2013年07月06日

ワイルド・スピード EURO MISSION ユーロ・ミッション

ワイルド・スピード EURO MISSION ユーロ・ミッション 映画館

 筋書きはよくわかりませんが、撮影された映像は大迫力です。目がくらむような高位置からのシーン、大音響と音楽、映画を観たなあという満足感にひたれます。
 吹替え版の映写室は満席でした。対して、わたしが観た字幕版の映写室はガラガラでした。おそらく、字幕の方は、4DXとかいう椅子が動く上映方式のほうにお客さんが集まるのでしょう。
 冒頭はスペインの海岸線、山の傾斜地につくられた狭い道を2台の車による追いつ追われつの競争から始まりますが、激しさはなく、やわらかな雰囲気で始まります。前回観た「ワイルドスピード メガマックス」ブラジル編の出だしのほうが凄み(すごみ)があった。今回はせっかく映画館へ来たのに期待はずれかと心配しました。合間のやりとりは少々幼稚なやりとり(こどものする、なになにごっこみたい)でしたが、後半は、どっかんどっかんと戦争を思わせるような豪快なアクションシーンの連続で充足感を味わいました。あまりにもスピードが速くて、何がどうなっているのか頭がついていけないくらいでした。航空機の滑走時間って、こんなに長かったっけと思いましたが、そうであるはずはなく、映画なのです。
 撮影がすごい。舞台は、海岸近くで、橋を効果的に利用しているのですが、つい、東日本大震災を思い出し、架空の映画の中で亡くなる人の数よりも津波の犠牲者で亡くなった人の数のほうがはるかに多いと観ていて現実にかえるのでした。
 物語の核に「家族」があります。血縁関係のある「家族」ではなく、契り(ちぎり)を結んだ仲間によるグループです。国籍もさまざまです。義兄弟(義姉妹)です。そこが弱みとなります。昔の戦いのさなかに死亡したと思われていた女性が実は生存していて敵方グループの人間になっている。(それなりの理由があります)。彼女を取り戻すことがチームの目的のひとつです。
 ワイヤー銃が中盤から後半へのアクションの鍵を握ります。2台の車の並走(へいそう)を気に入りました。1台は前進、もう1台は後進しながら同じ方向へ同じ速度で走るのです。2台の車は男女の各ドライバーで、まるで車同士がダンスをしているようで秀逸なシーンでした。
 スマートフォンを活用したシーンがふたつ登場します。ひとつは、味方に助けを乞うために通話をつなぎっぱなしにする。もうひとつは、誘拐に近い脅しをかけるために被害者の声を敵に聴かせる。音声だけで判断して即、行動が開始されるという設定には、あまりにも機器を信用しすぎると疑問をもちましたが、それも映画ですからいいでしょう。あれだけ格闘してもみなさん無傷に近い様子はやはり映画だからいいのです。映画終了時に「真似をしないでください」と注意表示が出ます。真似できませんが、注意表示はしたほうがいいでしょう。割り切りのいい映画です。
 登場する俳優さんたちのことは知りません。車の爆走シーンを観ていると、メンバーたちが、ちょっと年齢がいきすぎているような気がしないでもありません。シリーズとして長年やってきた間にみなさん歳をとったのでしょう。それでも筋肉はもりもり、古くはブルー・スリーを思わせる格闘技は、よく息が続くなと感心しました。女子も強い。今回の映画でこのシリーズは終わりだろうと思って観ていたら最後に東京を舞台にしたシーンが出てきました。次回の舞台は東京のようですが、東京のような道路の狭いところよりも道路が広くて車線が多い名古屋のほうがこの映画に合うのになあと思いました。鉄道路線が少なく、車が移動手段の主力であることもあわせてそう思ったのです。(あとで、東京のシーンは、以前作品化されていて、このシリーズは、これまで、時系列がばらばらに製作されているらしいということがわかりました。)映画の中で何度も出てくるロンドンの風景を見ていたら、ビルの多い大都会であり、画像で見るだけでいい。行かなくてもいいとロンドン訪問についての興味が薄れました。
 よかったセリフは後半付近にある「ジーザスクライスト(これはすごい)」でした。最後半は奇跡の連続です。ふつうの人間だったら天国ゆきです。4DX(椅子が動く)で見たら、椅子は揺れっぱなしで休憩がほしくなるかもしれません。

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