2012年09月11日

清須会議 三谷幸喜

清須会議 三谷幸喜 幻冬舎

 織田信長が本能寺の変で倒れたあとの跡目争いです。豊臣秀吉対柴田勝家の図式で物語は続きます。読み始めは、こんなにくだけて書いていいのだろうかと不安と心配にかられますが、そのうち慣れてしまいます。
 英傑たちが誕生した地で暮らしているので、登場してくる地名や人物は身近に感じます。織田三七信孝(信長の三男)のお墓はときどき行く寺院内にあるので何度かお参りしました。これまでどのような人物かは知りませんでしたが、この本を読んで少しだけわかったような気になりました。
 駆け引きの世界です。秀吉はかけひき上手です。天下を統一して戦(いくさ)を終わらせたいという彼の夢には賛同します。大将が倒されて本来ならピンチなのですが、彼はピンチをチャンスと考える男でした。
 各人のモノローグ(ひとりごと)は、喜劇ですから面白い。この作品は来年映画として公開されるそうです。たぶん観にいくことでしょう。役者はだれでだれを演じるのか。楽しみです。
 親族関係・友人関係のある者どうしで争う内紛は見苦しいものですが、過去から現在まで、延々と続けられている人間の営みでもあります。血縁にこだわる日本人社会があります。
 会議に関して言えば、以前読んだ「忘れられた日本人」宮本常一著があります。昔の日本人男性たちは毎日毎日寄り合いをしていた。同じテーマで何日も何日も話し合いをする。全員一致の総意に達するまで話し合って物事を決めていたそうです。西洋的な発想である「多数決」と比較すると、アジア的、日本人的でわたしは好きです。
 この物語の場合でも、柴田勝家グループは不満をもっていますが、形式上は全員一致の結果を見出しています。


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