2012年09月09日

坊ちゃん 夏目漱石

坊ちゃん 夏目漱石 集英社文庫

作者は坂本竜馬暗殺の年に生まれています。
本作品は明治39年、作者39歳のときのものです。
万人に共通する家族への気持ちから綴り方が始まっています。
お坊ちゃまらしさが随所に現れている。
お金に細かい人です。
いじめがユーモアへと発展していきます。
日記が基礎となって作品ができあがっていると思います。
この時代にあだ名でひと作品を仕上げてしまう斬新さに感心しました。
狸は校長、赤シャツが教頭、野だいこが画学で、数学が山嵐そしてうらなりが英語です。
私はうらなりが漱石と感じました。
東京に居たころのお手伝い清(きよ)さんが坊ちゃんの心の支えです。
作者は坊ちゃんという個性をつくって、自分のできないことを坊ちゃんにやらせています。
132ページあたりで郷愁に誘われます。
140ページ。いつの時代でも、世の中はいじめが蔓延しています。
明治時代における日本風俗の記録を読むようでした。

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