナーの良かったセリフとして、「だましてわるかったな」「ありがとう」
八百長がらみのギャンブルがあります。スポーツ賭博(とばく)です。
密室殺人事件のからくりを暴く杉下右京の推理が冴(さ)えています。
「第四話 バーター」
大きな組織にしがみついて生活費を得るためのどろどろとした制度づくりです。
天下り先のバーター(人の交換)とか、抜け道づくりの話です。警察組織の上層部にいる父親と杉下右京の相棒としている息子の対立が象徴です。
杉下右京も甲斐亨もツッパリのふたりです。
デジカメにGPS機能が付いたものがあるということは初めて知りました。
会社が好きだった組織人は人殺しをしてまでも会社が好きでした。
CA(キャビンアテンダント)との合コン話で笑いをとります。
詭弁(きべん):弁論。道理に合わないことを無理やりこじつける。
「第五話 ID」
「自分」という個性をお金で犯罪者に売ってしまう。別の名前の人間になって生きる。
事件は、宝石店強盗事件。真相は、泥棒から泥棒する犯罪です。
なりすましが話題です。
昔、「国民総背番号制」に対する反発が強かったのに、現代はデジタル化推進のために、「マイナンバー」の利用が推進される時代に変わりました。なにもかもが正反対への価値観の変化にとまどうばかりです。
「第六話 交番巡査・甲斐亨」
六年前のストーカー事件の被害者が殺されます。
出所したストーカーが犯人ではドラマが成立しないので、はじめのあたりから夫が犯人だろうと思って観ます。
杉下右京が、小さな気になることをつきとめると犯人が浮かび上がってきます。
「生物学的に親子ではない」
だからといって殺してはいけない。不倫とセットです。人間の泥臭い「悪」を杉下右京が暴きます(あばきます)。
カイト君は、情に流されて、犯人を見誤るところでした。
なにかつまらない。(今回の相方の個性設定)亀山薫がなつかしい。
「第七話 幽霊屋敷」
不動産売買がらみの幽霊話と人が死んでいる事件でした。父親と娘の対立があります。心霊現象話は迷信なので、科学的に解明しつつも信じるかたよりもあります。
扉を開けるときに、杉下右京がなかなか開けられなくて、甲斐亨が、「引くんですよ」と言う部分がなかなかおかしくて良かった。
「第八話 棋風」
将棋名人とコンピューターとの戦いが素材です。
研究者が事故死のようにして亡くなります。
卑劣な盤外戦:対戦相手に私生活で心理的な混乱を与えて勝つ。
からくりは、途中で気づけました。
八百長、裏取引。
お金のためにわざと負けるなんてできません。
澄んだ気持ちでいること。最後の締めが良かった。
「第九話 森の中(前編)」「第十話 猛き祈り(たけきいのり)(後編)」
集団による計画的な行為です。
自殺したいという人を手助けすることは犯罪です。
どうしてそんなに命をないがしろにしたいのか理解できません。命は重い。
相方の甲斐亨が事件に巻き込まれて暴行を受けたらしく、意識が回復したあと、記憶喪失状態です。
杉下右京の手法として、不自然なものを見つける。観察力。相手に嘘をつかせて、そこを突く。過去からの知識と体験をからませる。
いろいろと疑問はあります。
(土の中で竹筒1本で生きる)あんな竹ひとつで呼吸できるのだろうか。
強姦未遂に遭ったという狂言に対しては、通報して警察を呼ぶだろと。
自分を守ろうとする刑事部長のセリフの言い回しがおもしろい。
調べた言葉として、
猛き祈り:荒々しい。
そしり:悪口、非難
入定(にゅうじょう):永遠の瞑想に入っている。
験を担ぐ(げんをかつぐ):以前に良い結果が出た時の行為を繰り返す。
かろうと:お墓の納骨室
「第十一話 アリス お正月スペシャル」
ずいぶんと芝居がかった構成でした。
昔なにかで聞いたことがあるのですが、ヨーロッパの王族とか貴族とかは、権力を失ったあとは、庶民として生きることはできない。施す者(ものを与える者)として生まれて来たのに、施される側の人間(ものを与えられる者)にはなりたくない。プライドが許さない。だから命を絶つしかない。落ちぶれるわけにはいかない。今回のドラマはそういう内容でした。
1955年(昭和30年)12月24日に女学生が山の中でいなくなりました。
複数のことがからんで発生した事件と火災でした。真相は判明しません。
57年が経過して、杉下右京が真相を突き止めます。
警察庁誕生の裏話が出てきて、知られたくない秘密を隠蔽しようと公安部が動きます。犯罪を取り締まる警察庁組織が犯罪の上に成立しています。いつものように闘う杉下右京の姿があります。からんでいく警察用幹部職員の息子である相棒のカイトの姿もあります。
調べた言葉として、
あたら:残念なことに
「第十二話 オフレコ」
杉下右京を除くいつものメンバーとCAさんがらみとの合コンのあと、伊丹刑事にひっついた女性記者が情報漏洩行為をしたのではないかという疑惑が生まれることと議員秘書の女性の死がからみあいます。
嘘があって、嘘を必死で隠そうとする。
「第十三話 幸せの王子」
童話がもとになった彫刻を扱った作品です。
相続税とか贈与税の複雑さ扱いのむずかしさがあります。
BGMでの気持ちの誘導がきつすぎたような。
脳挫傷が死因の殺人事件でした。
「第十四話 バレンタイン計画」
14話と15話は話をつくりすぎのような。
後半10分で焦点をずらします。それまでの主要人物から離れたところの真犯人がいます。
証拠がぽつりぽつりと出てくるのですが、観ていてもなかなかつながらないので、全容をこれまたなかなかつかめません。
CD、レコードショップの店主が殺害されました。
怨みとか(うらみ)憎しみとかは、一生消えない。復讐心は心の奥底の沈んでいて、もしチャンスがあれば、あとさきのことを考えずに実行してしまう。
兄弟、親子での心のぶつかり合いがあります。
「第十五話 同窓会」
俳優陣がなつかしい。志垣太郎さんとか、近藤正臣さんとか。
最初は、中学のいじめが犯行の原因かと思わせますが違います。
犯人に対して言った伊丹憲一巡査部長のセリフがよかった。「壊れているのかあんた」男女関係のもつれが犯行動機で、常軌を逸している犯人です。関係ない人まで巻き添えで殺そうとする爆弾犯でした。
「第十六話 シンデレラの靴」
女優さんがマラソンランナーには見えませんでした。とかく、女優さんの体格で、一流スポーツ選手役はむずかしいかと。
犯人ではないかと疑われるような言動をされるので、しかも殺人犯の疑いなので、不可解だったのですが、真犯人をかばってのことでした。
男性監督が殺されてしまうのですが、殺されるのには殺されるだけの理由がありました。
人事に口を出すとあとがこわい。
偶然の数が多すぎたような。角田課長の発言とか(見たことがある。この男はやくざだ)選手の捻挫とか。
「第十七話 ビリー」
意外な結末でお見事でした。質の高いドラマでした。
田中圭さんの演技も良かった。
フェイスグッド(フェイスブックの変化形)のお話です。結婚詐欺の犯罪に利用されます。
なりすましがあります。
杉下右京を活用する(道具のように)
映像づくりを楽しむ。映像を楽しむ。
「第十八話 BIRTHDAY」
12歳の誕生日に小学6年生の男児が事件に巻き込まれます。
内容はけっこう深刻で、壮絶なシーンもあるのでこどもさんには見せにくい。
女の子がひとり出てきます。かなり個性をつくってあります。観終えて、それはそれでいいという感想をもちました。
びしょぬれでバイクにひかれて死んだ犯人です。されど、巻き添えにされた少年ともうひとりが見つかりません。
違う出来事同士を対比させながら、また、発生時刻を変えながら同時進行させていく進行形式です。緊張感が高まります。救命のための祈りとBGMの讃美歌風の曲が流れます。
杉下右京の「戻ってきなさい!」がよかった。命が尊い。
「最終話 酒壺のヘビ」
力作でした。
タイトルの昔話と悪役の石坂浩二さんとの関係の意味はよくわかりませんでしたが、石坂親子の対立構図はこのあとのシリーズで変な雰囲気にすすんでいくであろうことがただよっていました。
外国大使館員がらみの国家的犯罪行為です。戦争の武器に使用する素材の情報をスパイが日本国の会社から外国へ運び出します。そこに殺人も絡んできます。そしてなんと、警察庁の幹部が犯人を国外逃亡させる手助けをするのですが、なんのおとがめも受けず、むしろ、ごほうびが出るそうです。あきれました。
どこかの会社の元外国人社長の国外逃亡劇を思い出しました。似たような回が以前ありました。もしかしたら彼も観たのかも。ああ、日本語がわからないか。
杉下右京さんのよかったセリフとして、
「ええ少しずつつながってきました」
「ぼくの中ではすでに事件になっているんですよ」
大河内監察官とのやりとりで、
「非常に困難なこと」に対して、大河内さんが「非常に困難というよりも前代未聞です」
ふたりの淡々とした会話のやりとりに緊張感があり正義感という熱意を感じました。
人の弱みにつけこんで、カネで魂を買い取ろうとする悪魔がいます。不正がうまくいかなかった人間が精神的に追い詰められて本人の意思による自殺という形であと処理される事件がこれまでにも何度もありました。食い止めなければならないことです。
終わり近くに最初のシーンに戻る。ドラマづくりのひとつの手法です。
ラスト近く、犯人からの手紙あり。犯人は結婚詐欺師のような行為をしましたが、反対の理屈として、彼には本当の愛がありました。深いなあ。
今年は、シーズン11まできて終わりです。また続きを少しずつゆっくりと観ていくことがこれからの楽しみです。
「第一話 聖域」
聖域とは、大使館です。治外法権なので、今回の場合、香港警察は手が出せません。
杉下右京の新しい相棒が登場します。甲斐亨(かいとおる。成宮寛貴(なりみやひろき))さんという方ですが、放映当時はテレビをあまり見ていなかったので今回DVDで初めて見ました。知らない方です。なにかしらごたごたがあってすでに芸能界は引退されているようです。
大使館内で起きた殺人事件を杉下右京が解決します。
劇だから、音楽で支えます。
「隠蔽(いんぺい。不都合を悪意ももって隠す)」の話ばかりで、犯行の動機がなかなか明らかにされませんでした。少々バランスを欠いた感がありました。
権力者はなんでもできてしまうのかという疑問と反発が生まれる内容です。
ワンマン君主は、最後は、つぶされるか、自滅します。
捜査一課の三名、伊丹憲一(川原和久)さん、三浦信輔(大谷亮介)さん、芹沢慶二(山中崇史)さん、角田六郎(山西惇)さん、米沢守(六角精児)さんの五人はあいかわらずおもしろい。
よかったセリフとして、
「嘘をつくということは、不都合な真実が隠されているということです」
いろいろ話や演技をつくってあるのですが、つくりすぎの感じがしました。
犯行の動機が、ありがちな男女の不倫ですが、それはちょっとつまらない動機で、そこが弱かった。あまり表には出てきませんが、権力者も権力者の夫人も同等のものをもちあわせているのでしょう。
「第二話 オークション」
奇跡のジャズピアニストであるエド・クレメンスという人の両腕をかたどった作品を巡るお話でしたがあまりおもしろくありませんでした。
①石膏どりをした腕の模型みたいなものに何千万円もの価値があるとは思えませんでした。
②話の展開に深みがありませんでした。
せりの部分はおもしろかった。スリルがあり、展開が読めませんでした。
「第三話 ゴールデンボーイ」
プロボクシングの躍進する若手ボクサーをゴールデンボーイと呼び、殺人事件がからむ内容です。
いちずにまっすぐ進もうとするものがあって、それを妨害するものがある。そこにドラマが生まれます。
ボクシングトレーナーの良かったセリフとして、「だましてわるかったな」「ありがとう」
八百長がらみのギャンブルがあります。スポーツ賭博(とばく)です。
密室殺人事件のからくりを暴く杉下右京の推理が冴(さ)えています。
「第四話 バーター」
大きな組織にしがみついて生活費を得るためのどろどろとした制度づくりです。
天下り先のバーター(人の交換)とか、抜け道づくりの話です。警察組織の上層部にいる父親と杉下右京の相棒としている息子の対立が象徴です。
杉下右京も甲斐亨もツッパリのふたりです。
デジカメにGPS機能が付いたものがあるということは初めて知りました。
会社が好きだった組織人は人殺しをしてまでも会社が好きでした。
CA(キャビンアテンダント)との合コン話で笑いをとります。
詭弁(きべん):弁論。道理に合わないことを無理やりこじつける。
「第五話 ID」
「自分」という個性をお金で犯罪者に売ってしまう。別の名前の人間になって生きる。
事件は、宝石店強盗事件。真相は、泥棒から泥棒する犯罪です。
なりすましが話題です。
昔、「国民総背番号制」に対する反発が強かったのに、現代はデジタル化推進のために、「マイナンバー」の利用が推進される時代に変わりました。なにもかもが正反対への価値観の変化にとまどうばかりです。
「第六話 交番巡査・甲斐亨」
六年前のストーカー事件の被害者が殺されます。
出所したストーカーが犯人ではドラマが成立しないので、はじめのあたりから夫が犯人だろうと思って観ます。
杉下右京が、小さな気になることをつきとめると犯人が浮かび上がってきます。
「生物学的に親子ではない」
だからといって殺してはいけない。不倫とセットです。人間の泥臭い「悪」を杉下右京が暴きます(あばきます)。
カイト君は、情に流されて、犯人を見誤るところでした。
なにかつまらない。(今回の相方の個性設定)亀山薫がなつかしい。
「第七話 幽霊屋敷」
不動産売買がらみの幽霊話と人が死んでいる事件でした。父親と娘の対立があります。心霊現象話は迷信なので、科学的に解明しつつも信じるかたよりもあります。
扉を開けるときに、杉下右京がなかなか開けられなくて、甲斐亨が、「引くんですよ」と言う部分がなかなかおかしくて良かった。
「第八話 棋風」
将棋名人とコンピューターとの戦いが素材です。
研究者が事故死のようにして亡くなります。
卑劣な盤外戦:対戦相手に私生活で心理的な混乱を与えて勝つ。
からくりは、途中で気づけました。
八百長、裏取引。
お金のためにわざと負けるなんてできません。
澄んだ気持ちでいること。最後の締めが良かった。
「第九話 森の中(前編)」「第十話 猛き祈り(たけきいのり)(後編)」
集団による計画的な行為です。
自殺したいという人を手助けすることは犯罪です。
どうしてそんなに命をないがしろにしたいのか理解できません。命は重い。
相方の甲斐亨が事件に巻き込まれて暴行を受けたらしく、意識が回復したあと、記憶喪失状態です。
杉下右京の手法として、不自然なものを見つける。観察力。相手に嘘をつかせて、そこを突く。過去からの知識と体験をからませる。
いろいろと疑問はあります。
(土の中で竹筒1本で生きる)あんな竹ひとつで呼吸できるのだろうか。
強姦未遂に遭ったという狂言に対しては、通報して警察を呼ぶだろと。
自分を守ろうとする刑事部長のセリフの言い回しがおもしろい。
調べた言葉として、
猛き祈り:荒々しい。
そしり:悪口、非難
入定(にゅうじょう):永遠の瞑想に入っている。
験を担ぐ(げんをかつぐ):以前に良い結果が出た時の行為を繰り返す。
かろうと:お墓の納骨室
「第十一話 アリス お正月スペシャル」
ずいぶんと芝居がかった構成でした。
昔なにかで聞いたことがあるのですが、ヨーロッパの王族とか貴族とかは、権力を失ったあとは、庶民として生きることはできない。施す者(ものを与える者)として生まれて来たのに、施される側の人間(ものを与えられる者)にはなりたくない。プライドが許さない。だから命を絶つしかない。落ちぶれるわけにはいかない。今回のドラマはそういう内容でした。
1955年(昭和30年)12月24日に女学生が山の中でいなくなりました。
複数のことがからんで発生した事件と火災でした。真相は判明しません。
57年が経過して、杉下右京が真相を突き止めます。
警察庁誕生の裏話が出てきて、知られたくない秘密を隠蔽しようと公安部が動きます。犯罪を取り締まる警察庁組織が犯罪の上に成立しています。いつものように闘う杉下右京の姿があります。からんでいく警察用幹部職員の息子である相棒のカイトの姿もあります。
調べた言葉として、
あたら:残念なことに
「第十二話 オフレコ」
杉下右京を除くいつものメンバーとCAさんがらみとの合コンのあと、伊丹刑事にひっついた女性記者が情報漏洩行為をしたのではないかという疑惑が生まれることと議員秘書の女性の死がからみあいます。
嘘があって、嘘を必死で隠そうとする。
「第十三話 幸せの王子」
童話がもとになった彫刻を扱った作品です。
相続税とか贈与税の複雑さ扱いのむずかしさがあります。
BGMでの気持ちの誘導がきつすぎたような。
脳挫傷が死因の殺人事件でした。
「第十四話 バレンタイン計画」
14話と15話は話をつくりすぎのような。
後半10分で焦点をずらします。それまでの主要人物から離れたところの真犯人がいます。
証拠がぽつりぽつりと出てくるのですが、観ていてもなかなかつながらないので、全容をこれまたなかなかつかめません。
CD、レコードショップの店主が殺害されました。
怨みとか(うらみ)憎しみとかは、一生消えない。復讐心は心の奥底の沈んでいて、もしチャンスがあれば、あとさきのことを考えずに実行してしまう。
兄弟、親子での心のぶつかり合いがあります。
「第十五話 同窓会」
俳優陣がなつかしい。志垣太郎さんとか、近藤正臣さんとか。
最初は、中学のいじめが犯行の原因かと思わせますが違います。
犯人に対して言った伊丹憲一巡査部長のセリフがよかった。「壊れているのかあんた」男女関係のもつれが犯行動機で、常軌を逸している犯人です。関係ない人まで巻き添えで殺そうとする爆弾犯でした。
「第十六話 シンデレラの靴」
女優さんがマラソンランナーには見えませんでした。とかく、女優さんの体格で、一流スポーツ選手役はむずかしいかと。
犯人ではないかと疑われるような言動をされるので、しかも殺人犯の疑いなので、不可解だったのですが、真犯人をかばってのことでした。
男性監督が殺されてしまうのですが、殺されるのには殺されるだけの理由がありました。
人事に口を出すとあとがこわい。
偶然の数が多すぎたような。角田課長の発言とか(見たことがある。この男はやくざだ)選手の捻挫とか。
「第十七話 ビリー」
意外な結末でお見事でした。質の高いドラマでした。
田中圭さんの演技も良かった。
フェイスグッド(フェイスブックの変化形)のお話です。結婚詐欺の犯罪に利用されます。
なりすましがあります。
杉下右京を活用する(道具のように)
映像づくりを楽しむ。映像を楽しむ。
「第十八話 BIRTHDAY」
12歳の誕生日に小学6年生の男児が事件に巻き込まれます。
内容はけっこう深刻で、壮絶なシーンもあるのでこどもさんには見せにくい。
女の子がひとり出てきます。かなり個性をつくってあります。観終えて、それはそれでいいという感想をもちました。
びしょぬれでバイクにひかれて死んだ犯人です。されど、巻き添えにされた少年ともうひとりが見つかりません。
違う出来事同士を対比させながら、また、発生時刻を変えながら同時進行させていく進行形式です。緊張感が高まります。救命のための祈りとBGMの讃美歌風の曲が流れます。
杉下右京の「戻ってきなさい!」がよかった。命が尊い。
「最終話 酒壺のヘビ」
力作でした。
タイトルの昔話と悪役の石坂浩二さんとの関係の意味はよくわかりませんでしたが、石坂親子の対立構図はこのあとのシリーズで変な雰囲気にすすんでいくであろうことがただよっていました。
外国大使館員がらみの国家的犯罪行為です。戦争の武器に使用する素材の情報をスパイが日本国の会社から外国へ運び出します。そこに殺人も絡んできます。そしてなんと、警察庁の幹部が犯人を国外逃亡させる手助けをするのですが、なんのおとがめも受けず、むしろ、ごほうびが出るそうです。あきれました。
どこかの会社の元外国人社長の国外逃亡劇を思い出しました。似たような回が以前ありました。もしかしたら彼も観たのかも。ああ、日本語がわからないか。
杉下右京さんのよかったセリフとして、
「ええ少しずつつながってきました」
「ぼくの中ではすでに事件になっているんですよ」
大河内監察官とのやりとりで、
「非常に困難なこと」に対して、大河内さんが「非常に困難というよりも前代未聞です」
ふたりの淡々とした会話のやりとりに緊張感があり正義感という熱意を感じました。
人の弱みにつけこんで、カネで魂を買い取ろうとする悪魔がいます。不正がうまくいかなかった人間が精神的に追い詰められて本人の意思による自殺という形であと処理される事件がこれまでにも何度もありました。食い止めなければならないことです。
終わり近くに最初のシーンに戻る。ドラマづくりのひとつの手法です。
ラスト近く、犯人からの手紙あり。犯人は結婚詐欺師のような行為をしましたが、反対の理屈として、彼には本当の愛がありました。深いなあ。
今年は、シーズン11まできて終わりです。また続きを少しずつゆっくりと観ていくことがこれからの楽しみです。
2020年12月20日
ちいさな哲学者たち フランス映画
ちいさな哲学者たち フランス映画 2010年公開
4歳から5歳児の幼稚園のこどもたちに先生が哲学の授業をします。
けっこう、探求心が深い。
テロのニュース、青少年がネット漬けになっているニュースから始まります。
ろうそくを出して、「考える」ということについて話し合いが始まりました。「考える」は目に見えないから、口を開けて言葉を使って自分の意思を相手に伝える。
映画を観ている人へのアナウンスとして、わたしたちは哲学をします。幼稚園に哲学の時間帯があります。
こどもは熟考します。
こどもたちの多民族に驚かされます。肌の色はさまざま、国籍もいろいろ、アジア、アフリカ、ヨーロッパなど。
テーマは、「愛情(の種類、ありよう)」「死とは」「友情」「結婚」「性」など、心の根っこに関することです。
哲学とはと問われたこどもが「自分に質問すること」と答えます。先生が「わたしたちをとりまく世界を教えること」と説明します。
正解はあってないようなものですが、大事なことは「考えること」です。
同性愛は可能か、同性は結婚できないか「結婚の法則とはなにか」にまで話が届きます。園児は答えます。同性でも好きだけど恋じゃないという答えが女児から返ってきました。
そして、あやまらないと恋は続かないということをこどもが導き出します。
死ぬということはどういうことなのか。自殺はいけないという意見も出ます。
お祈りとは、神さまと話すことだそうです。
物の定義、人間と動物の違い。男と女の違い。肌の色の違い。
混血とはどういうことという質問にこどもさんが、白と黒が混じって、コーヒー色になることと答えます。ぼくは白人になりたいという声も出ます。体が小さいのは病気という考えに対して、パパには障害があるという声が出ます。パパは足を動かせないけれど本は読める。わたしはパパを愛していると言葉があります。
「貧困」の話があります。ごみ箱の残飯を食べること。駅で寝ること。
すぐに手が出るこどもを根気よく指導する先生の姿があります。問題解決の手段に暴力を用いてはいけないとこんこんと話をします。
おなかにこどもがいるということはどういうことなのか。(妊娠)
「自由」とは? 園児の答は、自由とは、ちょっとひとりになれること。息抜きができることでした。
あたりまえのことですが、肌の色や見た目が違うだけで、頭のなかにある脳の働きは同じであることがわかります。
園児のひとりが、まわりからの押しつけがひどいと反発します。「ぼくの体の中にいるみたいに指示しないでよ」
思い出してみれば、このころの年齢のこどもたちは正論を吐く世代でした。
4歳から5歳児の幼稚園のこどもたちに先生が哲学の授業をします。
けっこう、探求心が深い。
テロのニュース、青少年がネット漬けになっているニュースから始まります。
ろうそくを出して、「考える」ということについて話し合いが始まりました。「考える」は目に見えないから、口を開けて言葉を使って自分の意思を相手に伝える。
映画を観ている人へのアナウンスとして、わたしたちは哲学をします。幼稚園に哲学の時間帯があります。
こどもは熟考します。
こどもたちの多民族に驚かされます。肌の色はさまざま、国籍もいろいろ、アジア、アフリカ、ヨーロッパなど。
テーマは、「愛情(の種類、ありよう)」「死とは」「友情」「結婚」「性」など、心の根っこに関することです。
哲学とはと問われたこどもが「自分に質問すること」と答えます。先生が「わたしたちをとりまく世界を教えること」と説明します。
正解はあってないようなものですが、大事なことは「考えること」です。
同性愛は可能か、同性は結婚できないか「結婚の法則とはなにか」にまで話が届きます。園児は答えます。同性でも好きだけど恋じゃないという答えが女児から返ってきました。
そして、あやまらないと恋は続かないということをこどもが導き出します。
死ぬということはどういうことなのか。自殺はいけないという意見も出ます。
お祈りとは、神さまと話すことだそうです。
物の定義、人間と動物の違い。男と女の違い。肌の色の違い。
混血とはどういうことという質問にこどもさんが、白と黒が混じって、コーヒー色になることと答えます。ぼくは白人になりたいという声も出ます。体が小さいのは病気という考えに対して、パパには障害があるという声が出ます。パパは足を動かせないけれど本は読める。わたしはパパを愛していると言葉があります。
「貧困」の話があります。ごみ箱の残飯を食べること。駅で寝ること。
すぐに手が出るこどもを根気よく指導する先生の姿があります。問題解決の手段に暴力を用いてはいけないとこんこんと話をします。
おなかにこどもがいるということはどういうことなのか。(妊娠)
「自由」とは? 園児の答は、自由とは、ちょっとひとりになれること。息抜きができることでした。
あたりまえのことですが、肌の色や見た目が違うだけで、頭のなかにある脳の働きは同じであることがわかります。
園児のひとりが、まわりからの押しつけがひどいと反発します。「ぼくの体の中にいるみたいに指示しないでよ」
思い出してみれば、このころの年齢のこどもたちは正論を吐く世代でした。
2020年12月19日
(再鑑賞)幸福の黄色いハンカチ
(再鑑賞)幸福の黄色いハンカチ(しあわせのきいろいハンカチ) 邦画1977年公開 VHSビデオテープ
棚の整理をしていたら平成5年のテレビ番組「金曜ロードショー」を録画したテープが出てきたので観てみました。また、この映画は、十代のときに映画館で観て、その後も何度か、テレビやレンタルDVDで観たことがあります。
吉田拓郎さんの歌、古い型の車、アナログの時代です。シートベルトの着用義務もありませんでした。四十年ぐらい前の日本の風景があります。おとなしいデモ行進。日当をもらって労働組合員として参加したことがあります。
高倉健さんも若い。ピンクレディー、キャンディーズ、ハガキが一枚二十円です。映画鑑賞は、過去へのタイムトラベルです。
美幌峠の展望台。同じところでアイヌの人の衣装を着て記念写真を撮ってもらったことがあります。陶器でできた赤い郵便ポストもなつかしい。
桃井かおりさんが車を路肩に落としたシーンは何度見ても笑えます。武田鉄矢さんのしゃべりもおもしろい。
泣き虫桃井かおりさんも実は強い。やがて男女の力関係は逆転します。
名作です。今年観て良かった一本でした。
人情噺(ばなし)です。高倉健さんの言葉が女性に優しい。それなのにやっていることは女性に厳しい。勝手な男の理屈です。
桃井かおりさんの演技がすばらしい。
もう夕張の炭鉱もなくなりました。
うまくできた脚本です。
渥美清さんも高倉健さんも亡くなってしまいました。
渥美清さんのセリフ「がまんして、いっしょうけんめいやってりゃ、なんかいいことあるよ」がよかった。
ふたりの出会いで、高倉健さんが「あんた、奥さんですか?(既婚者ですか?)」倍賞千恵子さんが「いいえ」
せつない。名作「砂の器」同様に、過去の呼び出し方式映像で、悲しみを増幅させます。
高倉健さんのセリフ「ただすがるような気持だった」
携帯電話は無く、加入電話は少ない時代でした。別れた前妻への連絡は速達でして、返事は「黄色いハンカチ」が目印です。
役のうえで、父親を知らずに育って、自分が父親になれるという喜びが高倉健さんにありました。
女性のたいへんさがあります。
BGMのメロディーが優しい。
ラスト近くでは、男と女って何なんだろうなあと考えさせられました。カップルの絆は、理屈ではないのです。
解説の水野春郎(みずのはるお)さんもなつかしかった。
棚の整理をしていたら平成5年のテレビ番組「金曜ロードショー」を録画したテープが出てきたので観てみました。また、この映画は、十代のときに映画館で観て、その後も何度か、テレビやレンタルDVDで観たことがあります。
吉田拓郎さんの歌、古い型の車、アナログの時代です。シートベルトの着用義務もありませんでした。四十年ぐらい前の日本の風景があります。おとなしいデモ行進。日当をもらって労働組合員として参加したことがあります。
高倉健さんも若い。ピンクレディー、キャンディーズ、ハガキが一枚二十円です。映画鑑賞は、過去へのタイムトラベルです。
美幌峠の展望台。同じところでアイヌの人の衣装を着て記念写真を撮ってもらったことがあります。陶器でできた赤い郵便ポストもなつかしい。
桃井かおりさんが車を路肩に落としたシーンは何度見ても笑えます。武田鉄矢さんのしゃべりもおもしろい。
泣き虫桃井かおりさんも実は強い。やがて男女の力関係は逆転します。
名作です。今年観て良かった一本でした。
人情噺(ばなし)です。高倉健さんの言葉が女性に優しい。それなのにやっていることは女性に厳しい。勝手な男の理屈です。
桃井かおりさんの演技がすばらしい。
もう夕張の炭鉱もなくなりました。
うまくできた脚本です。
渥美清さんも高倉健さんも亡くなってしまいました。
渥美清さんのセリフ「がまんして、いっしょうけんめいやってりゃ、なんかいいことあるよ」がよかった。
ふたりの出会いで、高倉健さんが「あんた、奥さんですか?(既婚者ですか?)」倍賞千恵子さんが「いいえ」
せつない。名作「砂の器」同様に、過去の呼び出し方式映像で、悲しみを増幅させます。
高倉健さんのセリフ「ただすがるような気持だった」
携帯電話は無く、加入電話は少ない時代でした。別れた前妻への連絡は速達でして、返事は「黄色いハンカチ」が目印です。
役のうえで、父親を知らずに育って、自分が父親になれるという喜びが高倉健さんにありました。
女性のたいへんさがあります。
BGMのメロディーが優しい。
ラスト近くでは、男と女って何なんだろうなあと考えさせられました。カップルの絆は、理屈ではないのです。
解説の水野春郎(みずのはるお)さんもなつかしかった。