2013年09月20日

娘が学校に行きません 野原広子

娘が学校に行きません 野原広子 メディアファクトリー

 作者の実体験を四コママンガ集にしてあります。不登校当時の作者の娘さんは、小学校5年生でしたが、巻末で、中学生に成長した娘さんが、描いていいと母親に賛意を表わしています。
 まず、「帳面の装丁」が気に入りました。好感を抱きました。学校に行けないは、職場に行けないに通じるものがあります。どうやって、登校できるようなったかは、職場復帰できたかと同じです。ともに長い時間が必要です。
 親にとって、子の不登校は、重大かつ深刻な問題です。作者の場合、夫が単身赴任中で、父親の存在は作品中に無いも等しい。母ひとり、娘ひとりの環境を、担任、保健室保健の先生、小児科医、そして級友たちがサポートしていきます。物語は、母親にとって「前が見えない」から始まります。
 母親のとまどいの内容は素直です。日記のように書かれた四コママンガから母親の苦慮がよく伝わってきました。
 不登校のきっかけは、「シカト(存在を無視する)」です。副題は、「親子で迷った198日」ですが、そのなかに、夏休みと冬休みが含まれています。実体験に基づくネタ(素材)なので、ご苦労がよく伝わってきました。「休ませて、祈る」の繰り返しです。大人のうつも同様なのでしょう。将来人生をふりかえるときの思い出をつくる行為でもあります。
 規則正しい生活のリズムをつくる。夜型生活にならないようにする。102日目にペットを飼い出します。親にとって、わらをもつかむ思いでしょう。保健室登校を続けますが、基礎科目の学習は十分できないわけで、大丈夫かと心配になります。
 後半は、ぬか喜びが何度か続き、母親もうつ病になりそうです。うつの連鎖です。最後のページでは涙がにじみました。
 おもしろかったマンガは、54ページにあった小学校5年生娘の「退学宣言」、62ページにあった「灯を見つけた」シーン、110ページにあった「娘の心の鍵がはずれた音がした」シーンでした。


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