2012年06月23日

わたしのワンピース にしまきかやこ

わたしのワンピース にしまきかやこ こぐま社

 職場の近くにある駐車場にとめた車の中で、出勤までのわずかな時間を利用して、絵本の本読みです。1ページを開いて、とてもきれい。2ページ目は美しい。色彩がいい。3ページ、うさぎのワンピース、三角形の形がいい。右上にあるチューリップの配置がいい。4ページ、文句のつけようがない。5ページ、三角のワンピースが花模様(もよう)に変化した。発想がいい。6ページ、雨の降る角度と量がいい。7ページ、雨の軌跡のゆるめがいい。デザインの教科書のようです。水色と緑色の調和がいい。8ページ、右下黄金色の小麦(ねこじゃらし? あとで草と判明)の配置がいい。3ページのチューリップの位置とつりあいを考えてあります。11ページ、鳥はワンピースの模様になると予想するも、12ページで模様にならない。そうか模様にならないのか。予想がはずれたと思わせて、13ページで、やはり模様になるという意外性がいい。裏をかかれたと感嘆しました。14ページ、右上に虹、左下に虹と同じ色調でロケット噴射の軌跡のような線、右上の虹は平凡かと感じる。17ページ、「おやすみ」でこの絵本は終わったと思っていた。お布団のなかで読み聞かせをしていて、こどもが眠ってやれやれという気分だったのが、19ページの「おはよう!」で再び1日が始まりました。2度目の裏をかかれました。野山を表現する緑色がいい。日の出の光線を表現する黄色の単純な線がいい。くちずさむ歌で、ララランはふつうですが、ロロロンは普通でなく、これもまたいい。良書です。こどもに読ませたい1冊です。ラストのおはようシーンはGoodです。毎日楽しい朝が待っている。1969年につくられた絵本で、157刷のロングセラーです。売れ続けるにはそれなりの理由があります。
 創意工夫(やりかたを考えて発想すること)することをさりげなく教えてくれる本です。空から飛んできた1枚の布が次々と変化してゆきます。白い布は生命の誕生(赤ちゃん)を表しています。1個の個体が個性をもっていくのです。今年読んでよかった1冊になりました。うさぎはお母さんです。お母さんと布(赤ちゃん)が調和してゆく様子が愛情たっぷりに絵と色調で表現されています。わたしがあれこれ説明するよりも実物の絵本をご覧いただくことがいちばんいい。母子の知識の吸収、健やかな明日を願う絵本です。たいへん気に入りました。

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