2012年09月19日

こころ 映画 

こころ 映画 ケーブルTV録画

 1955年に上映された白黒映画です。映像の表面は古さを感じさせず美しい。冒頭のシーンは最初はわからなかったのですが、鎌倉沖への入水自殺をイメージするものでした。原作は夏目漱石作品です。
 親戚から相続で裏切られた主人公は、自分は被害者という立場を主張しつつも、やがて結婚問題で親友を精神的に追い込むという加害者になります。人間がもつ二面性を克明に描いた作品です。当時の役者さんたちの表情はりりしい。(ひきしまっている。)
 明治45年の設定で、当時の再現街並みとか暮らしに目がいきました。先生はビールや紅茶を飲めたり、家には電灯がともっていたりする。奈良市で見た志賀直哉氏の豪邸を思い出します。
 人間は近づけば近づくほど、お互いのこころを傷つけることになります。だから現代人は相手に距離を置くようになりました。しかたがありません。

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