2013年05月19日

こおり 前野紀一 福音館 2013課題図書

こおり 前野紀一 福音館 2013課題図書

 二面性がある本です。ひとつめは、絵画書で、ふたつめは、理科研究書です。
 氷の絵を見ると、氷に生命があってまるで生きているがごとしです。氷は、プリンや氷菓子に見えます。写実的であり、写真と絵の中間的な描画です。氷は、光に照らされて輝き、光っています。美的満足を得ることができました。
 説明の根幹は、理科実験研究書です。水と空気には分子がある。低温化する経過でふたつは別れる。オレンジジュースの氷への変化、色付き水の氷への変化を経て、海水塩分の話へ伝わり、北極海の塩分を含んだ深海にある海水が海流の力で1000年後、太平洋上に浮上するという地球規模の壮大な解説へと発展します。
 作者からのメッセージは、「自然を大切にしよう」です。キーワードは、「循環」です。塩分がプランクトンを生み、食物連鎖のきっかけとなります。人間がしあわせに暮らすことができるおだやかな地球をラストページ付近に入れた「夕映えの絵」で表現してあります。
 氷が完成する経過としてふたつの現象があります。「速く」と「ゆっくり」です。「速く」では、氷の中に空気の気泡ができます。氷は濁ります。「ゆっくり」では、透明に近い氷が完成します。読みながら人間も同じだろうと考えました。しっかりした人間になるためには、氷づくりと同様に永い時間と根気がいります。


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