2013年09月14日

赤毛のアン モンゴメリ

赤毛のアン モンゴメリ 新潮文庫

 赤毛のアンのミュージカルを観たことがあるのですがよく覚えていません。カナダ・プリンスエドワード島で明るく生きる孤児の女の子という記憶があるだけです。おおぜいのひとたちに愛され続けている小説です。夏の子どもさん向け課題図書の素材が「孤児」が多かったのが読み始めたきっかけです。全体で500ページぐらいのうちの200ページ過ぎまできて感想を書き始めることにしました。
 主人公アン・シャーリーは、赤い髪に緑色の目をして、やせっぽち、そばかすだらけの11才になる孤児です。両親は高校教師でしたが、父も母もはアンが生後3か月のときに熱病死しています。アンは、親戚に預けられたのち孤児院に入所しています。今回は、農業の働き手として、レイチェル・リンド婦人邸に引き取られましたが、本当は、男の子を受け入れる予定でした。
 アンの性格設定のひとつが、「空想家」であることです。話し出すと止まりません。ふたつめは、たまに怒ることです。外見、とくに赤い髪をからかわれると激高します。読み始めると楽しい展開が広がっています。彼女に魅力があります。
 彼女のまわりを固めるのが、屋敷の使用人兄妹で、マシューとマリラ、彼らが住む家が「緑の切妻」、同級生の女友だちがダイアナなどです。マシューは優しいおじさんです。アンを支えていきます。リンド婦人は最初アンと対立しますが、やがてアンの味方として理解を示してくれます。
 1908年の出版ですから約100年前の作品です。アンの母親がアンの誕生まもなく亡くなるのは、「あしながおじさん」を書いたJ・ウェブスター自身の死と同じです。たしか出産後3日ぐらいして亡くなっています。「あしながおじさん」もまた100年ぐらい前にアメリカ合衆国で出版されています。何か関係があるかもしれません。
 ここまでで、胸にぐっときた文節です。
 せめて一度でも「お母さん」と読んだ覚えがあったらいいのに。
 もし、小母さんが、打ち勝てない誘惑に出会ったらどうする?
 なにかを楽しみにして待つということが、うれしいことの半分にあたる。

(つづく)

 ずいぶん長い物語でしたが心地良さが残りました。読み終えるのに4週間ぐらいかかりました。2013年の夏はもうすぐ終わりを迎えようとしています。
 やんちゃだった11才のアンは、大学受験ができる年齢に達し、おしとやかで聡明なレディに育って最終章を迎えました。彼女は、困難や差別を克服して、周囲の者から愛される女性に成長しました。恋もしています。育ての父親であるマシューを亡くしました。赤い髪を黒に染めようとして失敗し、緑色の髪になって髪を切ったこともありました。「時の流れ」を表現した美しい作品でした。
 心に残ったアンの言葉です。
「赤い毛なんか問題じゃないのよ。」
「あたしのなかにはたくさんのアンがいる。」

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