2014年02月16日

ランチのアッコちゃん 柚木麻子

ランチのアッコちゃん 柚木麻子(ゆづきあさこ) 双葉社

 4本の短編集です。
 東京巡り案内書の一面があります。たとえば、東京タワーがある芝公園付近、皇居北方にある千鳥が淵、それから渋谷界隈などです。次回東京を訪れるときの観光の参考にしよう。
「ランチのアッコちゃん」アッコちゃんは、黒川敦子部長173cm45歳です。主人公はYesしか言えない静岡生まれ派遣社員澤田三智子156cm24歳です。最近ではポピュラーになりましたが、過去には風変わりであった食べ物が幸せにつながるストーリーです。月曜日から金曜日までで、なにをするかがメニューになっていて、成功パターンの伝授です。
「夜食のアッコちゃん」女子向きの短編群です。バレンタインチョコのお話です。そういえば、きのうがバレンタインデーでした。女子社員同士の不仲の解消が目標です。人は食べ物が好き。食べることは生きること。そんな教訓が聞こえてきます。読者に読んでもらえる小説の制作を模索している作者の姿が目に浮かんできます。東京タワーは「灯台」。小説の舞台を実際に見て、物語を頭脳で再生したい。
「夜の大捜査先生」元お嬢さん学校卒なれど在学中はやりたい放題の非行行為をしていた満島野百合(みようじは満島)30歳が斜(しゃ)に構えています。舞台は渋谷で、現役不良女子高生との追いかけっこです。30歳未婚の野百合は、「ババア」と呼ばれてショックです。温かいポトフ(野菜スープ)を食べて、みんなで生きているという実感を味わいます。
「ゆとりのビアガーデン」使えない社員佐々木玲実が3か月で退職して1年が過ぎました。物語の内容は、さわやかです。効率よく仕事をする。仕事を済ませて生活を楽しむ。仕事の目的と生活の目的を分ける。勇気すら湧いてくる内容でした。短編4本全体の感想をまとめてみます。いい方向性をもった作品群でした。心に残ったセリフは、「優れたアイデアは、豊かな人生から生まれる」


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