2012年10月06日

三面記事小説 角田光代

三面記事小説 角田光代 文藝春秋

 新聞記事から拾ったものを小説化してあります。6つの短編です。
「愛の巣」人間は無いものねだりです。こどもの無い女性はこどもを望む。こどものいる女性はこどもに高い水準を望む、きりがありません。ちょっと凝りすぎ、複雑にしすぎた物語ではないだろうか。
「ゆうべの花火」千絵さんの心理はすごく細かい。ひとり暮らしをしているからだろう。ひとりだと考えすぎてしまうのです。田口洋という男は悪い人間です。この作品はすごい。有り得ないようで有りうる。かわいそうな千絵さんです。うーむ。違うラストシーンを想像していました。
「彼方の城」母親愛子さんはだらしない。だからこどもたちもだらしない。愛子氏は頭がおかしい。愛子氏に苦痛を味あわないと夢はかなわないということを教育したい。子離れもできないだめな母親です。
「永遠の花園」いつ給食に毒を盛るのだろう。長々と中学生女子たちの日常風景描写が続く。男が好きなのか、恋愛が好きなのか、周囲に対する目立ちたがりなのか。見せびらかしたい年頃という解釈に落ち着く。
向精神薬を教師に盛るのはいたずらなのか犯罪なのか。教師が生徒に何をしたというのか。あいまいな年齢の不透明な行動です。重くて暗い。
「赤い筆箱」それは「比較」です。親族間、きょうだい、親子、いとこ、夫婦、集まれば「比較」が始まる。それは憎しみに発展していきます。この話はあまりにもむごい。
「光の川」認知症母と息子の介護話ですが、大変だなあという思いが先立ちます。ユーモラスではあるけれど、悲劇的な結末が待ち受けていると思う。


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