2013年03月07日

「いい人」をやめると楽になる 曽野綾子

「いい人」をやめると楽になる 曽野綾子 祥伝社文庫

 「いい人」の定義って何だろう。明確には書けないけれど、けして、いい意味ではない。「いい人」になると不幸が押し寄せてくる。「いい人」と呼ばれるようになってはいけない。
 著者は自分の作品だと思いますが、それらを引用しながら、性悪説を前提として、生き方を示しています。無理をせずになすがままに生きる。他者に要求をしない。キリスト教徒としての気構えもあるのでしょう。世界のあるいは世間の片隅で、ささやかに生活する。
 老人になったら、周囲の者たちに迷惑をかけないようにすることを第一に考えたい。人にやらせて文句を言う人にはなりたくない。なるべく依存せずに知恵を出しながら自分のことは自分でやりたい。他者の領域に立ち入ってはいけない。他者とは距離を置く。他者の暮らしをうらやまない。
 30代の10年間は「迷い」でした。40代の10年間は「頑固」でした。50代の10年間はおそらく「償い(つぐない)」になるでしょう。

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