2013年04月17日

ポトスライムの舟 津村記久子

ポトスライムの舟 津村記久子 講談社

 ポトスはポトスで、ライムはライムというはっぱの観葉植物であろうと予想した。水槽の中に生けてある記述なので、根っこが無いわけで、主人公の長瀬由紀子さん29歳を現しているのだろうとこれもまた推察した。
 女性ばかりが数名登場するお話です。長瀬由紀子さんをカタカナ表記で「ナガセは」と記述する。カタカナの名前は記号であり読み手にとっては無機質です。人間の個性の魂が人形化しています。
 ナガセさんには、小学校4年生のこどもがいると長時間勘違いしながら読んでいました。こどもは冒頭で登場する職場のチームリーダ岡田さんのこどもでした。岡田さんは男性だと思っていました。女性でした。文章は切れ目がなく延々と続きます。
 ナガセはどうも化粧品製造会社のライン作業要員で働いているようです。世界一周クルージング旅行163万円に行きたい夢があるのですが、最後まで読んで、実際に行ったのか、あきらめたのかは読者の予想と判断になっています。
 女性が読む本です。男性のわたしは、ぼんやりしながら文字を追いつつ、よそ事を考えていたのです。友人の離婚話が出てきます。
 神戸に住む友人りつ子さんが、幼稚園の娘恵奈ちゃんを連れて奈良県にあるナガセの自宅で居候をします。ナガセの両親もナガセがこどもの頃に離婚して、今は母と娘のふたり世帯です。
 前半では30代直前、大学同級生のナガセの友人たち、おとなの話が続きます。渦中のこどもである恵奈ちゃんの発言を軸にした物語にすればよかったのにと感じつつ読んでいたのですが、中盤で恵奈ちゃんの興味・素行が描かれます。それもまたはっきりしたものではありません。
 読んでいるうちに「のりうつり感覚」が発生しました。自分は魂という目には見えない固まりです。

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