2013年08月09日

医者に殺されない47の心得 近藤誠 

医者に殺されない47の心得 近藤誠 アスコム

 すべてのページを読み終えたとき、「人生って…」と考え込みました。自分の人生の終末を他者にゆだねない。死に方を選択し決定する。
 書かれていることは過激です。著者の意見に意義や異論を唱える医師や医療機関はないのか。ないということは容認しているということです。書かれていることすべてが「正」とは思えませんが、「正」の部分が多いのでしょう。
 最近、乳がんを発病していないのに、将来乳がんになる可能性が高いからという理由で、乳房を切除したアメリカ人女優の話が話題になりました。とすれば、この本の内容と反します。よくわかりません。
 いろいろ書いてありますが、自分の体の状態を一番良く感じることができるのは自分です。自覚症状のあるなしが、自分の人生を考える基礎になります。
 本の内容は「癌」に重点をおいてあります。著者の謝罪と読める部分もあります。医師になりたての著者は、日本医学会の教えに従順でした。経験を重ねるうちに疑問をいだくようになりました。病院を受診しすぎる日本人の気質に注意喚起を与え、治療に応じた医師にとってふさわしい収入を保障しようとする意図もほのかに感じました。
 薬害をはじめ説得力ある記述です。ひとつの項目について、短文でわかりやすい解説が掲載されています。日本人は、命よりカネ(経済活動)のほうが大切という意識をもっている。その結果、人は人間ではなく、商品として扱われる。読みながら、このパターンは、医療制度だけに限らないのではないかという思いにかられました。皆医療保険制度加入義務をはじめとして、治療方法についての外国との比較を読むと、日本民族は、やらなくてもいいことをやって、苦しんでいる。過去へ回帰して、時間のゆとりを回復したほうがいい。そのほうが心にゆとりをもって暮らせると思いました。
 以下は、記憶に残ったというよりもショックを受けた文節ほかと要旨です。
 乳房を温存する療法を選んだ患者さんたち
 日本人は世界一医者好き
 癌放置患者。スキルス胃がんでも数か月で亡くなった人はゼロ
 癌はできるだけ放置した方が長生きできる。
 著者の父親もまた医師
 そもそも本当に癌だったのか。
 がんもどき
 ほおっておいても大きくならない「潜在がん」
 切りたくて外科医になった人たち
 CT検査で被爆
 枯れ木のようになって死んでいくのが一番
 手術をしなければよかった。
 ラーメンのスープを飲み干してもいい。
 手洗いに意味はない。
 救急のとき以外は病院に行かない。
 リビングウィル(事前に、自分はどう死にたいかの希望を書面で残しておく)
 下顎呼吸(かがくこきゅう。死ぬ寸前の呼吸の様子)

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