2012年09月10日

最強のふたり 映画館

最強のふたり 映画館

 パラグライダー事故で首から下の神経を失った車椅子の大富豪フィリップと親族関係に恵まれず貧民街で育った黒人男性ドリスとの心あたたまる喜劇です。
 時間帯が3つに別れます。最初が「現在」、次に「過去の経過」、そして「現在」に戻ります。最後に実話を基にしていることが紹介されてモデルになったふたりの映像が流れます。
 冒頭からふたりのやっていることは素行がよろしいとはいえません。スピード違反、無免許運転、たばこではなくマリファナっぽい、性欲の充足など。ヨーロッパ人だったら瞬間的にわかる固有名詞もあるので、日本人が観るのとヨーロッパ人が観るのとを比較すると、感じ方の深みがヨーロッパ人のほうが深いと思う。
 本音の会話が人間のありようを刻み出しています。障害者差別と感じる言語が飛び交います。黒人ドリスは障害者フィリップを特別扱いしません。ふたりの衝突はしょっちゅうです。ドリスは相手が雇い主だからといって遠慮もしません。言いたいことを言いますが、助言も惜しみません。
 フィリップの錯綜する苦悩を観ているとだれか外へ連れ出せばいいのにと思います。そうするとちゃんとドリスがフィリップを海へとドライブで誘って(いざなって)くれるのです。車椅子のフィリップは自分が障害者であることに同情してくれないドリスが大好きです。
 前半と後半をつなぐ伏線は「卵」です。フィリップの亡き妻が大切にしていた装飾品の卵がふたりの関係を途絶えさせません。亡き妻の姿はなくとも亡き妻のフィリップに対する愛情はフィリップのもとにあったのです。
 音楽が美しい。クラッシク、ダンスミュージック、ポピュラーミュージックなどが流れます。絵画鑑賞・製作シーンが登場します。さすが文化の国フランスの映画です。


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