2013年01月02日

ひとり名画座3 クール・ランニング

ひとり名画座3 クール・ランニング DVD

 最後は猛烈に泣けます。人間に生まれてきて良かった。この映画を観ることができてよかったというところまで気持ちは高揚します。
 最終的にオリンピック精神は、勝ち負けではない。国家の代表として競技に参加して、国と国との交流を促し、平和を維持して、人類の共存・共栄を目指す。物語の基礎はその理念(こうあるべきだという根本の考え)にあります。
 手づくりが光っています。最初のシーン、陸上競技選手がスタートを構える靴のストッパーは「石」です。ゴールテープは、トイレットペーパーです。ボブスレーのソリは練習用で、塗装もしてありません。選手自らの手で塗装するのです。
 仲の悪い選手同士として、お金持ちのお坊ちゃまジュニアと成り上がりを目指すユル・ブレナーは、しっくりいきませんが、ジュニアがブレナーの夢を尊重し、ブレナーがファザコンのジュニアを力づけ、お互いの友情が高まります。ジュニアの父親は息子の行為を否定しますが、最後はジャマイカの応援Tシャツを着て、息子を励まします。至るところに、人と人とのぶつかりあいのあとに芽生えた愛が散りばめられている映画です。
 ジャマイカの自然、人となり、街、貧乏子だくさん、レゲエミュージック、国民としての誇り、それらがよく伝わってきます。
 再起を促す映画でもあります。20年前のコーチの失敗。20年前のコーチの夢。コーチとドライバーであるデリースの亡父親との関係、長い年月を超えても「縁」という「糸」はつながっています。
 何度か繰り返される「サンカ、死んだか」の言葉。観客自身が生きていることを実感させてくれる幸せの映画でした。


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