2013年10月21日

リストラ・転職・起業 高任和夫

リストラ・転職・起業 高任和夫(たかとおかずお) 岩波ブックレット

 なにかの本を読んでいて、本書の紹介記事がありました。読んでみると、なにかの本に書いてあった面白げなことは書いてありませんでした。なにか勘違いしたようです。本書の内容は、起業へのエール(応援)です。
 発行は2000年ですから、13年が経過しています。13年前と今を比較して分析する読書の部分があります。当時、隆盛を誇ったものでも、今は衰退しているものもあります。読み終えてみると、消費者・顧客にとって必要なものは継続される。その後の管理が大切ということがありました。
 さばさばと、かつ、きっぱりとした記述が続きます。講演会の台本のようでもあります。
 社内では競争意識よりも仲間意識を重視すべき。高学歴社会は、従順ではあるけれど愚直な社員を生んだ。起業家は、離職に迷いも未練もなかった。働くことが苦痛になった。心当たりがある言葉が力強く記述されています。
 記述は97年11月、山一証券自主廃業から始まります。この本の執筆はその2年後から始まっています。いい会社に入ってもその後の人生が安泰という時代は終わっています。ことにメンタルの病気にかかる人が増加しました。書中の人物の言葉を借りると「お金じゃない。やりたいことをやらずに死ぬことがリスク」とあります。激しいものがあります。
 紹介されている企業家たちは、やはり特別な人たちにみえます。真似できません。凡人は凡人で、そのときどきの暮らしを継続していくしかありません。

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