2012年12月21日

そうか、もう君はいないのか 城山三郎

そうか、もう君はいないのか 城山三郎 新潮社

 城山三郎さんという方の詳しいことを存じ上げませんが、先入観として、エリート、ダンディな男性、お金持ち、そんなところでしょうか、しかし、本書を読んで、作者は、人付き合いが苦手、辛酸をなめた人、奥さんに支えられてきた人ということで、予想外でした。
 作者は戦争体験者であり、戦後、自分は本当は死んでいた。余剰の人生を送ることになったという思慮は、なかにし礼著「兄弟」にある同作者の兄の様子が目に浮かびました。
 75ページから76ページにある直木賞受賞時のエピソードの記述が好きです。お祝いに奥さまがお風呂を沸かす。本人は、淡々と書き続けていくことを誓うのです。
 偶然ですが、この本を読み始めた夜にドラマが放映されていました。最初の一部分だけ見ました。見ていると、読書で得た自分の想像したシーンが壊されるので全部は見ませんでした。
 奥さんの病気「癌」に関しては、体調が悪いと思ったら病気の心当たりがなくても、早めに検診を受けた方がよいと教えられました。また、医者という職業は怨(うら)まれることもあるのだなとちょっぴりお医者さんに同情しました。
 先に妻を亡くしたときのショックは、もし自分だったら作者同様にひどく落ち込むでしょう。夫婦はあとに残されたほうが、つらい。

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