2012年12月04日

毎日かあさん 映画(再鑑賞)とマンガ

毎日かあさん 映画(再鑑賞)とマンガ ケーブルTV録画

<最初に以前マンガを読んだときの感想文です。>
毎日かあさん カニ母編 西原理恵子 毎日新聞社
 お酒飲みとは結婚しない方がいいと思う。余計な負担まで背負い込むことになる。
 マンガの本です。血を分けた家族のありがたみが伝わってきます。しみじみします。文字数が多いので、小説を読んでいるようです。だれしも親であれば、最初に生まれたこどもには過大な期待をします。あとになってそのことを後悔します。

<次に前回映画を観たときの感想です。>
毎日かあさん 映画 TV録画
 郷愁だろうか。こどもの頃を思い出しました。原作者西原(さいばら)さんの漫画や小説は何冊か読みました。自分自身、子どもの頃はスラムで育ちました。彼女の作品にはそれ以下の底辺の生活が描かれています。
 作者の体験がマンガとなり映画となっています。結婚、離婚、同じ男性と再婚、そして、旦那さんは亡くなっています。静まり返った自宅で顔に白い布をかぶせられて横たえられた遺体があります。わたしの父親も酒飲みでそうやって死んでいきました。理想の父親ではないけれど、人、本来の生き方を教えてくれた人であったことで作品と現実の共通点があります。
 西原宅は大きな家です。西原さんは、漫画の印税で5000万円もうけて、マージャンで5000万円すったと、昔読んだ本に書いてありました。豪快です。
 映画の冒頭付近では、朝、通勤途上で立ち寄るコンビニ風景を思い出しました。ヤンキー風の母親と保育園に通う男児5才ぐらいとときおり出会います。先日は母親が息子に「(車の)エンジン、カケッパ(かけたまま)」と話していました。乱暴ではあるけれど、母は子を育てています。立派です。
 だらだらと流れていく映画です。後半に神妙になります。アルコールに溺れる夫であり父親です。彼は若い頃、世界各地を回るカメラマンだった。
 ふたりの結婚は縁のものです。小泉ママは、同じにおいがしたと、結婚した理由を語ります。かあさんは、毎日かあさんをする。とおさんは、ときどきとおさんをする。幼い息子と娘はかあさんもとおさんも大好きなのです。

<最後は、映画を観て感想文をつくったことを忘れてまた映画を観て感想文をつくってしまいました。>
毎日かあさん 映画 ケーブルTV録画
 お酒を飲んで、お寿司をみやげに買ってきたよとふたりのこどもに見せて、箱を開けると子犬が出てくるくだりぐらいから面白くなります。
 坊主は漫画家の母親に向かって「(漫画家なのに)おかあさんの絵って力ないのにねぇ」のひと言には笑いました。そのとおりなのです。
 アル中になったら、(今なら紙)オムツをつけて垂れ流しで死んでいくというのが定番です。劇中でふたりの幼子(おさなご)がアル中の父親を慕うことが理解できませんでした。小学生の頃、神社仏閣で祈るしかないような生活を送っていた頃に、神さまの前で手を合わせて、アル中の親父を天国に召してくださいとお願いしていました。神さまは不純なお願いはきいてくれないと思っていましたが、2年ぐらいして父は天上人になってしまいました。成人してから母親とあの人が生きていたら今頃めちゃくちゃになっていたと語り合ったことがあります。その後、自分自身もアルコールに浸(つ)かるような生活が続いた時期があって、いい人を演じると人は狂うという実感を得ました。
 永瀬パパの演技からは悲しみが伝わってきます。小泉ママは熱演です。「嘘」で始まり「嘘」で終わる映画です。そして、こどもは生きてゆくための心の支えです。


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