2012年06月15日

自転車ぎこぎこ 伊藤礼 

自転車ぎこぎこ 伊藤礼 平凡社

 作者は小説家伊藤整(せい)氏の息子さんです。息子さんといっても、もう76歳です。そして、サイクリストです。電車をからめながら友人たちと全国各地をサイクリングする人です。
 さて感想です。作者の68歳から76歳までのサイクリング歴です。この年齢で、1日2キロから始まって、1日50キロまで走行可能になる成長があります。作者は走行記述をしながら知識をあふれんばかりに文章で露出していきます。他の自転車モノの本と比較して違うのは、作者が孤独ではないことです。ふたりないし4人での自転車旅行をされています。連れも老齢で、65歳、64歳、73歳などです。
 のんびり、ゆったり、時間の余裕ありで、のんきさがユーモアにつながっています。自分を卑下(ひげ)したり、自虐的(じぎゃく)な面もありますが、楽観的です。けっこうきついことも書いてあります。特定の固有名詞をあげながらダメとか嫌(いや)ということが書かれてあります。
 愛知県編の熱田神宮付近の記述を読み終えた頃、わたしは熱田神宮のそばを走る名鉄電車に乗車していました。作者はわたしの目の前にあるショッピングセンターのビルでみそかつを食べています。本の中と、現実が交錯して、わたしは、たった今、作者とすれ違った気分になりました。


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