2013年07月06日

幸せのちから 映画 DVD

幸せのちから 映画 DVD

 クリスは父親を知らずにおとなになり結婚して息子をもうけた。精神異常のホームレスが、クリスが販売用に所持していた骨密度計測器を「タイムマシン」と誤解した。タイムマシンは病院ではなかなか売れない。そのうち金策も尽き、妻はニューヨークへ去り、クリスと5歳の息子クリストファーはサンフランシスコに残って、ホームレス親子にまで転落する。トイレで一夜を過ごすふたりの姿は涙なくしては見ておれません。息子が、タイムマシンのスイッチを入れて過去へ行きたいと言う。映画では、恐竜時代の設定でしたが、わたしは、5歳の息子は、父と母と3人で暮らしていた時代に戻りたかったと思う。
 ふたつの面から見ました。クリスの頑固さが、進路を妨げています。家族というグループの意思形成は父親の独断ではいけません。全員の意見の調整が必要です。また、家賃の滞納、税金の滞納はいけません。最優先で支払うべき支出です。それらの行為が原因で貧困に落ちていきます。
 もうひとつの見方は正反対です。長い人生、だれしもが一度は困窮の時期を体験すると思うのです。何をやってもうまくいかない時期があります。うちひしがれている者を徹底的に攻撃することは「善」ではありません。明日は我が身です。
 実話に基づいたドキュメンタリー仕立ての1996年米国作品です。雰囲気は暗い。おおぜいの庶民が動く姿が映し出されます。監督はイタリア人です。主人公クリスの語りで、物語は、今、第なん章、タイトルはこれ、という進行です。合衆国独立宣言の話とかが出てきます。タイムマシンとなにかひっかけてあるようですが、キリスト教信仰も含めて、日本人のわたしにはあまり理解できませんでした。
 売血(献血して血を収入に変える)は痛々しい。戦後の日本にもそういうことがありました。ひるがえって現代日本をみるとネットカフェ難民があります。ふつうに仕事があってしあわせに生活ができる。映画では「追求」という言葉にこだわりをもっています。やはり、努力と忍耐が伴わないと幸せに手が届くのは遠い。

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