2012年07月13日

きよしこ 重松清

きよしこ 重松清 新潮文庫

 「きよしこ」とは、ピーターパンのようなもので、作者の分身だと思うのです。「きよし」がいて「きよしこ」がいるのです。クリスマスの歌「清しこの夜」が「きよしこの夜」となり、きよしこの由来となっています。
 暗くて悲しい物語でした。吃音(きつおん、どもり)にまつわる作者の自伝ともなっています。作者は自問自答を繰り返しながら作家へと成長していったのです。
 この本は、吃音に悩む同症状のこどもたちとか、医療関係者、福祉関係者あてに書かれているようです。作者の吃音にまつわる貴重な体験の紹介となっています。治療のために周囲がどうすればよいのか。そのヒントになっています。
 吃音を離れて、この本を好きそうな少年は多そうです。自分の言いたいことが言えずにがまんして、閉じこもっていく。そういう少年たちです。正直なこどもたちは、協調性に欠けると見られるのでしょう。おせじは言えないし、人をおだてることもできないし、ばかにもなれない。でも、それでいいじゃない。作家から自分に似たこどもたちへのメッセージは勇気と励ましです。


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