2013年03月30日

知っていますか?加齢黄斑変性 参天製薬㈱

知っていますか?加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい) 参天製薬㈱

 タイトルの目の病気「加齢黄斑変性」に罹患(りかん)して3年目になります。先月からルセンティスという手術による治療を受けています。これは、目玉の白目に注射をするものです。4週間に1回、3か月で3回注射します。3回でワンセットです。これまでに2回注射をしました。日帰り入院で、翌日午前中が検査です。
 症状としては、片方の目の中心点が見えません。ごくわずかな範囲ですが、物が曲がって見えたり、ぐにゃとゆがんで見えたり、見えたり消えたり点滅します。苦労するのは、その片方の目、単体では、手元の文字を読むことはできません。もう長いこと、片目だけで文字を読んでいます。疲れます。車の運転は今のところ支障はありません。両眼だと遠くまで見えます。でも運転免許の書き換えは心配です。
 目のなかで焦点の役割を果たす部分が盛り上がっています。網膜に水がたまっているのです。水はほんの0.2mmしかない半球体でたまっています。点滴をしながら撮影した写真には、ドーム球場のような形のなかに水があることが映し出されます。手術による注射は、たまっている水を減らしたり、これ以上悪化しないように現状維持させる目的があるようです。
 最初の手術の時には、なにせ目玉に注射するわけですから恐怖心がありました。終わってみれば、痛みはなく、かつ一瞬のことでした。開いた目の上に粘着質のあるシートをかぶせて目玉が動かないように固定します。それからシートの一部分をはがして、そこから小さな注射器でほんの少しの量の薬剤を注射します。針が触れる感触がありますが、痛みはありません。まぶしい光の中に、液体の薬が流れていくのが見えます。注射よりもその前にしていただく目の洗浄のほうが痛い。目の中にゼリー状でかつ粉っぽいものが入ります。違和感があります。40分程度の手術です。準備に時間を要します。注射行為自体は5分間もないでしょう。わたし自身はリラックスを心がけています。全身の力を抜いて、1・2、1・2と数字を唱えながら呼吸を整えています。手術室には同じような病気をかかえた人たちが移動式ベッドにあお向けに寝て並べられます。まるで台の上にお肉がならべてあるように見えます。たくさんの職員さんたちが次から次へとベッドを動かしていきます。職員さんたちが白雪姫に出てくるこびとたちに思えます。ちょこまかとすばやい動きです。先生(ドクター)は、薄いブルーの服を着て(昔でいうところの白衣)構えています。目だけだして、まるでターミネーターのようなロボットの動きです。
 まだ、治療経過中であることもありますが、完璧に見える状態までには至っていません。矯正で0.4の視力が0.5に上がりましたが、ゆがんで見える状態はあまり変わりがありません。ただし、両眼で見るときにはだいぶ楽になりました。
 以下は、診察室においてあったパンフレットを読んでの感想です。
「知っていますか?加齢黄斑変性」製作はすべて参天製薬㈱です。
 わたしは、医学のことはよく知りません。「硝子体」はがらすたいと読むと思っていましたが、しょうしたいとふりがながふってあります。網膜がフィルムとありますから、わたしの場合はフィルムである網膜が盛り上がっています。加齢ですから高齢者に多い病気です。実際わたしと一緒に手術を受けているのはわたしよりも20歳以上年上の人たちです。自分が場違いであると心苦しくもなります。また、自分の肉体年齢はすでに70歳を超えている、寿命が近づいているのではないだろうかと不安にもなります。検査のときは必ず薬で瞳孔(どうこう)を開きます。人の死を瞳孔が開くことで確認するという固定観念があり、初めてのときはどきどきしました。瞳孔が開いた状態はシャッターが開いた状態と解釈していますが本当かどうかはわかりません。瞳孔を開くと数時間視界がかすみます。太陽の光線はとてもまぶしい。車の運転はできません。
「斜視・弱視の話」斜視の人はたまに見かけます。見えていると聞きます。弱視の人はだれがそうなのかはわかりません。病院はいつも満員に近くて、世の中には目の悪い人がたくさんいることがわかります。また、呼び出しのアナウンスで受診のために遠方から来ておられる人が多いことがわかります。さてパンフレットでは、成長にともなう斜視・弱視の解説がしてあります。あかちゃんから始まって視力形成の経過で目に見えるものを脳で理解する過程が記されています。加齢黄斑変性のわたしも症状としてたまに斜視になることがあります。焦点がつかめないときです。家族からどこを見ているのかわからないと言われます。自分でもそのときは目の視点がばらばらになっていることがわかります。パンフレットでは、子どもさんについて言えば、出生後に保健所さんから案内がある定期健診の受診が勧められています。
「気になる結膜下出血」わたしは、目の白目が血で真っ赤になったことがあります。まるで妖怪です。自分で鏡を見ると不気味です。目がつぶれるのではないかと恐怖と不安にさいなまれました。ちょうどそのとき眼科の受診がありました。全然気にすることはないようです。不安は一蹴(いっしゅう)されました。時間や日にちがたてば、もとの白目に戻ります。自分の体験としては人間ドックを受診して胃カメラを飲んで、胃かいようが発見された頃でした。体全体のバランスがくずれると目に見えるからだの表面に警告として異常が出てくると理解しています。それから、若い頃は体の原状回復が可能でしたが、加齢にともない元に戻ることがなかなか難しくなってきています。
「チェック!!ドライアイ」最初にテストページがあります。10秒間まばたきをしないで図をみつめるものです。簡単です。でも10秒目ぐらいには、涙がジーンとにじんできます。次にこういうことはないかというアンケートのような項目があります。パンフレットはドライアイの人が読むことを想定して、大きなゴシック体の文字となっています。病気の原因は、ここでも加齢(かれい)が登場します。確かに皮膚が乾燥します。目の表面も乾燥するのでしょう。また、コンタクトの使用についても書かれています。
「正しく使いましょう点眼剤」何も知らなかった頃は、点眼剤を目がびしょびしょになるまでぽたぽたと何度もさしていました。数滴でいいことがわかってからは、無駄遣いをしなくなりました。こどもさんへの点眼のしかたも書いてあります。自分がこどもだったときは、上から針を刺されるようでこわかった。こどもさんが寝ている間に点眼するのもいい方法のようです。開封したらラベルにある期限は無関係になり1月ほどで使用をやめるようにとあります。わたしは知らずにずっと注(さ)していました。処分しよう。

<以上の感想文は3年前に書きました。>
 結局右目の加齢黄班変性は治癒しないまま6年が経過しました。
 3か月に1回検査のために通院しています。病気になった右目の変化の確認と正常な左目に同じ症状が発生していないかの確認です。症状は6年間固定したままで変化はみられません。
 運転免許の書き換えでの視力検査は簡単にパスしました。両眼合わせた視力では問題がありません。
 正直もうあきらめています。片目だけの文字読みは、都合のいいもので、小説を読むときはつらくありません。仕事の書類を読むときは苦痛です。iPS細胞による治療が始まるようですが、実現化はずいぶん先のことでしょう。

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