2019年04月24日

ぼくらの地図旅行 那須正幹

ぼくらの地図旅行 那須正幹 ぶん 西村繁男 え

 小学4年生か5年生ぐらいにみえる安井君とシンちゃんがケンカをして、タモちゃんがそのケンカに巻き込まれて、シンちゃんとタモちゃんが、地図をたよりに岬の灯台を目指すところから始まります。
 絵にある田舎風景は風情があって美しい。のどかで、広がりがあります。
 初版が1989年(平成元年)、手元にある本が2018年第31刷、ロングセラーです。
 字は小さいけれど読みだすと読みやすい。文字と絵と地図でできた本です。
 小学校が休みの金曜日午前7時50分、ふたりは、電車に乗りこみました。
 踏切を通過する電車がリアルに描かれています。
 田んぼには高圧線が走る鉄塔が立っています。
 山や畑、学校の校庭、ディサービス施設が見えます。
 舗装されていない山道は迷いやすい。道を間違えたときは引き返した方が良い。
 地図記号の学習帳です。
 平面的な地図に対して、立体的な風景描画です。
 ふたりは、絵の中の風景をどんどん進んでいく。まるで、地図が人生の行き先案内図のようでもあります。
 何度か間違いがありながらも、最終的にシンちゃんとタモちゃんは、目的の灯台に到着することができました。
シンちゃんの言葉の趣旨として「タモちゃんがいてくれたからここまでこれた」が良かった。地図だけでは無理。ひとりだけでは無理。たよりになる友だちがそばにいてほしい。
 本の中に世界が広がっています。  

Posted by 熊太郎 at 06:29Comments(0)TrackBack(0)読書感想文