2012年06月16日

九州少年 甲斐よしひろ

九州少年 甲斐よしひろ ランダムハウス講談社

 読んでいて楽しい内容ではありません。でも、作者は文筆家ではないので、いたしかたありません。個人の思い出日記となっています。短文なので、読みやすいことは読みやすい。家族環境は恵まれていなかったようです。父親が女をつくって失踪し、母親が水商売をしながら4人の息子たちを育てた。末っ子が作者です。こどもの頃から人前で歌を歌い、本が好きで、映画が好き。芸術に親しむ環境と才能に恵まれていました。
 後半、もう本の内容が終わる頃から興味が湧いてきます。書き慣れてきたのでしょう。プロ野球「黒い霧事件(八百長事件)」の渦中でも一生懸命に練習していたピッチャー東尾選手の話は良かった。
 ミュージシャンという同じ仕事を一生続けていく。仕事の内容が転々と変わっていくわたしのような人間からみると、どんな感じかするのだろうかという興味と自分にはできないというあきらめが湧きます。
作者は芸能人らしくない普通の人です。修学旅行でビールを飲んで、母親が学校から呼び出しをくらった話はよかった。おかあさんが「ビールはおいしかったか」と聞く。昭和の時代の心あたたまるお話です。おかあさんがおかあさんであった時代です。


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