2013年02月09日

いつかパラソルの下で 森絵都

いつかパラソルの下で 森絵都(もりえと) 角川書店

 3人きょうだいは順番に長男が28歳、長女が柏原野々さんでこの物語の語り部、次女が花さんで23歳公務員です。そんな3人の父親が達郎さんで、民間会社の部長さんでしたが交通事故死しています。
 父親の一周忌にからんで、父親の浮気がことの発端となって、ごたごたした話の展開になっていきます。父親の絶倫話には笑わされました。
 女性の性と心の動きがテーマのひとつになっています。いい本です。
よくしゃべる家族です。母親は生存しています。彼女は、夫の死後は病院通いが趣味になっています。会話形式で物語が進行していく展開です。
 人間の二面性についても描かれています。127ページある次女の同居相手が次女に言う別れのための意見にはわたしも共感しました。されど人の気持ちはいかようにでも変換されていきます。各自、そのときそのとき自分の都合のいいように理屈の展開をしていくのが人間です。


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