2012年06月23日

ミンティたちの森のかくれ家


ミンティたちの森のかくれ家 キャロル・ライリー・ブリンク 谷口由美子訳

 ママが死んだ3人家族(パパ、長女、次女)と両親を亡くした少年は、いずれもホームレスです。時代背景は1930年代、大恐慌(不況)で職がありません。彼らはアメリカウィスコンシン州にある空き家、他人の家に住みつきます。長女の名はミンティで、その家をかくれ家と称します。
 幸せになるために必要なものは誠実な心と、この物語は教えてくれます。具体的には、あたりまえのことをあたりまえにすることです。書中に表現がある「親切というお金」が幸せづくりを補助してくれます。
 いつも詩をくちずさむパパはちゃんと働かない。小説家志望で文学賞を狙っていますが才能はありません。シェークスピア(1500年代、イギリスの劇作家)とかワーズワース(1700年代、イギリスの詩人)の詩がパパの口から多数出現します。パパは楽観的で自然愛好家です。調子はいいけれど生活に対する真摯(しんし、まじめ)な態度はありません。わたしは読書中、娘ふたりはいつ学校で勉強するのだろうかと不安になりました。
 インディアンが登場します。少年少女たちは彼らの居住区を訪れています。侵略した民族と侵略された民族の衝突の心配をよそに平和です。異なる人種が共存しています。その後住人が増えて、「森のかくれ家」では、異なる体験をもった人々たちが「森の家新聞」をつくり生活を楽しみます。保安官の規制とか、家でペットを飼うなとか、そういった住人を抑圧するものが排除された生活空間を創りだしています。第5章の出だしはGoodです。人生、快晴の日ばかりではありません。雨の日、雪の日の記述は情景が目の前に浮かぶようです。人間を善人と悪人に分ける記述はおもしろい。今年読んでよかった1冊になりました。訳者あとがきもよかった。作者は幼い頃に両親を亡くし、彼女の淋しさをまぎらすためにおばあさんがたくさんお話をしてくれたとあります。


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