2012年06月17日

マネーボール 映画 DVD

マネーボール 映画 DVD

 昨年映画館で観る機会がありませんでした。いい映画だったという評判なのでDVDで観ることにしました。部屋でひとりでDVD鑑賞のほうでよかった。哲学の映画です。野球を素材にしてありますが、野球の映画ではありません。マネジメント(コントロール)の映画です。組織のマネジメントのようにみえますが自己のマネジメントです。
 実話が元になっています。アメリカメジャーリーグにアスレチックスというチームがあります。お金持ちチームと貧乏チームがあって、その下にクソチームがあって、さらにその下にうちのチームがあるとGM(ゼネラルマネージャー)のビリーは熱く言い放ちます。いくらいい選手を育成してもお金持ちチームに高い契約金でいい選手をさらわれてしまいます。
 ビリーの目の前に、ぶかっこうで太い体型のピーターという若い男性が現れます。ふたりは、幸せからこぼれおちている選手たちを拾い上げる作業を始めます。落ちぶれた選手の家をたずねるシーンでは胸が熱くなりました。どんな方法(たとえば四球)でも1塁に高確率で出塁することができる選手の獲得を顔の良いスター候補生よりも優先すると表現されています。「選手」ではなく「勝利」を買うと決定します。
 GMのビリーは離婚しているらしく、前妻が引き取った12歳の娘が彼を励まし続けます。ビリーは未来を嘱望された若手プロ野球選手でした。しかし挫折しています。彼は映画の後半で、人生をお金で決めて失敗した。もうお金で決めないと誓ったことを語ります。目の前にプロ野球入団の高額契約金と有名大学奨学金貸与を並べて、彼は契約金を選択しました。短命だったプロ野球選手生活を振り返りながら、プロ野球の世界を離れれば単なる高卒の44歳だと自嘲気味に語ります。
 映像はドキュメンタリータッチです。お金がかかっていないようでかかっていることが特典映像を見てわかりました。リアル(現実のことのよう)です。やはり事実(実話)がベースになっているからです。目立たないけれど観客に違和感をもたれないような配慮がされています。
 「意味」のありかにこだわる映画でもあります。なかなか変化しようとしない旧体制との闘いでもあります。老齢化した関係者たちは数値的根拠のない「経験」と「感」を盾に既得権を手放しません。彼らふたりの行動の意味は「世界を変える」であり、契約金と年俸の多寡(たか、おおいすくない)の意味はマネジメント能力価値の高い低いです。大人の映画でした。


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