2013年02月18日

百年法 上・下 山田宗樹

百年法 上・下 山田宗樹 角川書店

 本屋大賞候補作9作品目の読書です。
 SF(サイエンスフィクション)です。分厚い本2冊ですが、読みやすく、1日半で全部読みました。「百年法」は、法律です。HAVI(ハヴィ human-antiaging-virus inoculation ヒト不老化ウィルス接種処置)を処置することによって、人間は死ななくなりました。その結果、特定の人物・世代が永遠に日本共和国を支配することとなったので、下の世代の不満が高まってきました。ゆえに寿命は100年までとする法律が「百年法」です。冒頭ではまだ施行されていません。
 西暦2048年からスタートします。35年後の未来人の生活はしあわせそうではありません。便利なようですが、管理される社会です。「家族」という概念は自然消滅しています。人は「個」です。
 全体を簡単にまとめてみます。年長者優遇に対する若年層の不満が爆発します。「百年法」の施行は国民投票でいったん廃案となりますが、若年層の暴動により、5年後に施行されています。いくつかの条件があります。HAVIハヴィの処置を受けるのは20歳以上で、いつ受けるかは自由です。受けたときの姿でそこから100年間の寿命が与えられます。HAVIを受けないこともできますが100年生きる保障はありません。国の大統領の寿命は特例により、100年の制限がありません。また、大統領の判断で、個別に100年の制限を撤廃することもできます。おそるべき独裁社会です。100年間制限を受けた庶民は、100年後に届く通知に基づいて自主的にターミナルセンターを訪れ、安楽死の処置を受けます。逃げたら逮捕されて死刑です。でも庶民たちは逃げるのです。アジトをつくりターミナルセンターほかの爆破活動をするのです。テロリストと定義されています。ところが、どんでんがえしがあります。ここには書きません。
 どういう気持ちで読めばいいのか迷いました。ふだんSFは読まないので、脳の使ったことのない部分が機能しました。今まで使っていた部分が眠り、今までになかった記憶や創造力が生じました。読書中に眠ってしまい、洪水の夢をみました。ビルの1階にいて、大雨で、窓の外が水族館の水槽状態になって、階上に逃げ、屋上に着いたときには大津波が押し寄せていました。一昨日は、ロシアに隕石が飛来して大きな被害が出ました。起こるはずのないことが起こるという意表をつくような出来事が続いています。
 書中では、人を外見で年齢判断することができません。予想外のこととして、永遠に死なないことを望んでそうなった人たちのいく人かは、自ら死ぬことを望んで自殺していきます。
 どう表現していいのか思い浮かばないので、印象に残った部分を書いて終わります。
 庶民が集まるバーで、長い名前のカクテルが何度か登場します。何か意味合いがあると感じるのですが、何なのかはわかりませんでした。
 行政組織とか法律に関することが基礎になっています。作者はよく勉強されています。
 下巻71ページ、仁科ケンの言葉「法律で人を死なせるのは間違っている」
 この本を読む前に百田尚樹著「海賊と呼ばれた男」を読み終えました。不思議なことに物語が継続しているような感覚がありました。百田作は、明治から昭和49年までです。「百年法」には第二次世界大戦の記事も登場します。内容が重なる部分があります。


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