2013年01月03日

ひとり名画座4 砂の器

ひとり名画座4 砂の器 DVD

 前回DVDを観たときと感想に変化がありました。巡査三木謙一さんのした行為は、昭和の時代なら許されるけれど、平成の現在ではしてはいけない行為という感想でした。再び、今日映画を観て、その考えは間違っていると強く諭(さと)される気持ちになりました。長い時の流れがあろうと普遍的に変わらないものがあります。三木巡査の言動は正義であり未来永劫継続すべき心もちです。
 生活をしていく上でいろいろなものが便利になるにつれ、人間の喜怒哀楽の感情が浅くなった気がします。この映画は、1974年製作で、当時の日本の風景(どこへ行っても里山の緑の濃い田舎)、俳優陣の熱演によって築きあげられた名作です。もう今の時代にはつくれない。後半30分間から40分間は圧巻です。犯人指揮者・ピアニスト和賀英良(わがえいりょう、本名本浦秀夫もとうらひでお)の少年期の様子がつまびらかにされます。(詳しくはっきりする)
 推理小説です。返り血を浴びた白いスポーツシャツを切り刻んで列車から紙吹雪のように飛ばした女性(和賀の情婦)島田陽子さんとの関係では、女の悲しみと男の罪(つみ)が表現されます。
 昭和17年頃、同39年頃という設定から、馬車、電車旅が強調されています。また、第二次世界大戦の影が濃い。
 サブタイトルのようになっている「宿命」の解釈が何度か登場します。この世に「幸福」は存在しないという前提があって、望まぬ人生を生きねばならないことが、「宿命」とされています。交響曲は、湿った郷愁含みのせつない調べです。
 信仰心をもっていないと自分を支えきれないときがあります。たとえば、人を絶対に殺してはいけない。理屈ではなく、神が決めた。あるいは、仏がそう決めた。だから、殺人という選択肢はない。じゃあ、戦争はいいのか。戦争もよくありません。じゃあ、攻められたらどうするのか。知恵と忍耐と祈ることで争いを回避するのです。そこまで、考えさせられた映画でした。


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