2013年02月07日

シベリア鉄道9300キロ 蔵前仁一

シベリア鉄道9300キロ 蔵前仁一(じんいち) 旅行人

 日本の3倍の長さの鉄道線路がユーラシア大陸を横切る。読み始めは、映画の幕開けのようです。天気概況で聞くぐらいしかないウラジオストクという地名はロシア語で、東方を征服せよという意味と書中にあります。すべては、軍事目的で施設が整備されていく経過が人間界のなりわいでもあります。
 列車にのりっぱなしという内容ではなく、途中の駅で下車して宿泊して、ふたたび列車に乗り込むという旅です。シベリアの写真から受ける印象は、うら寂しく、空気は冷たく、薄暗いものです。写真は、ふんだんに掲載されています。反面、狭い場所に人口が集中している日本の暮らしからみれば、うらやましい。
 写真と文を追いながら、「国」とはなんだろうという思いにかられました。国民という意識はどこから生まれてきて、国民であることにどれだけ感謝できるのか。民族単位で国家を形成することの意味はとか。
 シベリア地域の人たちの食生活は、パン、ハム、チーズが中心。アルコール好きで、平均寿命は64歳、しばらく前まではわずか58歳とあります。労働者の平均収入は14万円。たしか、台湾も韓国も同じような額でした。世界の中でみれば、日本人労働者の収入はかなり高い。旅先で注意しなければならないのは「警官」、難癖をつけてきて、金銭を要求してくるとあります。警官の収入もよほど低いのでしょう。ロシアのひとたちは、生活をしていて幸せだと感じられるのだろうか。

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