2012年06月18日

江戸の笑い 興津要(おきつかなめ)


江戸の笑い 興津要(おきつかなめ) 講談社

 いい本です。長年の蓄積があります。古典落語ほかの江戸の笑いです。
 こどもの頃、テレビで落語番組がありました。長い時間、お座りして、高座にあがった落語家の話を聴いていました。一度だけ生で聴いたことがあります。長時間のお話でした。当然暗記しているわけで、ずば抜けた記憶力と根気のいる稽古を経なければかなわない職業です。
 人間の「欲」にまつわるお話が多い。とくに「お金」、ケチな人が何度も登場します。くどいほどの繰り返しが笑いを誘います。話が深まるにつれ、「道徳」を「教育」する部分にまで達します。オチも見事です。
 泥棒に入ったら、盗むものがなくて、住人から逆にたかられた。のんびりしています。凶悪事件ではないので、気持ちが明るくなります。江戸時代の文化や風俗がわかります。江戸時代は、商品と買うときに帳面につけておき、支払いは7月の盆前と年末だったとあります。他に、小話、川柳と庶民の歌の狂歌があります。あかちゃんを歌った川柳にはほろりとさせられます。あかちゃんは幸せを運んでくれる。当時ののどかな親子のやりとりが伝わってきました。

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