2012年09月16日

最後の言葉 川嶋あい

最後の言葉 川嶋あい ゴマブックス

 著者の生い立ちは衝撃的です。産みの母が死に、育ての父が死に、育ての母が亡くなる。わずか16年間の早すぎる不幸。そして、ストリートミュージシャンとなり目標の1000回を達成する。読み始めは心にじーんとくることばかりでした。福岡県の人たちの暮らしが方言をとおして伝わってくる。とくにお金の貸し借り。常識から考えて、人には金を貸さない。しかし、貸してしまう。親のいないこどもの気持ちは、親のいないこどもを経験した者にしかわからない。片親になれば貧困が待ち受けている。若い夫婦たちがこどもがいるのに簡単に離婚する理由がわからない。母子家庭の経済状態は悲惨です。子は働かなければならないし、望む高等教育をあきらめることがおおい。
ミュージシャンのためか文章が歌詞として聞こえます。本の内容は、地道な努力の記録です。この本に出会ってよかったと思う。不便だから夢がある。夢をかなえるために莫大なエネルギーを注ぎ込む。若いからできる。無知だからがむしゃらにできる。ご健闘を祈ります。

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