2012年09月02日

星の王子さま サン・テグジュペリ

星の王子さま サン・テグジュペリ 新潮文庫

著者の経歴に魅力を感じる。フランス貴族として生まれ、パイロットとなり、1944年離陸後帰還せず。
この物語の内容にその事実がそのままあてはまる。
前半は読みにくい。何が書いてあるのかわからない。
いつの時代でも、国籍がどこでも人間が思うことは同じ、そのようなことが書かれていると思う。
王子はこどものようだ。
読むことが苦痛になってくる。
大人と子どもとを比較して矛盾点の争いをしている。
たとえ話の主題がわからない。
大人=欲、こども=無欲か。
無数の星は個人ひとりひとりで、大人は数字を追求する。しかし、どの人も孤独だ。
キツネをなつかせるあたりから物語は柔らかく、わかりやすくなってくる。
無数の星の中の1個の星にこだわりだす。
スピードを求める大人への批判だが、パイロットである著者の職業とは相反する。
誠実であることは馬鹿なことか。その馬鹿が王子であり著者であるのか。
著者は人間の「行為」に「意味」を求めてくる。
最後は日本民話「鶴の恩返し」を読み終えたような感覚でした。

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