2014年04月14日

ひまわり 2014課題図書

ひまわり 荒井真紀 金の星社 2014課題図書

 ひまわりの絵は、黄色の色調で、どれも画一的で、見飽きた感があります。この本が他の本と違うのは、ひまわりの「種」をお話の素材にしていることです。
 最初のページにある左手の手のひらの絵はリアルな描画で本物の手のひらのようです。
 ひまわりの種を土に植えることによって、育てること、「育む(はぐくむ)」ことを教えるお話になるのだろうか。遠い記憶をたどってみると、小学校1年生の教科書で見たあさがおの種を土に植える図を思い出すことができました。
 土中に埋められたひまわりの種は、まずは根を張ることから始めます。人間も同じです。しっかりした根がなければ高く大きく育てません。水や肥料が「読書」です。太陽光線が、スポーツや音楽です。
 最初はちいさく、だんだん大きく葉は広がっていきます。ひまわりはぐんぐん空へ向かって伸びていきます。本を縦(たて)にすると読み手はアリの大きさで小さくなり、「ジャックと豆の木」のジャックの気分です。
 次々とイベントが起きます。茎は伸び、太くなり、とんがった「がく」が出てきて、はなびらが形を現してきます。生命の不思議があります。神業(かみわざ)です。ちいさかったつぼみはだんだん大きくなって横を向きました。花のつぼみは、朝早く、1枚1枚ゆっくりと開いていくのでしょう。ついに、開花です。バンザーイ!
 さて、ここからが研究です。花を分解していきます。スライス(ひとつずつ、あるいは同類のグループ化を図る)は、ひまわりだけにかかわらず、勉強や仕事をするうえでのコツ(秘訣ひけつ)です。複雑でこんがらがっているものの解決策を考えるときはスライスするのです。スライスして、ひとつずつに対応していき、それらを組み合わせて、ひとつの図面を書くのです。そうすると、問題を楽に解くことができます。ただし、時間はかかります。時間はかかるけれど、そのうち慣れてきて、早く作業をすることができる能力を身につけることができます。
 ひまわりのはなびらについて言えば、このあと、数を数えることになります。何百、何千あったとしても根気よく数えて、その結果から、法則を導き出すのです。必ず、一定の割合や比率を示す数値が姿を現すはずなのです。
 ひまわりには、人間のような哺乳類のように「心臓」がありません。花びらを開かせるちから、エネルギーがどこから供給されるのか不思議です。
 ひとつのひまわりから2000粒の種ができる絵が登場します。でも、2000本のひまわりが育つわけではありません。他の動植物の栄養となる種が大部分です。
 命の糸には、始まりがあれば、終わりがあります。終わりの次には、始まりがつながって「継続」していくのです。

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