2012年12月16日

鉄子の旅写真日記 矢野直美

鉄子の旅写真日記 矢野直美 阪急コミュニケーションズ

 あっという間に読み終えてしまいました。これだけたくさんの場所に行ったことがあるのに、ダイジェスト判になってしまっていて、なんだかもったいない。
 出だしの「On your mark.」は唐突(とうとつ)では歩けれど、「位置について」の解釈がいい。いつでもどこでも、よーいどんはできる。いい言葉です。
 写真が美しい。旅したい女性向けの記述なのでしょう。
 都会に生まれ育って、都会で働き生活してきた人の感想という印象をもちました。狭い路地とか、こどもの川遊びとか、山の急斜面に立ち並ぶ家々とかは、田舎暮らしを経験したことがあるものにとっては、あたりまえのことであり、あたりまえの生活です。
 じっとしていられないから旅に出るのでしょう。ひとりだとさびしいけれど自由だからひとり旅をするのでしょう。
 宮崎県民ののんきさは、今読んでいるスペインの本にあるスペイン人と共通しているようです。どちらも海や山の幸に恵まれ、かつ人口が少ないから自給自足ができる。なんとなれば、自分で食べ物を調達して食べて生きていけるから、生きるか死ぬかというせっぱつまった状況に陥る(おちいる)ことはない。田舎暮らしの強さでしょう。安芸の宮島にしても書中にあるように赤鳥居のそばで地元の人が潮干狩りをしています。たくましい。


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