2014年04月29日

至高の音楽 百田尚樹 PHP

至高の音楽 百田尚樹 PHP

 まずは、付録のCDに収められている曲の感想を書きます。なお、わたしは、クラッシクのど素人です。
 気分を害されたらすいません。
(ベートーベン 第3交響曲 エロイカ)
四角くぶあつい音の層が、ユニットで向かってくる感じ。
(バッハ 平均律クラヴィーア曲集)
恋する若い女性が何かを訴えている感じ。
(モーツアルト 交響曲第25番)
聴いたことがある。風邪薬のコマーシャルだった気がするがあやふや。曲調は悲劇っぽい。
(ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番)
重厚です。好みです。力強い。ヨーロッパの大地を舞台にしたドラマ展開が目に浮かびます。女子スケーターが使用した曲に似ている。
(ショパン 12の練習曲集)
とても早くピアノの鍵盤を押す音が連続して聞こえる。美しい。いっぽう低音を押して出る音は力強く曲を支えている。
(ベルリオーズ幻想交響曲)
金管楽器であるラッパの音がよく響いている。そこへ、太鼓の音がからむのがいい。宇宙戦艦ヤマトを思い出しました。
(モーツアルト 魔笛)
女性がソプラノで歌っている。なんて高い声なのだろう。鳥がないているようだ。次は、男女が交互にパパパと歌いだしました。なんだかもめているみたいだ。
(ベートーベン 第9交響曲)
力強い。深刻そう。ティンパニの音が響く。
(シューベルト 魔王)
オペラみたい。ピアノ伴奏で男性がなにか歌っている。
(ヴァーグナー ヴァルキューレ)
これは、映画の音楽だ。戦争映画だった。ベトナム戦争だった。映画名を思い出せない。とほほ。ホルンのでかいやつ。楽器名もわからない。吹くのが、なんぎそうだ。女性の叫び声みたいなものも聞こえ始めた。お家の一大事でござるというような雰囲気です。
(パガニーニ 24の奇想曲)
ヴァイオリンソロのようです。なめらかな演奏が続きます。
(ムソルグスキー 展覧会の絵)
これもなんかで聴いたことがあります。コマーシャルだったような気もするし、映画あるいはドラマだった気もします。たくさんの楽器で演奏されているのですが、音は1本に聞こえます。たいしたものです。
(ブルックナー 第8交響曲)
競馬の馬たちがレースコースを走っているようだ。あるいは、戦闘ジェット機のうしろから別のジェット戦闘機が追いかけているようでもある。
(チャイコフスキー 白鳥の湖)
あまりにも有名な曲です。一抹(いちまつ。わずかな)の悲しみが伝わってきます。
(ベートーベン 第5交響曲)
暗い穴の中から、最初はちいさく、だんだん大きく、何かが湧きあがってくるような感じがしました。この付録CDは、各曲のサビ集(いいところ)なのですが、こと、ベートーベン作品の演奏時間帯が長く感じます。作者自身がベートーベンを好きなのでしょう。
(リヒャルト・シュトラウス 英雄の生涯)
あっと言う間に終わってしまいました。引き続き、同曲からの抜粋を聞きました。そちらは多少長かった。
(ブラームス 第1交響曲)
これもコマーシャルのBGMで聴いたことがあるような気がします。長い人生を歩んできて、目標達成ができたというな満足感を表現しているような気がしました。
(バッハ ブランデルブルグ協奏曲)
豊かで美しい曲調です。豊満です。
(ベートーベン ピアノソナタ第8番 悲愴)
これも聴いたことがあります。悲愴な雰囲気はありません。落ち着いています。
(ラヴェル 夜のガスバール)
ピアノ演奏で「水の精」を表現してあるようです。水底からの音に聞こえます。
(シューベルト 弦楽四重奏曲第14番)
バイオリンほかの重奏は、悲壮感があります。音はやがて力強くなります。挫折から立ち上がったのでしょう。
(ロッシーニ どろぼうかささぎ)
馬がステップを踏んで走っているような曲調です。
(モーツアルト ピアノ協奏曲第20番)
ピアノの音がなかなか聞こえてきません。弦楽器、打楽器、木管楽器の集団化です。
(バッハ ゴルトベルク変奏曲)
きっと名ピアニストの演奏なのでしょう。ちょっと睡魔に襲われ始めました。
(ベートーベン ヴァイオリン協奏曲)
バイオリンの低音部分の音がはじめに出て、高音部が次にでてきます。同じメロディーを繰りかえしてふくらんでいきます。
(マスカーニ カヴァレリア・ルスティカーナ)
大河のゆるやかな流れが見えます。

<その後>
 家族から有名どころの曲の聴きどころばかりを集めた6枚組みのCDを貸してもらい、興味をもった曲をメモしました。今時は、100円ショップで売っているらしい。新しい世界が開けそうです。冒険です。楽しみです。

<ここからが読書感想文>
 この本を読むための最小限の下地をつくりました。
 なお、作者のクラッシク好きは、同作者の「錨を上げよ(いかりをあげよ)」の主人公に姿を変えて登場しています。

<10日間ぐらい経過して>
 何枚かのクラシック曲のCDを手に入れました。なお、100円ショップでは売っていませんでした。
 何度か聴いてみましたが、今のところ、気に入ったのは、本では紹介されていないドボルザークの「新世界より」とスメタナの交響詩「モルダウ」ぐらいです。
 では、本の感想を続けます。
 なにせ、曲を知りませんので、読んでいても意味がない部分もあります。ですので、各章の最後にある項目、このオーケストラのとかこの指揮者の何年収録(けっこう古い)モノという部分は読み飛ばしました。
 気になるのは、作曲家たちが生きていた時代、それぞれが活躍していた時代(作曲家たちの生存順序。ベートーベンが一番年上に感じるのですが、わりと年下世代でした。)とその頃の日本は江戸時代なのですが、比較して文化・技術の様子が雲泥に違うことの確認でした。
 まず、作曲家たちの生存期間を本から拾い出しながら確認してみます。古い順に並べます。国籍にこだわる気持ちはありません。
・バッハ 1685-1750 65才没 (没後32年して、モーツアルト26才がバッハのとある楽譜を見つける)
・モーツアルト 1756-91 35才没 (5才で作曲 8才で交響曲を作曲 12才でオペラを作曲 30代なかばは 貧困。その頃の作品が「魔笛(まてき)」。モーツアルトとベートーベンは小さい頃に音楽の英才教育を受けている。)
・ベートーベン 1770-1827 57才没 (モーツアルトの影響を受ける。聴覚障害に悩む。54才のときの作品が第九交響曲。
・パガニーニ 1782-1840 58才没 ヴァイオリニスト
・ロッシーニ 1792-1868 76歳没 彼の音楽には「深刻さ」がない。
・シューベルト 1797-1828 31才没 オーストリアウィーン生まれ。音楽の英才教育は受けていない。16才で代用教員。21才で退職。ピアノをうまく弾けなかった。友人たちが彼を援助した。背が低く肥満体。近眼。風呂に入らず汚い。はにかみやでもてない。頭の中には音楽しかなかった。死後何年も経ってから注目された。
・ベルリオーズ 1803-69 63才没 (24才のときに女優に恋してふられてつくったのが「幻想交響曲」)
・ショパン 1810-49 39才没 ピアノの詩人 ポーランド人
・ヴァーグナー 1813-83 70才没 
・ブルックナー 1824-96 72才没 教会のオルガニスト
・ブラームス 1833-97 64才没
・ムソルグスキー 1839-81 42才没 ロシア貴族の子 「展覧会の絵」 アル中で貧困の中死す。
・チャイコフスキー 1840-93 53才没 「白鳥の湖」
・リヒャルト・シュトラウス 1864-1949 85才没 「英雄の生涯」
・ラフマニノフ 1873-1943 69才没 身長2m超え 巨大な手 ピアニストのち作曲家 ロシア貴族の子
・ラヴェル 1875-1937 62才没 「ボレロ」
没年・年齢を書いていて、自分もその年齢に近づいているわけで、死を身近に感じる年齢に達したことを再確認しつつ、この先どうしようという小さな不安にかられました。
次に日本の歴史との比較です。
・バッハの頃(1685-1750) 江戸幕府五代将軍「綱吉」。1687年、生類憐れみの令。
・モーツアルト、ベートーベン、シューベルト、ショパンの頃(1756-1849) 1774年、解体新書
・チャイコフスキーの頃(1840-93) 1853年ペリー来航。1867年大政奉還。1868年明治維新。1877年西南戦争。1894年日清戦争
・ラフマニノフの頃(1873-1943) 1914年第一次世界大戦。1923年関東大震災。1939年第二次世界大戦開戦。1945年終戦。

さて、ここからが本格的な本の感想です。
作者は、最後のページで、音楽は耳ではなくて、心で聴くものとします。作者が豊かでなかった若い頃、不十分な音響機器で聴いていたときのほうが、高級なオーディオシステムが装備された理想的なリスニングルームで聴くよりもずっと「いい音」だったと結んでいます。これは、作曲家たちの創作にも合い通じるものがあります。ときには、中毒だったり、恋におぼれていたり、貧困にあえいでお金を求めていたり、病気だったりして、狂気の中で美しい音楽を産み出しています。芸術とは、デーモン(悪魔)をおびきだすことがわたしの悟りです。
バッハの解説で、彼は純粋な「音階」を追及した。しかし、大衆には受け入れられなかった。その結果、彼の死後彼の楽譜は散逸した。死後32年が経って、モーツアルトが彼の楽譜を手にしてがく然としたとあります。いいものは、必ず掘り起こされる運命をもっている。
解説の途中の項目<間奏曲>「巨匠の時代」がよかった。昔は簡単に音楽を聴くことができなかった。作曲者自身でも楽譜は書いても実際の音を耳にするまでには時間と労力がかかった。今は、CDで手軽に聴ける。便利になった。それとともに音楽のありがたみの価値は下がったというのは、わたしの感想です。
感心したのは、ベートーベン第五交響曲「運命」の「運命」は日本だけのものという部分でした。作曲者が「運命」と名付けたのではなく、日本だけで「運命」と呼ばれているそうです。


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