2013年08月07日

聞く力 阿川佐和子

聞く力 阿川佐和子 文藝春秋

 謙遜と自己否定から始まる本です。読み終えたとき、なぜこの本は売れたのかと考えました。作者が作家阿川弘之氏の娘であること。テレビでのインタビュワーとしての実績、外見、そして、人柄なのでしょう。
 内容は、ひとり語りのような話し言葉が続きます。その背景には、未婚、こどもさんなしによる、今も「少女」という天真爛漫さがあります。父親話では、高名な作家イコール人間的に立派という方程式は成り立たないということがわかります。
 「聞く」というテーマの本が売れるということは、この分野で悩んでいる人が多いということです。本の中身は、教則本ではありません。完璧を求めなくても、こんなふうでいいのだと慰められる内容です。「おもいやり」とか「忘れる」というフレーズが似合います。
 稀な(まれな)ものを出して、良い評価を出す。エピソードはいささか古い。手腕としては、話をふくらませていく。
 太字ゴシック体の部分は読みませんでした。そこを読むと、読書のリズムが狂います。
 インタビューはつらい仕事だと思いました。この本を読んでいた時期、日常生活において「聞く」ことに気を使いました。
 以下、印象に残ったフレーズ(文節)の要旨です。
 「聞いてくれて、ありがとう」
 相手の話を聞いていないから連続性を欠く。
 質問はひとつだけ用意する。
 トークは生もの
 同じ失敗を繰り返す男の童話
 フランス貴族のお宅のような美輪明宏邸
 息をしているように、食事をしながらトークをする岸田今日子さん
 ミッションスクール

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