2012年06月18日

しげちゃん 室井滋

しげちゃん 室井滋(しげる) 金の星社

 女優の室井滋さんの名前にまつわる生い立ち話が絵本になっています。名の読み方は「しげ」さんだと思っていました。「しげる」さんでは、もろに男の子の名です。本人はその名前が嫌いだったと小学校1年生時代をふり返っておられます。女優さんですから芸名を使えばいいのですが、そうされていません。
 絵はずいぶん前に読んだ「ぼくがラーメンたべてるとき」の長谷川義史(はせがわよしふみ)さんです。広い世界観をもって平和を希求することがメッセージでした。絵は素朴です。描きたいところを大きく、そうでないところは小さくというめりはりがきいています。構図はまるくて色づかいはあたたかい。
 「しげる」という名前のせいで、女なのに男と間違えられる。いじめられる種になる。そんなこんなでしげちゃんはゆううつです。ところどころのページにネコが出てきてセリフはないけれど、しげちゃんと一緒に悩んでくれます。ネコのしぐさがかわいい。
 昭和30年代の風景や家の中の様子が描かれています。なつかしい。昔のどこにでもある家です。親は子の名前に意味をもたせて願いをこめて名付けをします。しげちゃんは、おかあさんから名前の意味を聞いて納得するのです。自分の名前が嫌いだという人は案外多いと思う。名前負けだったり、字画が多くてめんどうくさかったり、発音しにくかったり、ほかの人たちが読めなかったりします。ただそれも若いうちだけで年齢を重ねてくるとなんとも思わなくなります。自分が思うほどほかの人たちは、苗字も含めて自分の名前を気にしていません。


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