2012年09月19日
ブスのくせに!最終決定版 姫野カオルコ
ブスのくせに!最終決定版 姫野カオルコ 集英社文庫
おそらく作者は私と同い年くらいなのだろう。登場してくる芸能人たちとその時代背景の記述が自分の記憶と一致します。
中身はこれまでに雑誌等へ掲載した随筆をまとめたものです。人の顔をはじめとした外見について、作者が抱いた観察・考察が発表されています。
日本人全体が高齢化してきたためか、街中で見かけるのは、お年寄りと自分よりも上の年齢の人ばかりです。美人とかブスとか極端な容貌に見える人は数十年前と比較して少なくなってきました。
「ブスのくせに!」という書名と中身がどう一致するのかよくわからないまま読み終えました。一方、文章を読みながら作者への関心のほうが強まりました。好きな人をはっきり好きとおおっぴらに言えるところがうらやましい。卑猥(ひわい)な話が面白い。
この本の性格は生活費を稼ぎ出すための売るための本、売れるための本です。それが悪いとはいいませぬ。エッセイの書き方を教えてくれます。読者の関心があること、特異なことを記す。ラスト付近は「人間の商品化」です。大衆が喜んで受け入れるアイドル像をつくって稼ぐに尽きます。
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