2013年06月19日
ぼくが宇宙人をさがす理由 2013課題図書
ぼくが宇宙人をさがす理由 鳴沢真也 旬報社 2013課題図書
2時間ぐらいで読める本です。作者の自伝です。タイトルの内容とは別に大きなテーマがあります。作者は、中学生時代「不登校」でした。高校へは通っていません。長い間、自宅にひきこもっていました。22歳で大学1年生になります。その後、作者は驚くべきことに高校で教師として理科を教え、高校を退職後は、子どもの頃からの夢だった天文台に勤めています。さらに、世界中の天文台の協力を得て、「地球外知的生命」の探査研究を実施しています。作者は作中でなんども、不登校・ひきこもりだったけれど、「夢をあきらめないで」と読者へ熱いメッセージを送り続けています。そのメッセージは、遠い星から届くであろうメッセージに似てやさしい。
作者の経歴は、永い旅です。昔、小椋佳という人の歌で「大いなる旅路」という歌がありました。旅は永くて遠いのです。ここいう旅とは「人生」です。昨今の風潮をみていると、人生は20代で終わりのような印象を受けます。20代での就職と結婚で人生は決定づけられて、以降は忍耐の生活で終わるのです。生活費の確保を主目的にするとそうなります。いいともわるいとも言えません。
記述の中身は、「地球外知的生命」の存在を信じて、存在を証明するために、莫大な経費を必要としない電波による観測を世界中の天文台と協力して訓練するように努力を重ねているということが書いてあります。それを「SETI」セチ計画と呼びます。
この本を読むのは中学生です。未来を夢見ながら読むことでしょう。わたしは50代です。過去をふりかえりながら読みました。ボイジャーとかアポロとか、ことにアポロ11号による月面着陸のシーンとアームストロング船長の言葉は、小学生のときに家のテレビで見ました。オズマ計画からアニメの登場人物の名前がきているだろうという推測は、今回この本を読んで自分の心のなかで生まれました。
作者は、中学2年生のときにサッカーで足を骨折し、治療のために学校に通えなかったことから成績が下がり、成績順位でトップを失ったことがきっかけとなって学校へ通えなくなっています。完ぺき主義者です。母親の励ましの言葉もむなしく、長期間のひきこもり時代に突入します。文末には、リストカットもしたような記述があります。本の冒頭では、46億年前に地球ができて、なんだかんだがあって180万年前ぐらいにヒトの祖先が生まれたとあります。その期間の永さと自身のひきこもり期間の永さを暗に比較して、自分の暗い過去期間は短いと示しています。
現在勤務されている佐用町が受けた大雨による水害と東日本大震災の被災も比較・並列してあります。地球はこれまでに、隕石(いんせき、メキシコ湾に衝突)、これもまた、先日、ロシアに落ちた隕石とつながります。2億1500万年前には、火山噴火などで、生命大量絶滅の時期があった。されど、地球は困難を幾度も乗り越えてきた。地球イコール自分であり、人類なのです。不安はあるけれど、不安の先に喜びが待っていてくれるのです。
海のある惑星を探す。そこに生命体がいる可能性が高い。科学と科学と相反するロマン(感情的なもの)との融合。銀河の広がりのなかに人類とは異なる生命体が存在する。
昨年、一昨年とブームになった小惑星探査機「はやぶさ」から、読書感想文対象図書として今回は、この本ともう1冊「宇宙へ出張してきます」が選ばれたのでしょう。ただ、こちらの本は、素材が宇宙でなくてもいい。主題は、苦境からの脱出です。学校生活になじめない、標準化できない個性は学者タイプに多い。ひとつのことに打ち込む。そういう個性を排除せず育てる環境がほしい。
最後に、「調査」は、国家の対立を超えて協力関係が成立することを知りました。ことに未来に向けて中国が果たす役割が大きい。
あとは、印象に残った文節を記述しておきます。
ひとりの人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな躍進だ(月面に一歩を記したアポロ11号アームストロング船長の言葉)
人類は自滅してはいけない。
「学校へいけないのは自分が悪い」自分を責めて苦しかった。
天文雑誌にあった小さな記事に興味をもった。(福島大学に新しい望遠鏡ができた。作者は同大学への入学を決意します。)
ぼくの夢はついに終わった。<ここから先はわたしの言葉です。もうだめだは、まだいける>
あのとき、心の休憩が必要だった。
理想の自分と現実の自分との差が苦しかった。
ふとしたきっかけで扉が開く。
先生そこテストに出る?(点取り目的の学習)
SETI(セチ。地球外知的生命探査。地球で電波を送受信することで地球外に存在する生命体の存在を確認する)は、自分探しの旅。ひきこもり終了後30年経ってかなった夢。
最後の最後に、隕石に地球の生命体と同じDNAがあったという記述を思い出しました。案外地球人の素(もと)は地球外の宇宙から隕石とともに飛来したのかもしれません。DNAは「地球外知的生命体」のもので、その星はすでに消滅したのです。
2時間ぐらいで読める本です。作者の自伝です。タイトルの内容とは別に大きなテーマがあります。作者は、中学生時代「不登校」でした。高校へは通っていません。長い間、自宅にひきこもっていました。22歳で大学1年生になります。その後、作者は驚くべきことに高校で教師として理科を教え、高校を退職後は、子どもの頃からの夢だった天文台に勤めています。さらに、世界中の天文台の協力を得て、「地球外知的生命」の探査研究を実施しています。作者は作中でなんども、不登校・ひきこもりだったけれど、「夢をあきらめないで」と読者へ熱いメッセージを送り続けています。そのメッセージは、遠い星から届くであろうメッセージに似てやさしい。
作者の経歴は、永い旅です。昔、小椋佳という人の歌で「大いなる旅路」という歌がありました。旅は永くて遠いのです。ここいう旅とは「人生」です。昨今の風潮をみていると、人生は20代で終わりのような印象を受けます。20代での就職と結婚で人生は決定づけられて、以降は忍耐の生活で終わるのです。生活費の確保を主目的にするとそうなります。いいともわるいとも言えません。
記述の中身は、「地球外知的生命」の存在を信じて、存在を証明するために、莫大な経費を必要としない電波による観測を世界中の天文台と協力して訓練するように努力を重ねているということが書いてあります。それを「SETI」セチ計画と呼びます。
この本を読むのは中学生です。未来を夢見ながら読むことでしょう。わたしは50代です。過去をふりかえりながら読みました。ボイジャーとかアポロとか、ことにアポロ11号による月面着陸のシーンとアームストロング船長の言葉は、小学生のときに家のテレビで見ました。オズマ計画からアニメの登場人物の名前がきているだろうという推測は、今回この本を読んで自分の心のなかで生まれました。
作者は、中学2年生のときにサッカーで足を骨折し、治療のために学校に通えなかったことから成績が下がり、成績順位でトップを失ったことがきっかけとなって学校へ通えなくなっています。完ぺき主義者です。母親の励ましの言葉もむなしく、長期間のひきこもり時代に突入します。文末には、リストカットもしたような記述があります。本の冒頭では、46億年前に地球ができて、なんだかんだがあって180万年前ぐらいにヒトの祖先が生まれたとあります。その期間の永さと自身のひきこもり期間の永さを暗に比較して、自分の暗い過去期間は短いと示しています。
現在勤務されている佐用町が受けた大雨による水害と東日本大震災の被災も比較・並列してあります。地球はこれまでに、隕石(いんせき、メキシコ湾に衝突)、これもまた、先日、ロシアに落ちた隕石とつながります。2億1500万年前には、火山噴火などで、生命大量絶滅の時期があった。されど、地球は困難を幾度も乗り越えてきた。地球イコール自分であり、人類なのです。不安はあるけれど、不安の先に喜びが待っていてくれるのです。
海のある惑星を探す。そこに生命体がいる可能性が高い。科学と科学と相反するロマン(感情的なもの)との融合。銀河の広がりのなかに人類とは異なる生命体が存在する。
昨年、一昨年とブームになった小惑星探査機「はやぶさ」から、読書感想文対象図書として今回は、この本ともう1冊「宇宙へ出張してきます」が選ばれたのでしょう。ただ、こちらの本は、素材が宇宙でなくてもいい。主題は、苦境からの脱出です。学校生活になじめない、標準化できない個性は学者タイプに多い。ひとつのことに打ち込む。そういう個性を排除せず育てる環境がほしい。
最後に、「調査」は、国家の対立を超えて協力関係が成立することを知りました。ことに未来に向けて中国が果たす役割が大きい。
あとは、印象に残った文節を記述しておきます。
ひとりの人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな躍進だ(月面に一歩を記したアポロ11号アームストロング船長の言葉)
人類は自滅してはいけない。
「学校へいけないのは自分が悪い」自分を責めて苦しかった。
天文雑誌にあった小さな記事に興味をもった。(福島大学に新しい望遠鏡ができた。作者は同大学への入学を決意します。)
ぼくの夢はついに終わった。<ここから先はわたしの言葉です。もうだめだは、まだいける>
あのとき、心の休憩が必要だった。
理想の自分と現実の自分との差が苦しかった。
ふとしたきっかけで扉が開く。
先生そこテストに出る?(点取り目的の学習)
SETI(セチ。地球外知的生命探査。地球で電波を送受信することで地球外に存在する生命体の存在を確認する)は、自分探しの旅。ひきこもり終了後30年経ってかなった夢。
最後の最後に、隕石に地球の生命体と同じDNAがあったという記述を思い出しました。案外地球人の素(もと)は地球外の宇宙から隕石とともに飛来したのかもしれません。DNAは「地球外知的生命体」のもので、その星はすでに消滅したのです。
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