2013年01月16日

ひとり名画座11 ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア

ひとり名画座11 ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア DVD

 癌で医師から余命短命を告げられた若者ふたりが、入院中の病院から脱走して、海を見に行くことを目的に残された時間を過ごすドイツ映画です。
 ふたりは途中、大金がのったギャングのベンツ(ベイビー・ブルー)を盗み、ガソリンスタンド強盗、金融機関強盗、偽人質をとっての逃走を続けます。死の宣告を受けているふたりにとって、死刑とか収監とかの怖いものはありません。その経過のなかで、お金で寿命を買うことはできないことが観客の胸に刻まれます。
 下ネタとタバコ、アルコールと銃、映画の雰囲気は暗い。宣伝では笑いの連続ノンストップアクションとされていますがあまり笑えません。ドイツ人の笑いのツボは日本人と違うようです。再鑑賞の今回は、途中、退屈でもありました。
 ユーロになった今、ギャングから横取りした100万マルクという金額がどれぐらいなのかわかりません。97年の映画です。7500万円ぐらいのようです。彼らはそのお金で、強盗をした店に返済をして、サンタクロースみたいに知らない人のポストにお金を投げ込みます。強気のマーチンは、プレスリーファンである母親にプレスリーが愛好したキャディラックというアメリカ車をプレゼントします。(映画のところどころでアメリカ合衆国崇拝意識が表れることが不思議でした。)弱気なルディが見たいと言ったヨーロッパの海は、日本の海のように明るくて温かみがあるわけではありません。波は高く冷たい藍色です。
 「死」を意識しながら今日を生きていく。

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